キャラ選択学入門

今日もどこかで誰かの「初心者は強キャラを使え」という叫び声が聞こえる…

 

その叫び声を皮切りに「初心者は強キャラを使え論争」が勃発するのだ。



「初心者は強キャラを使え論争」とはどういう論争か説明すると、

 

「異なる性能を持ったキャラ・武装等の選択があるゲームにおいて、初心者が適切でない、あるいは微妙な強さのキャラ・武装等を選択した結果生じる様々な問題に関する論争」の事である。

 

一般的には不特定多数がチームを組むようなゲームにおいて勃発する事が多いが、状況によっては1vs1の格闘ゲームでも勃発する

 

私はこの「初心者は強キャラを使え論争」に関して見かける度に辟易としていたので、私見を残しておこうと思う。



〇 各方面の主張


具体的に問題点だと主張されがちなのは主に以下の①と②である。

 

①チームゲームにおいて味方 の負担となる。(実際なってるかは別として)

②キャラの自虐を聞かされて鬱陶しい。

 

また、初心者がそのゲームにおいて定着して欲しいという願いから

 

③成功体験が簡単に得られるキャラを使ってほしい。

 

という視点で議論される事があるが、大体ゲームプレイの入口は使いたいキャラがいたり、特定の誰かと一緒にゲームをしたかったりが主な理由であったりするので、成功体験はそこまで関係無いのではないかと考えている。

 

それ以上にチームゲーにおいては①や②に起因する外野からの野次や、ギスギスしたやり取りが大きな負担となりえる。

 

結局のところ、③は①と②を発生させないための予防策である側面が大きいと考えられるので、とりあえず①と②に関する所を掘っていこうと思う。

 

 

〇 ゲームにおける「キャラ選択」は使用する「道具」の選択である



恐らくフィジカルスポーツにおいて「各個人において最も能力を引き出す適切な武器が様々な形で存在する」という発言をした場合、全員が全員「そんなの当たり前だろう」と言い出すだろう。

 

野球におけるバットやグローブは色んな形や重さの物があるし、サッカーにおけるスパイクの形状も様々だ。

 

基本的に小さな身体に大きな武器を持つ事は難しいし、大きな身体は小回りは利きづらい。

 

この話は以前書いた「ガチ勢エンジョイ勢論争」に関する記事で言及したが、武器で例えると大概の人はすんなり飲み込んでくれる。

 

実際の所重すぎる武器は子供には使えないし、相手を倒すという目的の達成の仕方を多角的に想像可能だし、誰もが経験した事があるからだと考えられる。

 

mekasue.hatenablog.com



しかし、ゲームのキャラクター選びにおいて同じ発言をすると「そんなわけは無い」という論調が沸き起こる。

 

これは何故か?

 

ゲームは絶対的な数値の統制によって動いているからである。

 

ボディビルダーがAボタンを押しても、赤ちゃんがAボタンを押してもそれは全く同じ力を発揮するから、反射的に「差が無いはず」という認識をしてしまう。

 

しかしながら、実際の所はキャラクター性能が個人個人で合う合わないというのが明確に存在する。

 

 

一番分かりやすく想像がしやすい例は、キャラの速度が非常に早すぎたり、固有のゲージが余計にあったり、あるいは非常に複雑な操作が必要だったりで、個人個人の情報処理能力の差が大きく影響する場合である。

 

単純に手先が不器用な人や情報の処理能力が低い人はシンプルなキャラクターを使った方が良いだろう。

 

一方、複雑なゲームにおいてのみしか腕の差が出ないかといえばそうでもない。

 

単純にもの凄い反射神経が良い人が、もの凄い発生の早い攻撃を持ってるキャラクターで蹂躙をするのが最強と思いきや、少し反応が悪い人が同時にカウンターの攻撃を持つキャラクターのボタンを押した場合は勝てたりもする。

 

運ゲー」だったり「噛み合っただけ」と例外化するのは簡単だが、あまりにも噛み合い過ぎているという事例は常日頃起こっている。

 

確かにキャラクターのステータスの面で明らかに理不尽な偏りがある事は往々にあるが、実際の所キャラクターという道具の適正は無視出来ない程度には大きな要素である。

 



〇 その「勝ちたい」は目的なのか?手段なのか?

 

最初によく論争の焦点となる例として挙げた

 

①チームゲームにおいて味方 の負担となる。(実際なってるかは別として)

②キャラの自虐を聞かされて鬱陶しい。

 

という2点は実際の所「初心者は強キャラを使え」というアドバイスで解決する例はほとんど無い。

 

そう主張する人は根本的にこの問題の本質を理解していない。

 

掘っていけば「何故、人間が分かり合えないのか」という議論にまで達することとなる。



最も重要なのは各々の「目的」と「手段」を明確化して整理する事にある。

 

例えば「勝ちたい」と言っている人がいたとしよう。

 

皆さんだとこんな人にどういうアドバイスをするだろうか?

反射的に「強キャラを使えばいいよ」と言うだろうか?

 

その人はどうやって「勝ちたい」か考えた事はあるだろうか?



ただ「勝つ」というのにも、ただ目の前の試合にも勝ちたいのか、高い勝率を維持したいのかで全くアプローチが異なってくる。

 

また、誰にでも勝ちたいのか、それとも特定の個人に勝ちたいのか、あるいは大会等の場で勝ちたいかでも全くアプローチは異なる。

 

勝率に関して考えてみても、短期的に高い勝率を維持したいのか、長期的に高い勝率を維持したいのか等、時間軸による変化も生じる。

 

本人は「勝ちたい」という意識かもしれないが、実際の目的は「負けたくない」だったり「バカにされたくない」だったり「迷惑かけたくない」だったりする場合ももちろんあるし、もしかしたら「弱い物いじめがしたい」だけかもしれない。



また、「大会に勝ちたい」にしても、最終の目的が「プロになりたい」だったり「ただ単にちやほやされたい」といった理由まで様々な目的である可能性がある。

 

目的の手前にある「勝ちたい」は目的を達成するためのただの「手段」であって、決して目的ではない事を認識する事が極めて重要である。

 

もちろん「特定のキャラで勝ちたい」が目的なのであれば、キャラを変えてしまったらゲームの勝敗以前に負けてしまっている。

 

▲ゲーム自体の生存戦略だったりもする (ワールドトリガーより)



 

よく「少なくとも、チームゲームにおいては勝利を目指してくれないと困る」という人もいるが、勝利条件は状況によって無限に存在する中で自身の目的と他人の目的を一致させるのはほぼ不可能だ。

 

「一緒に(共通認識としての)勝利を目指す戦いをした上の勝利」が目的ならば、共通の目標に付き進める仲間を探すべきだし、ランダムに遭遇する相手と自分の理想の勝利を目指したいのであれば如何にして自身一人の力でそれを為すかを真剣に考えるべきである。

 

その努力をせずにそういうボヤきをする人は自身が非難してる①や②の人と大して変わらない、周囲の人々にとっては大変煩わしいものである事を認識した方が良い。

 

 

〇 目的の仮設定をする。

 

最初に目標の仮設定をしよう。

そうすれば次に手段を設定出来るようになる。

 

先に述べたような明確な目的の設定が出来る人はほとんど存在しない。

 

経験値が無い分野において明確な目標設定が最初から出来る人は皆無といってもいいだろう。

 

ただ、360度どの方向に進んでもいい状況だと人間は中々歩き出せない。

 

先に挙げた「勝ちたい」等だと、何となくボンヤリと方向性が指定出来る。最初はそんなボンヤリしたもので良い。

 

実際の所、ほとんどの人がもっとフンワリとした目的を設定して行動しているし、何なら目的が気分によってコロコロ変わる人もいたりする。

 

人の原動力は「面白そう」と感じる心だったりすると考えているので、本当にそんなので良い。

 

mekasue.hatenablog.com



ぼんやりと方向性を決めたら、次は手段の決定である。

 

ここで出てくる「手段」とは、そう、「キャラ選択」となる。

自分の目的の達成に適切なキャラを選ぼう。

 

ただし、先に述べたように初心者の多くは特定のキャラを使う事自体が目的となっているので、キャラ選択自体が目的となっても良い。

 

その場合は目的としてキャラを選択し、どうやって使いこなすか?という手段を考えるフェーズに入る。



しかしながら、実際のところは「キャラ選択」を「手段」として捉えられない人が多い。

 

先述の通り、初心者がゲームを始める理由が「特定のキャラクターが好きだから」という理由は本当に多い。

 

一方で例えばスプラトゥーンにおいて「ホクサイという武器が使いたいから」という理由でゲームを始めた人は見た事あるだろうか?

 

やはりキュートなキャラクターやみんなでワイワイ出来るゲーム性が最初の目的となる。



こういった武器選択型のゲームでは変更に抵抗が無い人が多い。

 

これは自然と「武器選択」を目的達成のための「手段」と捉えられているからだと思われる。

 

ただ、使用している内に武器に愛着を持つ人もいるわけで、「この武器を使って勝ちたい」という目的を持ったりした人はその後に武器を変える事はナンセンスとなる。

 

 

こうして目的を設定して手段を最適化させて頑張っても、残念ながら目的を達成出来ない事は往々にしてある。

 

なんなら目的を達成するためにピッタリの手段(キャラ)があるゲームの方が非常に稀である。

 

そういう場合は酷な話であるが、どこかで見切りをつけて別のゲームに移るのを検討して良いのかもしれない。

 

必ず経験値は上がっているので次に挑む場合確実に目標を明確に立てれるようになっているだろう。

 

もしもどこかでピッタリのキャラに巡り合ったらゲームの開発元に感謝しよう。

 

 

これまでの話をもとに実際にLeague of Legendsというゲームを始めるにあたって実践してみた記録は以下の記事に残してみたので参考になればと思う。

 

mekasue.hatenablog.com

 


〇キャラ選択の傾向分析は学問になりえるか?

 

以上でキャラ選択とはどういった事象か?という話はご理解いただけたと思う。

 

早い話が頭ごなしに「強キャラを使え」と言うのは大体は間違いで、本当は相手の目的をヒアリングして適切な手段を一緒に考えてあげる事が最も建設的な行動であろうという話だ。

 

是非実践してみていただきたい。

 

 

そして、私はこのキャラ選択のプロセスに、特に近年において非常に新鮮で興味深い変化が生じていると考えている。

 

この記事のタイトルも「キャラ選択学入門」と名付けたのには理由がある。

 

様々なゲームにおける「キャラ選択」は、異なった性能を持つキャラという手段がどのような目的達成のために用いられているかを体系化する社会学的な側面を持つと考えている。

 

これまでの人類史において平等な性能の道具を不特定多数が一斉に使い始める事なんて事は無かったはずだ。

 

ゲーム史においても全世界同時発売、同時アップデートなんて事が当たり前になったのは割と最近の事である。

 

様々な人種の人々が全く異なるルール下で自分に合うと考えた道具を持って競技を始めるような事が連続的に置き続けてるという事象は、人間の内面に迫るための重要な事件なのではないかと考えている。

 

 

実際問題、キャラ選択の傾向によって人物のかなり正確なプロファイルが可能であると感じている。

 

20年以上格闘ゲームをやってきて、それこそ何十タイトルと触れており、そのうちいくつかは全国大会に勝ち上がる程度にはプレイしており、全国津々浦々色々なゲームセンターにも遠征してプレイヤーとの交流を深めてきた。

 

似たようなキャラを選ぶ人達は似た性質を持ち合わせているし、複数タイトルで傾向が同じならその分要素が強く濃くなっていく。

 

 

一例として、GGXXACというゲームにおいて、「ヴェノム」というキャラが「テクニカル」と認識され、「スレイヤー」というキャラが「脳筋」と認識されていた事に対して「どっちも脳筋だろ!!!」と非常に腹が立っていた時にアンケートを取った事がある。

 

どういう結論だとみんな納得するか?と考えながら、プレイヤーの平均年齢が30歳くらいと推測された事もあり「とりあえずみんなが答えれそうな最終学歴でいいか」と取ったアンケートの結果が以下の通りである。

 

Twitterのアンケート機能を使用

 

結構な回答数で協力してもらったのだが、結果は「2キャラの間には有意差無し」であったので私としては今後「どっちも脳筋キャラだよ」と説き伏せれると納得が出来た。

 

ただ、予想外の点として、2キャラ共大学院卒の割合が全国平均と比べて異常に高く、「ヴェノム」に至っては全国平均の4倍近い結果になった。

 

これは格闘ゲーマー自体が研究志向のプレイヤーを一定数抱えているのもあるだろうが、「ヴェノム」の方がトレーニングモードを活用したセットアップの構築を考える楽しみの幅が大きいという事に起因しているのではないかと推測している。

 

上記の例は全23キャラ中の2キャラのしかも学歴差だけという何ともお粗末な比較ではあるが、様々なアンケートを取れば面白い結果がたくさん出てくると確信している。

 

〇 余談 車を選ぶ


例えば「車選び」は「キャラ選択」と同じ傾向にあると考えており、多くの人に説明するには良い題材なのではないかと考えている。

 

目的があって、手段を選択する。

 

通勤だけなら小型の燃費の良い車が良いだろうし、家族がいるなら休日の遠出も考えてファミリーカーを選ぶだろう。

単純に乗りたい車があるのならば燃費が悪くとも、故障が多くとも乗れば良い。

 

愛着のある車に乗るのが目的の人もいれば、その車と共にレースを目指す場合もあるだろう。

 

重要なのはただ必要最低限の道路交通法は守る事のみである。

 

ただ、高速道路に乗る場合、ノロノロしか走れない人は別に走るなとは言わないが、道を譲らないとひと悶着が起きたりする事があるのを知ってくべきではある。

 

追い抜く側も幅寄せはダメだし、前に出て急ブレーキをかけるなんてもっての他だ。

ルールの範囲内でマイペースに運転しよう。

 

 

如何だろうか?

都会の人は分かりにくいかもしれないが、車が必須で常日頃運転している田舎の人はニュアンスを理解していただけたかもしれない。

 

そして、そうすると何故プリウスに乗ってる人が揃いも揃ってあんな感じか見えてくるかもしれない。

 

私はプリウスを見たら「投げキャラが来たな」と認識している。

 

▲選択が変わる時は、知識を得て選択肢が増えたか、そもそも生き方が変わった時だ

 

名古屋でシャドウバース エボルヴをする人の会

名古屋に行ってきた。


完全にふざけた会である。
事の始まりは4/28に『シャドウバースエボルヴ』が発売された事にある。
 
 
僕は普段紙のカードもやらなければ、何なら原作のDCGの『シャドウバース』も全くやってない。
 

DCG(デジタルカードゲーム)は『ドラゴンクエストライバルズ』から入って『遊戯王 マスターデュエル』はノリでプレイしているといった感じだ。

 

ちなみに遊戯王に挑戦した時の記事も以前書いている。

 

mekasue.hatenablog.com

 

そんな中、VRChatのオタク達が「やるか、シャドウバースエボルヴ」となっていたので、「今更紙カードか~~~」と言いながらも購入したのである。
 
とりあえず保険をかけてスターター2種類とボックス1箱。
 
そしてどうやって対戦・観戦するかというと以下の画像と手順の通りだ。
 

VR上で紙のカードをしばいている。
Webカメラで撮影
動画をDiscordで共有
OBS取込
Youtubeで限定公開
 
 
恐らく外から見ると「Discordだけで良いのでは?????」となると思われる。
 
実際ポケモンカードコミュニティの話を聞いていると、コロナ禍以降はDiscord上での対戦会が主となったようである。
(遊戯王にはDCGがあるが、ポケモンカードにはDCGが無い事が大きく関係していると思われる)
 
 
 
対戦であればDIscordで出来るのでその通りなのだが、VRCでミラーリングする事の利点は「誰でもたまたまその空間に来訪出来る」という点に尽きる。
 
以前コミュニティ論に関するブログを書いた事があるが、その中で「ニッチなコミュニティを維持することがコミュニティの心地よさの維持に繋がるが、完全に閉じてしまったコミュニティは腐ってしまう」という趣旨の話を書いた。
 
 
今回の場合、私の考えでは「Discordに籠る事」は「人が偶然出入りしえない、ほぼ閉じたコミュニティを形成する事」なので、あえてVRChat上という狭いながらも自由に行き来が可能かつランダム性がある門が開いたスペースで遊ぶ事で、ある程度の換気を維持可能と考えているわけだ。
 
実際プレイ中に様々な人がやって来る。
 
「私もやってます」と乱入してきた人はまだ一人もいないが、『シャドウバース』は歴史が長い事もありプレイヤーも多い。
 
効果が変わってたりするものの、初期の方に活躍したカードが多く収録されている事もあり、懐かしさもあるようだ。
 
そんな中、オタク達が絶叫しながら倫理的に到底許されない効果を持つカード達を叩きつけている場を眺めてゲラゲラ笑ってたりするので、私の意図は合ってると思う。
 

干渉が難しいEXエリアを駆使して無法を働く者達
そんなこんなでプレイヤーとして集まったのは
 
カードゲームオタクが一人
重度の格ゲーオタクが一人
FPSオタクが一人
それに僕(何オタクだ?)
 
 
最初の2日はカードゲームオタク達の対戦を眺めながら「何故初日からそんなにカード資産があるの???」と疑問を呈し、『プロキシカード』という概念を教えてもらう。
 
要するに、全部カード集めるのは流石に現実的じゃないので、デッキ調整のためにコピー用紙で仮カード作って、あーでもこーでもないといじくり回すためのものである。
(当然、大会参加時は調整後にカードをかき集めてデッキ構築する。)
 
 
他のオタク達はエルフ、ロイヤル、ウィッチのデッキ使用が多かったため、『ナイトメア』に絞る事にした。
 
そこから二日間はゲームルール理解とデッキ構築に伴うプロキシカード作りやカードスリーブ、ケース購入と色々集め、5/1にやっとまともに遊べる体制を構築したところでオタク達から提案が出た。
 
 
「オフでやるか…!」
 
 
場所は面子の間を取って名古屋。
 
ガッツリやり込んでたゲームの大会にはフットワークが軽く、日本全国行脚してたし、何なら界隈は「フラっとシンガポールの大会に行くと知り合いがいる」みたいな状態なので移動自体には抵抗は無い。
 
しかし、初めての紙のカードゲームで『シャドバ』もやった事が無い。
ルールすら微妙な状態のゲームで遠出するのは流石に初めてである。
 
 
「まぁ、おもろいしええか」と二つ返事でOKし、急遽宿泊場所や移動手段、現地レンタルルームと飯情報を確保し参戦する事にした。
 
バスは予約で埋まってたし、高速道路は大渋滞が安易に予測されるので、徳島-和歌山間のフェリーと新幹線を駆使した長時間移動。
 
朝4時半に起きて名古屋に移動開始した。
 
 
6時間の移動の後、名古屋のレンタルルームに辿り着き、扉を開けた時に待ってたのが冒頭のホワイトボードの看板である。
 
全くふざけた会であると鼻で笑いつつ、夕方までみっちり対戦する事が出来た。
 
 
結局、会に用意したのは『フラム=グラス ナイトメア』であった。
 
シャドバどころかカードゲーム初心者であるので効率の良いデッキとは到底思えないが、検索した感じ似た構築のデッキは無かったので起源を主張しておく事にする。
 
ただし、何ならもう既に改善したい点がある。
 

これにケルベロスをもう1枚(紛失した)

 

面子の内二人は現実だと初対面であったが、VRの凄い所として全くもって違和感が無かった。
 
Discordの人と初対面で会った時はそういう事は無いのだが。VRだと距離感やテンポ等が全て把握できている状態であるので、本当に名古屋にインスタンスを立てましたという感じで驚いた。
 
「なら引き続きVRで紙カードゲームやればいいのでは?」と言われたら「その通り!」となるのだが、たまには外に出て散歩するのも良いのではないかと思う。

損得回路 30代限界説に関する考察

以前スピリチュアルなブログを書いた事がある。

(大体スピリチュアルな事を書いているという指摘もある。)

 

mekasue.hatenablog.com

 

要約すると「不思議と神と名のつく物は基本的に『与える』存在であり、悪魔は逆である。ただし、その与えてくれた存在が本当に神だったか悪魔だったかは主観でしかないし、後々考えると主観でも逆転するかもしれない」という話である。



そもそものところ、僕がこのブログを書き始めた理由は、日常生活で話す事についていちいち最初から話すと長すぎるから「詳しくはこのブログを読んどいてくれ!!」と言うためであるのだが、人に負担を投げているにも関わらず、内容や単語の使い方が明らかにうさんくさ過ぎる文章を読ませるのも忍びない。

 

実際のところ別に雰囲気で僕の話を聞き流せば全く読む必要は無いのだが、たまに奇特な人が読んでくれる事もある。

 

そんな時にいざブログを見て、スピリチュアル過ぎるタイトルだと不安になる事だろうと思う。



と、いうわけでその時の記事よりもう少し解像度の高い話を書いておく事にする。

 

以前書いた記事は日常生活における『神』という概念を整理するための物であり、例え話がしやすいように回りくどく書いているが、話の芯は「登場する人の動き方とか物事は全て損得という概念に置き換えられる」という話である。

 

そしてそんな人が持つ習性を私は「損得回路」と呼んでいる。



・得とは何か

 

 得という概念を分解に分解を重ねると最終的に五感を揺さぶる感覚、あるいは「楽しい」または「気持ちいい」という感覚に収束すると考えている。

 

「美味しい」も「いいにおい」も「気持ちいい」という事にしたら五感に関わる部分も「気持ちいい」だけで良いかもしれない。

 

得として手に入れる物の最終到達点は決して金銭等ではない。

 

金銭も結局は何らかの欲求を満たす手段でしかなく、得の形は人の数だけ存在する。

(企業活動といった集団での活動は活動は全体の得を満たすための手段である金銭が最終到達点という事になっているが、今回は個人に限定する)



ただし、ほとんどが「気持ちいい」に収束してしまう以上、得と感じる事はある程度パターンは決まっていると考えられる。



その上で言える事。

 

人間は絶対に得な事しかしない。

 

例えサイコパスであろうがこれは100%、確実であると考えている。

 

何なら恐らく生物全てがそうである。

下手をすれば単細胞生物ですらだ。



気持ちいいと感じてるかどうかすら分からない生物ではどうか?

 

例えば、よく言われる「アリは7割が働いて3割がサボるといい、群れを縮小しても同様の挙動を見せる。得だと感じる行動しかしないのであれば、全員がサボるのではないか?」といった指摘が考えられるが、近年の研究では「3割を補助の労働力として維持するのが最適解であるため」という一定の結論が出ている。

www.nature.com

 

ただただ、得への効率性の追及は、より単純な生物の方が顕著となるという事だ。

 

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活動の幅が広い虫が最も得に敏感な生き物である気がしている。「へんなものみっけ」より

 

 

そんな損得回路から切り離されているのは物理法則ぐらいではないだろうか。

重力は損得に縛られず、摩擦もまたしかりである。

 

化学も切り離されてるのでは?と言われそうであるが、化学結合や分子間力なんかも言うなれば原子レベルの物理法則である。

 

物理現象として平衡状態を保とうとするが、それに対抗して「得をする」ためにイオンチャネルやら抗原抗体反応のような機構が発現していると推測している。

 

病気の起因やあるいは薬等の作用も、酸化や紫外線劣化等の自然劣化や、食品やアルコールの接種といった外的な因子を除くと、何らかの機構が得だと「騙され」て発生している。



一見して損をしているようで、実際は得を取っている行動の代表的なケースをいくつか挙げると、

 

例えばいじめられっ子が万引きを命じられるようなケース。

 

いじめられっ子に道徳心があれば非常に心が痛むし、間違いなく気持ちの良くない事であるが、この場合はもしも行わなければ更に損をする予感、あるいは確信があるから実行する。

 

すなわち大きな損より小さな損を取った方がマシであり、その瞬間はより得と認識している。

 

ここに長期的な視点、あるいは別の選択肢が挟まればその限りではないが、無理矢理損な事をやらされる図式はいつも裏にもっと損になる未来を認識しているのである。



例えば詐欺に引っかかっているケース。

 

三者から見て明らかに損という状況でも、当人から見ればその瞬間は得と感じているから乗るのである。



例えばギャンブル。

 

得か損かは不確定だが、その先に莫大な得が待っており、損をする未来の自分を忘却したのであればベットするその瞬間は得である。

 

仮に損をすると分かっていたとしても、その瞬間の気持ちよさがトータルでプラスであればやはり行動を起こした時は得である。



いくらアルコールを入れようが、いくら覚せい剤を入れようが、仮にうっすらと身体がボロボロになると分かっていたとしても、その瞬間がより得と認識しているのであれば人間は損得回路に従って行動する。



ありがた迷惑という損は「良かれと思ってやった」と口を揃えて言う。

どう考えてもクソみたいな行動も本人的には「得」だからやるのである。




・損とは何か。

 

得の逆、すなわち気持ち良くない事である。



 

・得を持ってくる者、損を持ってくる者

 

極論を言えば人付き合いも必ず損得のみで回っている。

 

無償の愛には必ず裏に得をしている何か理由があるし、損な行動をする生物は存在しない。

 

たとえ「悲しむ姿を見たくない」といったような何とも聞こえのいい理由も、ただの自らのメンタルバランスを崩さないためのリスクヘッジである。



ただし、人によって物事に対する得の感じ方や損の感じ方は様々だし、少しでも得と感じれば行動する人間もいれば、大幅に得と感じなければ行動しない人間もいる。

 

その辺の大小は「過去にどんだけ大きな得を食べて来たか」にかなり依存する。

得の大飯食らいは少量の得には反応しないし、飢餓状態の人は少しの得も貴重である。

 

負債があまりに大きすぎる場合は、小さな得を得たところで反転はしないので大きな得しか興味が無くなるような場合もある。




お互いに異なる得意分野に力を出し合う事で、各々得を得る場合はWIn=Winの関係であり、理想の関係性と言える。

 

目指すべきはそこであるが、言うは易し行うは難しである事は否定できない。

 

もちろんWinは金銭的な得ではなく、先述の通り結果としての「気持ちよさ」の得である。

 

優越感みたいなものももちろん得だ。

自分がその人に対してどんな感情を貰っているかも考慮した方がいいだろう。



注意すべきは一点のみ。

損を持ってくる者の見極めである。

 

損な立ち回りをする際は必ずその後に返って来る得の大きさに期待しての事である。

そんな省エネな得の投資ならどんどんすべきであるが、返って来る見通しの無い投資はすぐにでも切るべきだ。

 

最初はお互い得となる関係性を築けていたとしても、時間の経過によって関係性は変化し得る。

書き方は悪いが、定期的に自分の損得収支は勘定した方が良い。



最も危険なのは得を忘却する者である。

忘却する者への投資は感情も含めて、全て返って来る見込みが無いので意味を全く為さない。



なお、人間は結局気持ち良さに執着しているという話は「シャブセックス理論」に

mekasue.hatenablog.com

 

メンヘラは「得」を忘却する存在であるという言説については「バーチャルYoutuberはパーフェクトメンヘラストームを引き起こすのか」という記事で言及している。

mekasue.hatenablog.com

 

 

 

・損に打ち勝つ力

 

ではいつから人間はそんな損得回路で動いてるかというと、恐らく産まれたその瞬間からである。

 

ただし、そもそものところで得かどうか認識できる情報を持ってなければ損得も判断不可能だ。

 

ではそんな損か得か判別不能な時に働いている機能は何か?

 

それは好奇心であると考えている。

言い換えると「楽しそう」だと感じる心である。

 

未知の物事は損とも得とも判断が出来ないが、「楽しそう」であればそれが上乗せされて得と判断出来る。

 

損に打ち勝った後に待っている新鮮な体験は新たな「気持ちいい」を産む土壌となるため、なんだかんだで未知の物事の先に待っているのは大体は得である。

 

結果的に「気持ちいい」が手に入る必ず勝てるギャンブルであれば、誰もがベットするだろう。

 

そんな未知に賭け続ける心こそが目に見えるリスク、すなわち損に打ち勝つ方法である。



そうして未知の物事をするのが得だと判断した子供は次々と新たな物事に取り組む。

そこには損より大きな得しか存在しないのだ。



しかし、30代からは人生においては大体自分の能力の限界が見えてしまいそれ以上は中々上向かないという話がSNSで散見されている。

 

動かなくなった点こそが実質的な死であるという。

 

あれは一体どういう状況だろうか?



損として予見できてしまう消費される金銭、時間、体力といった要素に対して、手に出来る得がこれまでの経験上で上回らないのであれば身体はそもそも動かない。

 

特に30代は体力の衰えを実感し、社会的な事情で金銭も伸び悩んでいるというのが現状である故に、予見が悪化の一途をたどっており、一層拍車をかけていると思われる。



「30代での停滞が人間の実質的な死」であるという意見の根幹は、「人間が損と感じる行動は絶対取らない」という原理に基づく。

 

得であるのは生命活動の継続維持継続くらいなもので、いつしか生命活動の継続が損だと衝動的にでも判断した時に終わりは訪れる。

 

 

また、仮に思考により凝り固まってしまった状態でも、損に打ち勝つための手段として「時間的制約をつける」という手法も存在する。

 

判断をするには時間を要する。考えれば考えるほど様々な要素が出てきて、損であるという確信が増していく。

 

仮に判断速度を1秒とかにすると、損と判断するまでに至らない。

思考放棄とも言えるが、明るく生きるコツは案外ここにあるのかもしれない。



『遊戯王 マスターデュエル』は新時代のネット麻雀である

遊戯王マスターデュエルをプレイしている。

 

面白い。こんな歳になって初めて遊戯王を不真面目にでもプレイする事になるとは思ってもみなかった。



何故これまで『遊戯王』に触れなかったか?

 

初動で触らなかったのは「身近で流行らなかった」が理由のほぼ10割を占めるだろうと思う。

 

何故流行らなかったかは単純に物理的・心理的参入障壁がある。

どんな業界でも初心者の障壁問題があるが全くそれと同じ話でもある。



筆者は若い時はかなりゲームセンターにどっぷりだった事もあり、カードショップに入る事自体があまり無かった。

 

出入りの自由度で言うと、お金を入れれば勝手にプレイできるゲーセンは非常にありがたかったりした。

割と閉じた空間に思えるカードショップの門を叩く人は相当に好きだったんだろうと思う。



遊戯王という言葉は当然知っていながら20年そこら無視してきたわけなので一生触る事は無いだろうと思っていたが、この度出たマスターデュエルはやる気が起きた。

 

何故今更触ろうという気が起きたのか?

 

それは『ルールの解釈を全てゲーム側が行ってくれるから』である。



アナログゲームの不安定なルール

遊戯王のルールは複雑怪奇である。

 

と、いうよりはカードゲーム全般、もっと言えばボードゲームも含めて『ゲーム』と名の付くものは大体が複雑怪奇であり、だからこそ面白いとも言える。

 

以前はまったDCGとして「ドラゴンクエストライバルズ」があったが、かなりシンプルなカードテキストで構成されていたゲームのようでも、それでも複雑であった。



みなさんも昔やってたゲームのルール解釈が間違ってたなんて事はよくあるだろう。

 

その度に同意の基でルールを固めたりしながら最終的に身内ルールが出来上がる。

その中でゲームをやる分には非常に「公平」である。

 

しかしながら、各地にプレイヤーが点在するような有名ゲームだとそうはいかない。

 

ローカルルールAとローカルルールBの相反するルールが存在する場合、どっちが本当に合ってるかは分からず、大抵は立場や声がでかい方が勝ってしまい進行する。

 

あるいはどのどっちのルールも本当は間違ってる可能性すらある。

日本語は本当に難しい。



TCGは次々と新弾が出る毎により複雑怪奇になっていく傾向にある。

 

ポケモンカード遊戯王はジャッジを認定制にする事で大会等のルール統一を図っているが、早い話が「野良は好きにやってね」という事だ。

 

そりゃ当然である。いちいち見てられない。



あまりに複雑怪奇なゲームなせいで、文面を理解するのに非常に時間がかかる。

 

パターンAは?パターンBは?ならばパターンCはどういう処理か?

教えてもらっても、本当にこいつは正しい事を言ってるのか?と疑心暗鬼は晴れないだろう。

 

せっかく教えてくれてるのに「ホントか?」なんて言えないだろう。僕は無理。

 

実戦形式にしてみても、いちいち「このタイミングでこのカードの効果は発動可能か?」とタイムがかかる事になる。

そうなればカードゲームの醍醐味である読み合いまでも遠くなる。

 

一体何人に何時間迷惑をかける事になるのか?

 

勝負事となると、厄介な奴もたくさんいるだろう。

 

まぁ無理だ、新規参入。無理。



 

■CPUのジャッジはトライ&エラーを許容してくれる

 

ところがどっこい『マスターデュエル』は素晴らしい。

 

伝統的に複雑怪奇だったゲームにおいて、プレイヤー一人一人の横に厳正なジャッジが付いてくれたのだ。



『このカードを発動しますか?』

 

『特殊召還をしますか?』

 

『今この効果は使えません』

 

全てのタイミングを教えてくれるし、意に反した挙動をした場合、それは何故発生したのかを自由に復習可能なのだ。

 

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特殊召喚が出来ない時は、必ず何かしらの効果で引っかかっている。

 

そこに疑心暗鬼は存在しない。絶対的なルールが傍に座ってくれている安心感は何とも大きい。

イチャモンをつけてくる相手もいなければ、迷惑をかける相手もいない。

 

ただただトライ&エラーを繰り返せば克服出来る。




そしてプレイしてて何とも似た感覚を思い出す事になった。

 

それはいつかプレイしたネット麻雀である。

 

TCG程複雑怪奇ではないものの、ドンジャラと比べて麻雀は単純ではない。

 

様々な役があり、チー、ポン、カンと相手のターンに干渉するルールがある。

一番複雑なのは点数計算だ。

 

ネット世代で麻雀が出来る奴は大抵がネット麻雀で覚えた口であると思う。

 

とりあえず光った「チー」というボタンを押してみて、何故かロンが押せない。

何故だ?と調べてみてルールを理解する。

 

そんなトライアンドエラーが確実にネット麻雀世代を育ててきた土壌がある。



■『遊戯王 マスターデュエル』はとりあえず雑にプレイする(できる)ゲームである

 

真面目にプレイしてる皆様には申し訳ないが、上記の通りである。

もちろんやり込み要素が凄いあり実力が反映される事も分かったが、最初は凄い雑でいい。

 

是非とも皆さんマスターデュエルをプレイしてみてほしい。

このゲームは新時代のネット麻雀である。

 

雑に『灰流うらら』を切り、雑に『増殖するG』を発動させ、雑に『墓穴の指名者』を被せてトライアンドエラーをするのだ。

 

「ポンしますか?」と出れば雑に「ポン」を押せば良い。

結果として敗北するかもしれないが、何故ダメだったかを知る事が出来るようになる。

 

そして『天霆號アーゼウス』の効果を発動して「こいつ一人で良くない?」と言ってみて欲しい。

 

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ロボはつよい

 

 

ちなみにそんなトライ&エラーのトレーニングモード好きな人にオススメなのはLL鉄獣デッキだ。

 

僕のタイムラインの鬱気味の人がLL鉄獣によって全員元気になっているのを見るに、多分コンサータよりLL鉄獣の方が効く。

 

chomosh.hatenablog.com

 

note.com

 

kotaroblog.hatenablog.com

 

『Zenith : the last city』は正真正銘に『正統派VRMMO』である (レビュー+攻略記事)

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この記事は『Zenith : the last city』の簡単なレビューと、効率の良い攻略のための資料である。

 

ゲーム自体にストーリーはあって無いようなものなので、いわゆるネタバレ的なのは存在しない前提で話を進めるが、一から開拓したい人は回れ右していただければと思う。



筆者はVRゲー自体は2019年からかなり色々遊んではいる。ただ、どのゲームもプレイヤーがほとんどアメリカ人だったりで日本語の資料がほとんど残っていないのが現状である。(少なくとも観測範囲内では)

また、攻略といってもゲーム自体がシンプルだったり、一本道でそもそも攻略を残す程の物でもなかったりする。

 

その点『Zenith : the last city』はタイトル通り正統派MMOと名を冠せるほどの出来栄えのゲームであり、その自由な特性上『正解』は存在しない

 

 細かいデータを記したwikiみたいなものはデータ大好き海外兄貴達が作りそうな気がするが、☆最強☆最高効率☆レベリング戦略☆みたいなものは残らない気がしたので、僕が「コレでは?」となったもの達をレビューと共にメモ程度に書き記す事とする。

 

現に割と重要アイテムであるが収集が果てしなく面倒くさい「amara’s tear」の位置をまとめたり、料理クエスト関連をまとめてくれてるWikiが既に存在している。

 

ez.community

 

プレイヤーにYoutubeで「Zenith 最強」とかで検索しそうなプレイヤーもいなさそうな気がするし。

 

 

『Zenith : the last city』は現状Quest2購入者へのオススメゲームの一つである。

 

2022年1月28日に発売された『Zenith : the last city』の凄さはなんといってもOculus Quest2単体で楽しめる点だろう。

 

高精細なVRゲーは多々あれど、ハイスペックなPCが必要なのがネックとなってくる。

その点、Quest2単体で楽しめ、何十人というプレイヤーと同期しながら本格的に楽しめるゲームは『Population One』以来だろうか。

 

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Steamのコミュニティにあがってたスクリーンショット。この大人数でプレイ出来る。

 

Quest2は近年アメリカであまりにも安すぎるために独占禁止法に抵触するんじゃないかと怒られてたくらいのブツであり、今VRに手を出すならほぼ一択の選択肢ではあるが、単体性能は高級スマホくらいなもんである。

 

10万する高級スマホが3万そこらで手に入ったら十分凄いじゃろがいとなるところであるが、やはりハイエンドゲーミングPCと繋げた時の破壊力は凄まじく、この辺は以前色々とVR関連の記事を書いた通りである。

 

mekasue.hatenablog.com

 

そんな中、Quest2単体で楽しめるVRらしいゲームとして、アルトデウス等をオススメしていたが、あくまで一人で楽しむものであって、VRの本質とも言える「みんながそこにいる」という感覚は得づらい。

 

VRChatも良いが、Quest2単体だと「規制がかかった世界を散歩してる」のは間違いない。そういう意味では今Quest2を買った日本人にオススメできるアプリは『Cluster』と、この『Zenith : the last city』なのかもしれない。

 

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流石に全体的にローポリに仕上げてはいるが、町並みなどの迫力は十二分。Steamコミュニティより。

 

Zenithが非常に優れていると考えているのは以下の点である。

 

①サーバーがマジでクソいっぱいある。

VRゲーの弱点として大人数の同期は非常に難しい。

多人数いるとどうしてもラグるんだけど、ラグったらゲームにならないのはどのゲームもそうである。

 

それを解決する脳筋とも言えるサーバー数。素晴らしい。

キャラデータは共通で、サーバー移動が自由なので、みんなでワイワイやりたいクエストはHighの鯖へ、低人数で独占して回したいイベントはlowの鯖へ行こう。

 

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Nexus_asiaサーバーはかなり日本人がいる。ただし、時間によってはめちゃ重い。




②共闘に損がほとんど無い

大体のMMOは多人数で敵を殴りに行くと与ダメージや被ダメージに大して経験値が配分されたり、アイテムが配分される。

 

その点Zenithは一発でも攻撃を入れれば経験値がフルで入る。

 

敵にもLvが設定されており、自身よりLv3高い相手には全然ダメージが通らなくなる縛りがあるので、低Lvプレイヤーが高Lvモンスターに介入する事は難しいが、高Lvプレイヤーが協力しやすく、低Lvプレイヤーがストレスを感じないようになっている。

 

アイテムドロップも全員する。素晴らしい。

唯一共闘イベントは貢献度によって傾斜はあるが、雑魚に1発入れてるだけで経験値になる。

 

ボス討伐イベントも全員に経験値が入るようになってる。やり得。



③ワープし放題で移動にそこまでストレスが無い

各拠点に到達するとワープが解放される。

マップからワープし放題なので、クエストが出たらみんなでボイチャしながらビュンビュン飛ぼう。

 

人気クエストは少し待ってるとどんどん人が集まってくるので共闘チャンスだ

 

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ワールドマップの緑の点がFast Travel(ワープ)可能。気軽に飛ぼう。

 

 

④デスペナが無いし、死んだら誰でも蘇生可能である

 

ギスギス要素であるデスペナが無い上に、必要経験値の傾斜が緩やかなのが最高に良い。

 

格下のモンスターを狩った時の経験値がめちゃくちゃ低くなるように設定されてるので、安牌の狩場に延々と同じ人がいて独占される事も無く、基本的に美味しいのはレイドクエストという事でみんながそっちに集まる傾向にある。

 

死んだら死体からヘソの尾みたいなオーラが出るのだが、それに手を当ててもらう事で蘇生が可能である。

 

死に戻りする場合は祈りポーズを一定時間取ると最後に降り立った街に戻る。

 


逆にZenithがしんどいと考えているのは以下の点である。

 

①何から何まで英語な上に説明が少ない。

一応チュートリアルがあるものの、簡単な操作説明チュートリアルくらいのもので、アイテム類のチュートリアルは無い。

 

例えば、「amara’s tear」というアイテムを集めると割と重要な要素であるスタミナ値の限界が上がるのだが、そのアイテムを納品するクエストは完全にチュートリアルから外れており、ちょっと迷い込まないと見つからない。

 

ゲームクリアには必要無いものの、あるかないかでゲーム中のストレスがかなり変わってくる事もあり、この辺は一般クエストに入れといてくれとなる。

 

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Fractured plainsの南の謎の石像に捧げる。Lv30くらいまで気付かなかった。


ちなみに筆者が剣士にも回復スキルがある事に気付いたのはLvがカンストしてからである。

 

逆に言えばそのぐらい雑でも攻略可能だ。

 

 

②スタミナ管理が面倒くさい

飛行にスタミナ消費するのは仕方ない気がするがジャンプにもスタミナをごっそり消費する。

 

VRゲーといえばピョンピョンしながら移動な気がするのだが、不用意にジャンプ出来てしまうと簡単に崖越え出来てしまいすぎるのでやむを得ないか。



③現状結構バグがある。

これは後々解消されるとは思うが、かなり色んなバグがある。

 

VRゲーだとよくある事だが、ポリゴンの隙間に落ちてしまっても落ち着いてログアウトしよう。

特に山超えてたらよく落ちます。

 

一番ストレスが溜まるのが、防衛ミッションのゲージが勝手に消費される件だろうか。

敵を通してないのに削れるゲージ、一体何なのか。修正を期待したい。








さて、以下はZenithの世界の簡単な歩き方ガイドである。

 

①サーバーを選ぼう

今のところ日本人が多いとされているのはNexus_asiaサーバーである。

ただ、Nexus_asiaがHighだったりすると重くてどうしようもないので、その時はKitsuneサーバーの3つどれかに集まっているという感じだ。

 

それ以外はマジで日本人がいない。外人ニキとワイワイやったり、ソロでやる分には一切問題無い。




②キャラを作って職業を決めよう。

2022/2/5現在、剣職と魔法職があり、その中でアタッカー、タンク、ヒーラーに分かれている。

 

ソロでやる場合は自由でいいと思う。

1パーティ4人だが位置が分かるってだけで大きな恩恵は無さそう。

ギルドは名前の下にギルド名が出るようになる。自由に作ろう。

 

先に述べたように共闘にメリットしかないので、人は多い方が良い。

筆者は10人ぐらい集まってDiscordでワイワイしながらやってました。



ちなみに剣職⇔魔法職の切り替えは無理だけども、剣職の中でアタッカー、タンク、ヒーラーの役割は自由に切り替え可能である。

 

ただし、Lvは共有しておらず、アタッカーLv30、タンクLv15、ヒーラーLv1とかそんな状況になる。

 

装備がLv+3までの装備制限があるため、並行して育てると管理が割と大変である。(倉庫システムは今のところ存在しない)

 

仮にアタッカーのLvが30の場合、タンクを上げようとすると取得経験値が2倍になるのでサブクラスを育てるならメインと同じLvまで上げた方が良いかもしれない。



みんなでやる場合は一人は回復役が欲しい。

今のところ剣職は一人はパーティに一人はいてほしい感があるが、タンクですら魔法職の方が強いのではないか疑惑は出ている。

 

 

チュートリアルを進めよう。

いきなり意味不明な世界に降り立って説明はほぼ無い。

 

移動方法は大体Smooth設定で良いとは思うが、酔う人は方向転換を30°か45°にしよう

飛行設定だけは最初から腕の傾きで自由に飛べるようにした方が良いかもしれない

 

 

ボタンをポチポチしてると左手のミニマップが出る。

ミニマップにはメインクエストの方向が黄色で表示されるようになってるので、大体それに従って移動するといい。

 

どうしても詰まったらメニューのクエスト欄のメインクエストのところを見るとどのクエストを進めれば良いかは分かる。

 

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困ったらとりあえずミニマップ。後はMain Storyの欄を見よう。

 

 

④自由な冒険に飛び出そう。

 

後は何となくノリで理解すればなんとかなる。

 

装備がどうとかマップがどうとかあるが、雑にポチポチしよう。



是非とも楽しくプレイしてほしい。

 

そしてRadiant Coastで出てくる「Ichiro」とかいうふざけた名前の敵に苦しめられてほしい。



 

〇Lvが足りない…そんな時は

 

基本的にメインクエストを受注すればLvは上がるが、雑魚狩りをサボると全然足りなくなる。

エスト受注にLvが足りなかったらLv稼ぎとなる。

 

困ったら以下に挙げる効率ポイントで稼ぐ事をオススメしている。

 

最初に言ったように基本的にネタバレ要素はそもそも存在しないと考えているが、情報を遮断したい人もいると思うのでそういう人は周れ右推奨である。





☆最強☆効率☆レベリング☆

 

レベル稼ぎは基本的に各種レイドに参加するのが効率が良い。

クリア経験値が美味しい上に、適正レベルであれば倒したモンスターの分の経験値も貰える。

 

更にクエストクリアによって手に入る素材は強い武器防具を作成する上で必須なのでより良いという話だ。

 

このゲームのレイドイベントは基本的に10分周期で起きているようだが、一部のクエストはクールタイムが存在せず、終わった瞬間再度始まる仕様となっている。(バグか?)

 

レイドはメインマップ上に赤色で表示され、近くまでいくと赤く立ち上る柱が見える。

発生を確認したらFast Travelを駆使して飛んでいこう。

 

また、一部のレイドイベントは連動しており、レイド①を成功させるとレイド②が出て、大体レイド③までありボスが出る。

 

ボスイベント系は先述通りワンパンするだけで経験値がごっそり貰えるのでお得であるが、そもそも人がいないと倒せなかったりするのでやはり人気のある所が良い。

 

先述通り、防衛クエはバグって全然クリアできなかったりする箇所もあるのであまり推奨していない。

 

収集クエはなんか付近に落ちてる緑の玉を拾って、設置されているクリスタルまで運ぶ事で消化される。



それでは以上の前提の上で如何に記す。

個人的な感想であるし、一部は多分近々修正される気がしている。



①Fractured Plains ゴブリン狩り+レイド参加 (適正Lv 1~?)

各地にいるクエスト受注NPCには「モンスター狩り」や「素材納品クエスト」が割り当てられている。

基本的に無制限なので、逐一クエストを受注してからモンスター討伐に乗り出そう。



また、レイドイベントが発生していたら、付近で様子を伺おう。

 

序盤はとてもじゃないが一人でレイドイベント突破は厳しいが、高レベルの人間は一人いれば無双である。

高レベルはこんなとこ来ないのではないか?と思うが、実は最強装備の素材には序盤のクエスト報酬も必要なので頻繁にやってくる。

 

オタクが来てそうなら死なない程度にモンスターをチクチクしてると経験値と報酬をもらえる。美味しい。

 

注意すべきは、レイドイベントの敵は武器防具はドロップするものの、納品クエスト等の素材は落とさない点である。

 

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付近にいるShinさんから討伐クエストを受けながら回そう

 

 

②Amarite Forestの防衛クエスト(適性Lv13付近)

最初に防衛クエストはやめとけと言ったものの、ここのクエストの難易度は比較的低く、何よりクールタイムが存在しない。

 

適性レベルのプレイヤーが二人いれば十分にクリア可能である。1~2 waveが無傷であれば3 wave目は全て無視しても大丈夫な安心設定になっている。

 

困ったら森の防衛くらいのノリで行こう。



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最終Waveの敵は固いが、柔らかい敵だけ叩いとけばなんとかなる。

 

③Sporewoodの青い犬(適正Lv 17付近)

 

このゲームの敵の体力差は割と凄く、HPバーの横にドクロマークがある敵は中ボスレベル、金色のドクロマークがある敵はボスレベルであり、一人で相手にすべきではない。

 

そして、同じ地域のモンスターならそこまで経験値差が無い。

 

つまり柔らかいモンスターをいっぱい狩るのが美味しいのだ。

 

そういう意味で青い犬は非常に柔らかいため非常に効率が良い。

また、落とす素材アイテムは一つ先のObsidian Fortressにて経験値に変える事が出来るので、適正レベルであれば犬を狩りに走り回ってるだけで経験値が溜まっていく。

 

森の防衛で経験値が入る場合は流石にそっちの方が効率は良いと思うが、犬の処理は一人でも簡単に出来るというのがポイントが高い。

 

ちなみにこれ以後出てくる青い犬以外はめちゃくちゃラグの中突っ込んできて回避不能な攻撃を仕掛けてきたりする上に、ダッシュで逃げても追っかけてくるので要注意だ。

 

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途中のクエストくれるお姉さんの周辺がオススメ

 

 

④Obsidian Fortressのボスクエスト(適正レベルLv1~Lv40)

 

恐らく瞬間的には全狩場で最高効率である。

 

Obsidian Fortressの東側で出るCult Master討伐クエストは、連動クエストの一つ目であるため誰もクエストを進めなくても発生する上に、先述通り1発でも攻撃を加えれば全員に等しくクエスト経験値が入る。

 

そのせいで大勢が押しかける傾向にあるので、先に来て一撃だけ入れといて、後は見学しながら大勢に討伐を任せよう。

 

また、Cult Master討伐クエ後は連動クエストが発生するため、適正レベルのプレイヤーの集団がいれば西のクエストに移動する傾向にある。

集団がいる場合はおこぼれに預かりに行こう。

 

連動クエスト先のレイスは適正レベルではかなり強いので注意すること。

 

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付近の崖の上で味方が来るまで待機だ

 

⑤Skysong Summitの連動クエスト(適正Lv23~40)

 

割と時間がかかるし、適正Lv帯だと全体的に難易度が高めな気がするが、高レベルが素材集めに表れていたら積極的に参加しよう。

 

かなりモンスターの数が出るため、雑魚敵の経験値が入る場合はかなり美味しい。

 

特に最後に登場する赤いボスレイスはとんでもない火力なので一撃をもらわないように立ち回ろう。

 

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付近のモンスターもついでにトレインして稼ごう



⑥Turtol Top南の収集クエ(適正Lv27~40)

 

先述のボスクエより場所が遠いので急行するのが厳しいがここも瞬間最高効率が出る。

 

なんとクエスト自体がバグっており、玉を一つクリスタルに突っ込むと何故かクリアになる。

 

ただし、仕様上一人しか経験値が取得出来ないのでソロ推奨である。

 

付近の敵が多くて強いので適正Lv以下のプレイヤーが来るのは少々難しいかもしれない。

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高台の上にクリスタルがある。真珠を集めたい人は過疎サーバーで狙おう

 

⑦Tangle Coveのゴーレム討伐クエ(適正Lv33付近)

 

適正Lvだと敵がめちゃくちゃ強いが、やはり素材収集のために高レベルプレイヤーが集まる場所である。

Fast Travelで行けるようになってるなら適当に参戦するのが吉。付近に岩場もあるので魔法職は崖打ちもできるぞ。

 

ただ、連動して発生する討伐クエストは2/5現在バグって経験値および報酬がもらえないので、高Lvは誰も参加しにこない。注意。



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ゴーレムは見た目ほど固くないが、突進攻撃と範囲攻撃が強烈。ボスも強い。

 

⑧The Ramshackleのナーガ討伐クエ(適正Lv34~Lv40)

 

注意すべきは、このクエストは付近に近づかないと絶対に発生しない事である。

場所的にはメインストーリーのナーガボスを倒すクエストの近所となるが、訪れる頃には何とか参戦可能なLvになっていることだろう。

 

また、クールタイム0の討伐クエストであり、ナーガはかなり強いので結構忙しい。

出来れば適正Lvの集団で挑みたい。

 

少々Lvが足りなくても崖打ちポイントから参戦もできるが、討伐クエは貢献度判定されてるっぽくてモンスターの経験値しかほとんど得られない。

 

パーティプレイが成立さえすれば時間効率的には非常に美味しく、筆者がLv40まで上げ切ったクエストはこれである。

 

友達同士でプレイする場合はオススメである。

 

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ナーガが大量に出て、最後はボスも出る。かなりの戦力が必要



 

Queen’s Pathの収集クエスト(適正Lv1~40)

 

真っ先に修正されそうなクエスト筆頭である。

 

収集クエストであるのでLvが関係無い上に、付近にほとんど敵が出現しない。

つまり装備無しのLv1でもやろうと思えばクリア可能だ。

しかも、クールタイム0ときている。

 

流石に2、3人だときついが、人のいるサーバーは常に数名のプレイヤーがたむろしており、ひたすら収集クエストを回してたりする。

 

流石にこの場所までFast Travel無しに初心者が来るのは辛いが、上級プレイヤーがサブ職のレベリングのために回している姿をよく見る。

 

ただし、作業的には虚無である。

VRでまで労働感を味わいたくは無い。

 

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サブ職のLvを上げるには最適かもしれないが、虚無である。

 

以上。

 

効率が良さそうな場所はまだまだありそうな気がするが、仲間内でワイワイ攻略していく中で「これは…?」と思った場所一覧となる。



最初に言ったようにこの『Zenith : the last city』は本当によく出来ており、今後新職業やLvキャップ、インスタントダンジョン等様々なアップデートが予定されている。

 

売上も非常に良く、Population Oneのように「ゲームは最高に面白いのに誰もいなくて、マッチングがクソ」みたいな事も起きないだろう。

 

また、何かしらアップデートがあればプレイすると思う。

その時にプレイヤーが増えていると嬉しい。

 

日本の観戦・観劇文化を参考にeスポーツ観戦に必要な要素を真面目に考えた結果、大失敗した話

今回は日本に根付いている観戦・観劇文化からゲーム観戦・観劇ってどうなってくの?というのを真面目に考察・実践してみたという話です。



この話は「こみゅリポ Advent Calendar2021」の企画に賛同して書いてます。

普段のブログの延長線と言えばそうです。

 

adventar.org

 

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各ゲームタイトルの大会主催や技術周りのスタッフさん達が揃ってます

 

「こみゅリポ Advent Calendar2021」は、最近よくお世話になっている大会開催支援ツールである「Tonamel」のコミュニティマネージャーのさとけんさんが話を聞きたい人を呼んできて、毎回色々な事例の話を聞くLT会である「こみゅリポ」という番組に付随したものです。

 

ジャンル問わず様々なゲームのコミュニティリーダー達が思い思いの取り組みや思想について書いてくれるので毎回面白いですよ。

 

↓過去のアーカイブはこちら

www.twitch.tv



さて、本題に移りましょう。

 

 

 

■観戦あるいは観劇の形

 

大きく分けると以下の3種類じゃないかと思う。

 

ケース①:体育館なりスタジアムなり劇場なり、開催場所の現地等

ケース②:自宅、あるいは友人宅等で放送を見る

ケース③:スポーツバー、あるいは特定の施設でのパブリックビューイング

 

ケース①は地元の少年野球の観戦から何万人と収容できる場所でのサッカー観戦まで様々

不特定多数の人と現地で観戦する形式である。

 

ケース②はクローズドな場所で1人~いいとこ10人レベルで集まって遠隔から観戦する場所。

使用されるのは主にテレビやラジオであり、最近だとDiscord等のグループでのボイスチャットツールを利用して行われているケースもある。

 

ケース③は不特定多数の人々と一緒にオープンな場所で集まって遠隔から観る場所。

 

この先の話はこのケース①~③について其々どういった事が行われてるか整理しながら書いていく。



 

■各国における観戦文化の差は?

 

恐らく世界で最もメジャーなスポーツは『Football』、すなわちサッカーである。

 

『競技人口はバスケットボールの方が多いのでは?』みたいな話もあるが、今回は観戦についての話なのでgoogleさんにmost popular sports in the world」と入れた時に出てくるサッカーということにしとこう

 

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Googleさんも言ってるのでとりあえず「サッカー」ということに

 

 

サッカーに関してはかなり観戦文化の解析みたいなものが進んでおり、2019年にかなり面白いレポートが編纂されている。

 

日本、アメリカ、ドイツの国別のスポーツ観戦文化に関するレポートだ

 

www2.deloitte.com

 

このレポート中には、観戦者が重視する項目を14に分けてその重要度のアンケートを取っている。

 

特に面白かったのがその比率である。

 

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参照:スポーツ観戦体験グローバル調査レポート-サッカー編-

 

まず、日本だと圧倒的に重視されているのは試合の観戦そのものである。

これはある種当然であり、比較対象であるアメリカ、ドイツでもかなり関心度は高い。

 

一方、アメリカでは試合そのものが一番ではなく、事前情報や試合直前までの選手紹介等が観戦体験に大きく作用しているという。

 

これも単純な話でアメリカはスポーツ観戦をショービジネス一種として明確に捕らえており、事前の盛り上げから観戦までを『体験』としてパッケージングしているからであると推測される。

 

アメリカンフットボールの最終戦である『スーパーボウル』では、その試合内容以外にもハーフタイムのショーに非常に比重が重かったりもするし、メジャーリーグは名シーンの切り抜きを積極的にSNSに共有し、試合前の選手紹介等にも力を入れている。

(前述の調査報告書の中ではハーフタイムショーに関してネガティブな報告となっているが、あくまでケース①の現地観戦の場合であり、データは明らかなのにもかかわらず続いているのはケース②や③の体験にプラスかつ話題作りには影響しているから続いているのだろう)



観戦文化においてSNS上での話題作りに貢献しているのは間違いなく近年発展してきた『数値化による可視化』もある。

 

例えばメジャーリーグでは『スタットキャスト』と呼ばれるボールと人の動きを追跡してデータ化するツールを積極的に活用し、その動画が「何故凄いか」の可視化に成功している。

 

『数値化による可視化』については以前カードゲーマーのちょもす氏が考察していたが、日本でも将棋において導入されたAIによる戦況の可視化と類似しており、非常に興味深いところだろう。

 

chomosh.hatenablog.com



一方、非常に高速な競技の場合単純に素人には何が起こってるか分からない状況が発生する可能性がある。

代表例とも言えるフェンシングでは、積極的な凄さの可視化を推進されており大きな進歩を見せている。

 

 

こういった可視化の取り組みはサッカーのレポート中にもあるように「観戦そのもの」に最も重点を置く日本人に向けた取り組みとして大きな効力を発揮すると思われる。



 

■競技の種類によって観戦法は変わるのか

 

結論は明らかで、間違いなく「変わる」。

 

チームスポーツはチャントのような声出し、鳴り物が響き渡るが、個人競技になると試合中は比較的静かになる。

テニス等も試合中は基本的に静かで、ポイントの時に応援が入るぐらいである。

 

本来チームスポーツの方が選手間での意思疎通が重要となるため、観客は静かにしとく必要性があるような気がするが、そうではないというのは奇妙な点ではある。

 

よく言われる『観客も含めてチーム』という言葉があるが、「声を出す」という行為が最も場への影響力が強いからかもしれない。



ゴルフ、あるいはアーチェリー等といった一人で行う競技に至っては集中力が重視されるため、選手のプレイ中は観客が言葉を発する事は基本的に許されない。

 

ただ、以上の観戦法はケース①の現地観戦に限った話である。



「声」の制限の無くなったケース②や③だとどうなるかというと、例えばテレビだとほぼ間違いなく実況または解説者が登場する。

野球等と比べたら静かになるかもしれないが、声を出すタイミングは制限されなくなる。

 

仲間内やスポーツバーで見る会話も自由であるし、予想や応援も自由である。

 

一方、「静かに見たい人」は大体一人で見るだろう。

または「ただ好きで見ている」のならばやはり一人で見てもいいはずだ。



わざわざ集まろうとする要因は何なのか?

 

集まる理由としてば、何はともあれ「会話がしたいから」という理由がほとんどの場合で挟まると考えられる。

(「一体感を得たいから」といった理由も「同時に声をあげたいから」に言い換えられると考えている。)

 

ケース③で一人で見る人は、ほとんどの場合で寂しかったり雰囲気が好みだったりするのだろう。

 

パブリックビューイングの会場形式はどんな競技であろうと似たような感じになっているのを見るに、ケース②あるいはケース③においてはどのような競技でも観戦方式は似たような形態に落ち着くのかもしれない。



 

■日本に定着した観戦文化は?

 

まずフィジカルスポーツにおいて明らかに定着しているのは、野球および相撲だけだろう。

 

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それを何とかできねぇかって話だ。 「東京トイボクシーズ」より

 

サッカーも頑張ってはいるものの、これだけクラブチームが増えた今十分に黒字運営出来ているクラブは少ない。

 

流石にコロナ禍の2020年以降のデータで議論するのは酷なので、以下の2019年度のデータを参照する。

 

news.yahoo.co.jp

 

記事の「19」という数字はJ3も含んでいるため仕方が無いとは思うが、J1クラブで5チーム赤字、かつ選手に対する給料も明らかに野球ほど大きくなく比較的厳しいというのが実情であろう。



ではその定着している野球における観戦文化とは何か?

 

大前提として昔から人気のあったセントラルリーグで考えると、ずっとゴールデンタイムにテレビ中継をしていた事が最も影響が大きいのは間違いないだろう。

 

また関係性として読売ジャイアンツを筆頭として、そのライバル格として存在している阪神タイガースの存在があり、東対西の代理戦争という側面も持っていた。



一方、阪神タイガースはというと7回の攻撃の際にジェット風船を飛ばす文化がある。

ラッキーセブンと呼ばれる7回にジェット風船を飛ばす文化は広島、横浜にも伝播し、各球場の観戦名物となっていた。

 

また、東京ヤクルトスワローズの名物といえば同じく7回に行われる『東京音頭』の合唱と傘降りである。

 

このような7回における合唱はメジャーリーグでも通例行われており、メジャーの場合は「Take me out to the Ball Game」をどの場合でも歌うことになっている。

 

各球団、各々特色のある名物観戦方法を持っているわけだ。



一方相撲はどうだろうか?

 

これもまた大前提として、野球と同様にNHKで全日放送されていたという点が極めて影響が大きいだろう。

 

観戦形式はというと、1vs1の試合であり、その他の格闘技、例えばボクシングの試合と同様に観客から大きな声援が送られる。

 

その中で特色のある観戦文化といえば、平幕力士が横綱を破るような大金星・あるいは名勝負が繰り広げられた際に巻き起こる『座布団の舞』だ

 

ja.wikipedia.org

 

ジェット風船の場合はグラウンド内に風船が落ちてもお構いなし(掃除するので)だが、座布団の舞の方は度々議論が交わされる。

 

一時期にいたっては4kgを超える「投げれない座布団」も検討されたが、それでも投げる奴がいた場合極めて危ない事もあり、現在は採用されていないようだ。

 

投げる理由は主に『文化だから』だというが、往々にしてそういうものは「そっちのが面白いから」と言い換えられる。

 

 

以上の「日本に根付いてる観戦文化」を観察すると、大前提としてケース②およびケース③の状況で「誰でも見れる環境が整っていた」という点がまず大きい。

 

何故誰でも見れる環境が整っていたかというと、テレビ放映が維持できる程金銭が動く層、すなわち中高年の興味を惹けるジャンルであった事が主な要員であると考えられる。

 

また、何故中高年は観戦にお金を払ったかまで掘り下げると、「瞬間的に観劇より高い刺激性を持ったコンテンツであった」という事が大きかったのではないか。

 

そしてケース①の場合は一体感の演出の他、場に影響を与える体験型のアクティビティが存在する点が共通項ではないかと推測している。

 

 

■日本で定着した観劇文化は?

 

歌を主体とした劇、例えばコンサートやミュージカル等はケース①の代表例として行われ続けている。

 

これらは「音」が主役のため基本的に観客は歓声をあげたりはするものの、基本的に眺めるのみである。

 

ただ近年明らかに増えてきたのは光る棒を持ったり、タオルを回したり、ヘッドバンキングをしたりと一体感を楽しむアクティビディである。

 

また、コンサート等では観客とのコール&レスポンスは必ずといっていい程プログラムの中に組み込まれ、大体名物となっている(コロナ禍でこの辺は制限されるだろうが…)

 

代表的なのは氷川きよしの「きよしのズンドコ節」等だろうが、田村ゆかりのライブではとんでもない長台詞を観客が熱唱するという訳の分からない事になってたりもする。

(参考動画は転載系しか無かったので省略)

 

 

一方、劇で言えばどうだろうか。

 

例えば漫才や落語といった喜劇はそれ単体でも成り立ってはいるが、客の笑い声や拍手という要素を加える事で完成する。

 

ウケない漫才は観客共々地獄である。

サーカス等もそうだろう。

 

日本の伝統芸能で考えると、能や歌舞伎といったものがあるがこれらは観客は舞台に干渉するのはほぼ不可能だ。

 

「いよっ中村屋!」といったようないわゆる「大向こう」と言われるの掛け声は、劇を完全に熟知している常連にのみ許された行為であるからだ。

 

ja.wikipedia.org



言い方は悪いが「人を静かに観劇させるもの」は声を発する必要が無いくらい著しく感情を昂らせるものであり、映画はそれにあたるし、最たるものはエロ動画かもしれない。

 

何故宝塚歌劇は長年静かに人を惹き付け続けるかはある種そういう要素を持っているからと推測している。

 

そういう意味で多くの人の感情を昂らせやすい要素や工夫がある文化は次々と新たに産まれ、若い世代にも受け入れられ、生き残っていると考えられる。

 

静的な鑑賞がメインであるテレビやYoutubeがほっといたら過激化していくのはそのせいもあるだろう

 

何なら昨今の映画が極端に音+映像のミュージカル要素頼りになりつつあるのも、ある意味刺激の過激化の結果なのかもしれない。



 

■Youtuberを観劇文化と捉えるならば

 

日本ではこの十数年で「会いに行けるアイドル」として、ファンが場に影響を及ぼす事が可能なアイドル像が確立され、現在は配信における投げ銭、いわゆるYoutubeにおける『スーパーチャット』がその文化を継承している。

 

世界のスーパーチャットランキングは日本のVtuber勢が圧倒的であり、文化的には日本で先行して浸透している文化と言えるだろう。

 

playboard.co

 

人気ゲームの配信もスーパープレイよりかはみんなが知ってるゲームである。

スーパープレイをしている人気配信者も全員エンタメの才能に恵まれている事は否定できないだろう。



動画配信文化の飛躍は、国民のほぼ全員がスマートフォンという小型PCとモニターを手にした事にある。

 

お茶の間にしか無く、免許を持った放送局しか放送出来なかったテレビ番組がほぼ全員に自由に送受信可能になった事により、観劇・観劇番組が先にあげたような金銭を持った中高年向けに作成する必要が無くなったのだ。

 

当然テレビで動くような莫大な金額が動く事は無いが、小さな放送グループが生活していく程度の金銭的価値は産み出せる土壌が形成可能であるため成り立っている。



動画配信による観劇文化はNETFLIXAmazon Primeを見るに既に一定の市場規模に達していると考えられるが、観戦文化という面ではまだまだと考えてる。

 

先に述べたような、観戦自体が観劇と比べて感情を昂らせるのが難しいのが大きな理由だろう。

 

観戦による感情の昂りは偶然の産物である事が非常に多く、常に狙って昂らせるようなエンターテイメントを提供するのは困難だ。

 

ただし、観戦が商売レベルまで落とし込めてないのは、金銭の持っている中高年層が未だにテレビから移動しきれていないからだけであると考えられるため、遅かれ早かれ観戦文化も配信の方に移動してくるし、現在既に移動中だろう。



観戦文化の定着で鍵になるのは恐らく『スタンプ』の文化である。

 

既に観戦文化として完全に定着した代表例は盆と年末に行われている「RTA in Japan」という一大イベントだろう。

(言うなればゲームの決勝戦だけの詰め合わせみたいなもんなので”観劇”というより”観戦”寄りと考えている)

 

RTA in Japanは同時視聴者数18万人に達する程の人気イベントとなっているが、その特徴はスタンプの使い方である。

 

スタート時は「GL(Good Luck)」、完走時は「GG(Good Game)」というスタンプが必ず雨霰のように貼られ、RTAにありがちな壁抜けや詰み要素等がある時に貼られる便利なスタンプが各種用意されている。

 

近年ではスポンサーになっているアパレルメーカー「無敵時間」にちなんで、ゲーム中でキャラクターが無敵状態になった際には「無敵時間さん!?」という掛け声が定着したり、ゲーム中で1 pixel単位のビタ止めの事を「Pixel Perfect」と呼ぶ文化が定着して後々スタンプ化されたりと、リアルタイムで新しい観戦文化を形成し続けている。

 

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GL(Good Luck)はいわばジェット風船だ (RTA in Japanより)

 

これらスタンプはコメント欄を通じて視聴者やプレイヤーにまで干渉するサイリウムであり、ジェット風船であり、座布団の舞に他ならない。

 

観戦者は自分もジェット風船が欲しいので自然とサブスクライブするという流れで非常に健全なマネタイズがなされている(運営元は一般社団法人なので収益は寄付に回されているものの)

 

決まった流れのある一つのゲームの大会ではなく、基本的に無秩序な動画配信において「今、このタイミングなら声を発していい」というタイミングを準備してあげて定着させたのは見事という他あるまい。

 

Vtuberであれば定例の挨拶か口癖あたりであれば使えそうではある。

 

決まった時間に皆で「バルス」と打ち込むような恒例化が一つの鍵である事は間違いなさそうだ。



今でこそYoutubeが主要な動画投稿フォーマットとなったが、一時期は後発のニコニコ動画が天下を取っていた時期がある。

 

何故ニコニコ動画がウケて軌道に乗ったかも、視聴者のコメントが動画上に流れる事により場に用意された対して干渉可能だった事が大部分を占めるだろう。

 

あれもまたサイリウムであり、ジェット風船であり、座布団の舞だったと考えられる。



以上の考察より

 

1)目の前の『劇』が与える興奮+自発的に発する興奮の和が重要

2)観戦、観劇場所やジャンルの違いによって得られる興奮の比率が異なるため、現地でも放送上でも自発的興奮が得られるような仕組み作りをする事が重要

 

であると言える。

 

当然の結論に帰着したとも言えるかもしれない。



 

■いざ実践

 

ちなみに上記の事は今回のように言語化はしてなかったものの、ある程度考えてはいたので実践してみた事がある。

 

私は以前『キャサリン』というゲームで対戦会や大会を主催していた事があるのだが、その理由の一つにその観戦文化に大きな衝撃を受けたからであった。

 

mekasue.hatenablog.com

 

その文化とは、対戦中の『自撮り』である。

 

PS3版の『キャサリン』は対戦中にある一定条件を満たすと(割と簡単に)勝ち確定状態を形成する事が出来る。

 

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勝利確定条件が揃うと暇になるのでみんなでセルフィーを撮る

 

確定だから投了すればいいのだけども、わざわざ自殺してゲームを終わらせるのも面白くないので、その時間を使って仲良く写真撮影タイムに突入してもらおうという事である。

 

写真を投稿すると喋るきっかけにもなるし、SNSでの交流を深めるきっかけにもなるし、大会の宣伝にもなるという一石三鳥の文化だったが、次第に写真の中に観客も入るという文化が形成され、今までプレイヤーしか干渉出来なかったゲーム大会に観客までアクセス出来るようになってしまった。

 

また、観客がワっと移動するもんだから「なんだなんだ」と周りの人も移動してくる。

「ここが見所なんだ」と分かりやすくアピールしてくれるこの文化は正直一石六鳥くらいの舞台装置となっていた。

 

この文化はあまりにも凄すぎる上にキャサリン以外のゲームに輸出するのが難しいため、残していきたい文化ではあった。

 

しかし、新作『キャサリン・フルボディ』発売の際に諸々の仕様が修正されてしまったがために残せなくなってしまった。



困った話である。

 

先に述べたように観劇と異なり、観戦で視聴者を留めるのは非常に難易度が高い。

 

理解度が低いゲームの観戦において自発的な興奮はまず得られる事が無い上に

場が大興奮するような分かりやすいスーパープレイ等そう易々と発生しないからだ。

 

つまり新しい舞台装置を考えなければならなくなったのである。



2019年冬、福岡で行われた格闘ゲームの祭典「EVO Japan 2019」内で行われたキャサリン・フルボディのトーナメントの準備をしていた私は非常に頭を悩ませた。

 

発売とほぼ同時に開催され、絶好のプレイ人口拡大の機会である。

 

ゲームは面白い。これは間違いない。

 

初期のプレイ人口さえある程度確保出来れば段々と減っていったとしても皆の記憶に刻まれる。

 

パズルゲームは自転車の運転みたいなもんで、操作自体は簡単なので何十年経っても覚えている。

 

最終的に一時的にプレイヤーがいなくなってしまったとしても、未来で必ず遊ばれるだろう。

パネルでポン』等もそうだ。いまだに遊ばれていたりする。

 

でもそこに引き込むための強力な舞台装置が消えてしまった…

 

無くなってしまったものは仕方が無いので、代案を考える事にした。

 

 

大会を開きながらどのタイミングでプレイヤーや観客にアプローチすべきか?

 

試合中が一番いい。理想である。

しかし試合中にプレイヤーの集中力を削ぐわけにはいかないし、集中してるプレイヤーに対して観客からのアプローチは難しい。

 

逆に最も避けたいのは試合後である。

勝敗や試合内容によってはかなりナイーブになってお気持ち爆弾が発生してしまう可能性がある。

 

逆に試合前ならその心配は無い…



その時、電流が走った。

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マジでこんな感じだった。 「アカギ」より

 

試合前にやる事。それは握手である。

 

この部分を『キャサリン・フルボディ』のゲームにちなんで『ワイングラスで乾杯』に出来ればいいのではないか。

 

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「フルボディ」とはコクがあり濃厚なワインを表す言葉である。 「キャサリン・フルボディ」より

 

つまり、

・慣れない新鮮な様式 ⇒ 会話の成立

・「チーン」という会場に似つかわしくない音の発生 ⇒ 周囲への干渉(観客の客寄せ)

 

更には記念写真も撮ってもらってSNS受けも狙う事が出来る。

 

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楽しそうに乾杯している男の子2人のイラストです。 (原文ママ)

 

完璧なプランである。

 

完全に天才的発想だと確信して100均に小さなワイングラスとぶどうジュースを大量に買いに走り、車に積んで福岡まで持ち込んだのだった。



しかし当日…机の上に置いたぶどうジュースが入ったワイングラスで乾杯して始めてもらうようにアナウンスしても誰一人として応じてくれなかったのである。

 

何故か?

 

・対戦開始前にステージ選択があり、その作業に集中したい。

・賞品が豪華な事もあり、かなりガチになってしまった。

・机の上に精密機器があるので、机の上に飲み物があると集中出来ない。(どけてくれと言われた)

・そもそも誰のものか分からない液体が入った物を持ちたくない。(致命的)

 

 

なるほど~~~~~そらそうだ~~~~~

 

こうして私の"完璧"プランは脆くも崩れ去ったのである。

 

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人の気持ちの理解度が低かった

 

しかしながら試合開始時に目をつけたのは割と正しかったと今でも考えている。

『Good Luck』的な何かを人は必ず求めているのだ。

 

そこに「いってみましょ~~~~~」と言ってる人もいるが、もう一歩先に進める気がしているのである。

 

新たな天才的プランを思いついてしまった人は是非とも試してみて欲しいところである。



 

VR観戦会に考えた事をを取り込むと

 

昨今このような観戦文化のステージを一つ上げるにはどうしたら良いかと考えている。

 

要はケース①の場合は現地で工夫をするしかないとして、ケース②の自宅または友人宅での視聴とケース③のパブリックビューイングは共にネット上での動画観戦にほぼ移行しつつあり、昨今ではDiscord等での通話鑑賞やミラー配信視聴に皆行き着き始めていると推測している。

 

つまりこのケース②、③の部分においてVRを用いれば自発的に発する興奮を上げる作用をブーストする事が可能である。

 

と、いうわけで割と頻繁にらいらい君が(@rairai7280)がVRChatに作成したホームに導入されている仕掛けを見てみよう



 

 

①巨大パブリックモニター

 

VRChatで一般的に使用されている動画プレイヤーは、YoutubeおよびTwitchの動画、あるいは配信をミラーする事が可能である。

 

画面サイズはワールドの製作者の小手先次第であるが、らいらいホームの場合はちょっと大きな映画館程度のサイズと思ってくれていい。

 

大迫力での観戦が可能だ

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みんなで集まって大画面でワイワイ見ている

 

②声の指向性および減衰機能

 

「みんなで見るならDiscordでいいじゃん」と言われるが「違うんだよなぁ…」となるのはこの機能である。

 

画面に向かってみんな思い思いの場所から喋るため、声に指向性が出る上にアバターリップシンクに対応しているためより実在性が増すのだ。

 

正直「観戦は全部VRでいいな」と思わせる大部分の要素である。

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話し合う時は円になる。 (VRCイベント「哲学カフェ」より)

 

③ミカちゃん

 

海外のUNI勢が応援の時にいつも持ってるミカちゃんの顔だ

押せば「んゆ~」と鳴くし、ブン投げれば彼方に飛んでいく。

 

早い話がミカちゃんをジェット風船として、座布団の舞として使用しているわけである。

 

ブン投げよう。

鴨音さんには謝っとこう。

 

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UNI観戦にはミカちゃん (EVO2019 UNI  Exe:Late[st] TOP8より)

 

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観戦にはこれでしょ



 

今年はストリートファイターリーグが面白いので割と高頻度に集まって見てます。

 

興味がある人は一緒に見ましょう。

 

以上。

 

 

VR上での取り組みに関しては翌日12/5に投稿予定のbukkieさんが一歩も二歩も先の取り組みをなさっているので面白い話を読めると思います。

 

それは皆さん、楽しいeスポーツ観戦を。

理想の「ゲームコミュニティ」の形とは

調度「DiscordやVRを使用したゲームコミュニティについてどう考えてるか教えてくれ」という依頼が来て、調度良い機会なので一度考えをまとめとこうと思って書いていく



〇「ゲームコミュニティ」という言葉について

 

「コミュニティ」という言葉が昨今ゲーム界隈で頻繁に使われる事が増えているように思える。

 

コロナ禍の影響もあり、ゲームセンター業界がかなり斜陽となってしまい、どんどん数を減らしていってしまってる事に起因して「ゲームコミュニティとしてのゲームセンターの役割」について考える話題もある。

 

トッププレイヤーの「格ゲー界の評価に関わるからギフト(スパチャ)を送って欲しい」という呼びかけに起因した「ゲームコミュニティーの与えられる価値とは何なのか」を考えるような話題もある。

chigesoku3.doorblog.jp



そもそも「コミュニティ」とは何なのかまで掘っていくと流石に深すぎるが、ありがたい事にアユハさんがきっちりブログ記事でまとめてくれているので、そちらを参照してもらう事とする。

 

ayuha167.github.io

(『こみゅリポ』というLT会での発表まとめ記事)



また、アユハさんは同ブログで「求められるゲームコミュニティとは何なのか?」という疑問に対しての大枠の解答もブログ中に記述していただいており、おおいに同意出来る内容となっている。

 

ただ、内容としては基盤の理論やある種の理想像の話であり、現実にゲームセンターや、現在主流であるSNSやDiscordによるゲームコミュニティの形成がどのような形で寄与しているかは掘り下げきれてないように思える。

 

この記事はその辺を包括した「ゲームコミュニティ」の有り方としての考察である。

(筆者が格ゲーマーなので格ゲーの話にかなり寄っているのは申し訳ない)




〇一般的に認知されている「コミュニティ」の形

 

さて、まず最初にリアルとオンライン(インターネット)におけるコミュニティの形というものを整理していこうと思う。

 

基本的な概念として、一人一人の個人がいて、家族というコミュニティを形勢している。

 

それが地域に住むコミュニティがあって、県や国という土地や距離によってコミュニティは区切らている。

 

コミュニティは規模の大きな物を挙げだしたらキリが無いのだが、多くの人において実際に機能しているコミュニティは意外と小さい。

 

例えば幼年期は「家庭」というコミュニティが最大だし、いいとこ近所の公園程度までである。

 

子供達の多くは「学校」が最大のコミュニティとして機能しているだろうし、働き始めても多くの人は「会社」が実際に機能する最大のコミュニティになりがちである。

(見える範囲まで、というのが正しいだろうか)

 

一方、インターネット社会というのも一つのコミュニティとして捉える事が可能であろう。

 

インターネット社会は2000年代まではリアルの社会との繋がりは希薄だったのだが、スマホの普及及びSNSの普及によってほぼ現実社会と混ざりあっているような状態になっている。

 

この辺はインターネットネイティブ世代より下は実感しにくく、昔のインターネットおじさん程実感している部分かと思われる。

 

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インターネットはほぼリアルと混ざり合った

 

〇「ゲームコミュニティ」の形について

 

ではこの中でゲームのコミュニティはどういう形をしているのだろうか?

 

例えば学校の中でのゲームコミュニティとはどういう形だろうか

 

友達同士でゲームをする。

でも、いつも同じゲームしかしないだろうか?

 

「今日はこれやろうぜ」となんだかんだで色々なゲームする事になるだろう。

 

共通項としては「ゲームを一緒にやる」という事で、コミュニティとしての位置は部活動なんかと同じ階層にあるわけだ。

 

会社においては「プロジェクト」というコミュニティが該当するだろうか

(余談だが、学校における「クラス」というコミュニティは会社における「部署」の立ち位置あたりと推測している。)



一方、ゲームセンターはどんな形のコミュニティだったか。

 

面白い事にある程度の大きさがあるゲームセンター内では〇〇勢として一般的に区切られていただろう。

 

音ゲー、格ゲー、カードゲー、メダルゲー、更にその中でもゲームタイトル毎に細分化されたりしている。

 

つまり、興味深い事に「ゲームセンター」と同じ階層にあるコミュニティは「学校」や「会社」という大きな括りであると考えられる。



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学校・会社・ゲーセンコミュニティの形

 

ではこのようなコミュニティは他にあるかと言うと、ちょっとすぐには思い浮かばない。

 

例えば習い事であれば水泳、書道等あるがどれもこれもある程度決まった物事に特化したコミュニティである。

 

趣味で考えるならば将棋なら将棋道場になるし、読書なら図書館ないし町の本屋さんである。

 

「アウトドア」等まで拡げるとギリギリ山や海やサイクリングや〇〇勢と分類出来る所まで細分化可能であるが、好日山荘あたりであったり、はたまたダイビングショップであったりやはり専門店が登場してしまう。

 

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ペットショップあたりは似た大きさのコミュニティになりそう『秘密のレプタイルズ』より

 

例えば将棋であれば同じ戦型同士のコミュニティもあれば研究会といったコミュニティもあるが、ゲームセンターで比較すると、格ゲーの中での〇〇というゲームをする物同士というコミュニティの時点で既に1階層多い事になる。

 

ここに△△というキャラを使うコミュニティ等も発生するものだから枚挙にいとまがない。



そういう意味で間違いなくゲームセンターは少し特殊なコミュニティ形成空間であった事は間違いない。

 

特に社会の形が「家庭」あるいは「地域」、「学校」しか無い幼少期においては、もしかすると初めて出会う新しい社会的性質を持った空間であった可能性が高い。




〇何故ゲームセンターは多数のコミュニティを内包し得たか?

 

先に書いたとおり、ゲームセンターという空間上に音ゲー、格ゲー、カードゲー、メダルゲー、更にその中でもゲームタイトル毎に細分化されて配置されていたからであると思われる。

 

では何故各々〇〇勢として括られ、名乗っているのか?



これに関しては、以前「プライド分散理論」という文書中に示した以下の「アイドルの”推し”の発生条件」に関する仮説と一致する。

 

mekasue.hatenablog.com

 

>一例としてアイドルについては言及しておこうと思う。

 

>これは私自身がアイドルについてやり込んでいるわけではないので甚だしい勘違いをしている可能性が高いが、アイドルについては言及せずにはいられないのである。

 

>1グループあたりの人数が両手で数えれる程度のアイドルのファンは〇〇推しがいたとしてもほとんど衝突していないのではないか?

 

>総選挙などするか?

 

>いや、しない。何故か?

 

>結局グループ自体を個とみなしてファンとなっているのではないか。

 

>では多人数グループだとどうなるか…一人一人に"担当"がつく。

>これは一人に対するファンの総数がグループのファンの10%を下回り、グループの更に内部で細分化されてプライドの発生環境が整ってしまったからではないかと考えている。

 

>故に多人数グループは現代において巨大なプライドを供給し続ける化け物コンテンツとなっている。

 

 

早い話が「ラブライブ」等、メンバーが両手で数えれる程度のコンテンツは基本的に箱推しの傾向が強いが、アイマスやら多人数のコンテンツは担当アイドル制敷かれるという件についてである。

 

ゲームジャンルが多岐に渡り、更にはその中でも様々なゲームが出ていることでプライド発生条件が成立し、散り散りになったと考えられる。



FPSゲームが形成するゲームコミュニティの形

 

ゲームセンターという巨大なコミュニティ形成の場を通して一大勢力となった格闘ゲームであったが、昨今の流行りはもっぱらFPSである。

 

ジャンル自体はそれはもう古くあり、プロシーンも活発なジャンルではあるが、Counter StrikeSudden Attackをはじめ、BF、CoD、R6S等色々とあったが、大きな転換期はPUBGの登場によるバトルロワイヤルジャンルのブームが転機であったのは明らかであったと考えている。

 

その後フォートナイト、Apex Legends、Valorant等拡がっていき、今の小中学生の子供をお持ちのご家庭に聞くと大体「ずっとフォートナイトやっとるよ」等と聞くまでになっている。

(観察範囲内ではおっさんはApexばかりやっている)



こういったチーム制のFPSゲームのコミュニティの形はチーム単位、あるいは+α程度の小さなコミュニティで形成されている場合が多く、ほとんど先に述べたような「部活動」の形に非常に近い

 

つまりその一つ上の階層であるゲーム自体がある種一つの「社会」のコミュニティ階層となり機能していると考えられる。

 

このゲーム自体が一つの社会として機能する現象は『モンスターハンター』シリーズ等でも発生していた現象であるが、携帯ゲーム専用機がスマホの登場により下火になってしまったがために後継となるゲームが存在しない状態が続いていた。

(モンストがそうだと言われればそうかもしれない)

 

ある種そういった枠組みにチーム制のバトルロワイヤルゲームが奇跡的に入り込んでしまった図が昨今のチーム制FPSブームの一旦を担っていると推測している。

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強大な敵コミュニティが現れた時、団結する下地も出来ている『紛争でしたら八田まで』より

 

 

〇心地の良いコミュニティとは

 

かなり長い前置きとなってしまったが本題である。

 

ここまでゲーム関連で形成されているコミュニティの形について整理してきたが、それではどんなコミュニティの形が理想かという話だ。



一般論として完全にテンプレとして存在している「コミュニティの一生」というコピペがある。

 

この言葉で検索したら大量にページが出てくる程度には割と古典かつ、どのようなコミュニティも同じ道筋を辿ったとされているため使われているわけだ

 

コミュニティの一生とは以下の通りとされている。

 

dic.nicovideo.jp

 

【コミュニティの一生】

 

面白い人が面白いことをする

面白いから凡人が集まってくる

住み着いた凡人が居場所を守るために主張し始める

面白い人が見切りをつけて居なくなる

残った凡人が面白くないことをする

面白くないので皆居なくなる

 

コミュニティが成熟し腐敗していくまでを表したこの『コミュニティの一生』における面白くある状態までが『心地の良いコミュニティ』という共通認識でいいのではないだろうか。



に、してもこのコピペは何だか妙だとは思わないだろうか?

 

例えば尖りまくった奴しか集まらず、結局極めて少人数しか集まらずそのまま消滅するようなコミュニティもあるだろう。

 

また、例えば学校というコミュニティの中身は年代や地域性にも依存する。

公立小中学校であれば荒れる年もあれば優秀な年も存在するだろう。

 

そういった場所に前述したコミュニティの一生は当てはまらない。



つまり「コミュニティの一生」が発動するには背景があるのだ。

 

(1)門が極めて狭いあるいは完全に閉まっているコミュニティである場合は発動しにくい

(2)新陳代謝が非常に早いコミュニティである場合は発動しにくい

 

コミュニティが腐るための条件が整わなければ比較的腐りにくいと考えられる。

この辺は会社やらの「組織運営」という観点では様々な論理や書籍が出てくるだろう。



かといって大きいコミュニティで全て問題が起きているわけではない。

 

SNSという大きな枠組みでは大きな問題が常日頃起きてる状態ではあるが、SlackやDiscord上でどこかの小さなコミュニティが爆発しても特に周辺まで燃え広がるなんて事はほとんどないだろう。

 

例え大きなコミュニティであっても、一つ一つのコミュニティの距離感が遠ければ話題に上がる確立は低いので伝播していく可能性は低くなる。

 

上記の観点で見れば、コミュニティとは大きくわけで以下の4種類の状態に分けることができる。



①ほぼ個人しか通れないコミュニティ

②少人数のコミュニティ単位で移動が可能なコミュニティ

③大人数のコミュニティ単位で移動が可能なコミュニティ

④全く出入りが出来ないコミュニティ



①は(新興も含めた)ニッチなコミュニティである。

少人数であるが故にコミュニティリーダーの目が届いているので非常に腐りにくい。

 

つまり、『コミュニティの一生』に当てはめても『心地の良いコミュニティ』である可能性が高い。

 

例えばいわゆる会員制の飲食店であったり、有料のブログ等の個人間の信頼で成り立っていたり、ある程度条件が厳しめに設定され、非常に見つけづらい場所にコミュニティが格納されている状態がそれである。

 

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個人しか行き来出来ないコミュニティ


②は数人のグループ単位で構成されるコミュニティが各々交流可能な規模となったコミュニティである。

 

先述したゲームコミュニティの大部分はここに属すると考えられる。

 

と、いうより移動や情報取得の制限的一般的な地域社会のコミュニティというものは全てここに含まれると推測している。

 

すなわちこの段階で『コミュニティの一生』は進み始めると考えられるため、心地良さを維持するためには工夫と運が必要になるだろう。

 

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少人数行き来可能なコミュニティ

 

③は最早ぐちゃぐちゃに人や集団が入り乱れた混沌としたコミュニティであるが、恐らくこれまで形成されていたのはテレビ等のメディアにより形成された集団、あるいは政治・野球・宗教といった全国に跨って(偏ってようが)情報が共有されていた物のみであったと考えられる。

 

現代ではインターネットの拡大により、SNSをはじめ主要な動画サイトや検索エンジン等がこの階層に当てはまる。

皆さんご存知の通り、ほぼ完全腐ってしまっているのが現状である。

 

なお、5chはその大きさにも関わらず、板毎に細かく区分けされているため、割と②の形式で止まっていると考えている



④は完璧なコミュニティのように見えるが実態は籠の中の鳥のような状態である。

 

そんな状況人間で起こりえるのかと思うだろうが、『戸籍』という形で実装されている。

 

また、意図的に情報を遮断しきっても最終的に陥る可能性があるが、コミュニティの真空パックという状態にはならず、大体は腐る方向に進むだろう。



つまり、コミュニティの形態として基本的に①の状態が一番理想であり、②まで来ると換気機能が働かない限りはコミュニティは腐っていくと考えられる。




格闘ゲームが形成するべきコミュニティの形とは

 

特に昨今のステイホーム時代ではFPSの躍進と格闘ゲーム追い込まれ様の対比は顕著であるが、これまでの考察からその原因は小規模なコミュニティが成立しづらくなった事に起因すると考えられる。

 

こういう事を言うと「まーた衰退論か」と言われるかもしれないが、どうにもこうにもゲームセンターの衰退が非常に響いているようだという事だ。

 

そして、どちらかというと『コミュニティの一生』のように腐ったり衰退したわけではなく、①の状態にまた先祖返りしてしまっただけであると考えられる。

 

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今、ゲーム漫画を描いたら舞台をゲーセンにするのはかなり難しいと思う『対ありでした。』より

 

そもそも1vs1の対戦ゲームの人口移動は個人単位であるので当たり前ではあるのだが…



幸い動画配信の流行で小さなコミュニティが大量に発生する基盤はあるものの、ゲーム上ではこれまでコミュニティ活動をゲームセンターに委託してきたような状況であるので、ゲーム自体にそういう機能がほぼ存在しない。

 

この辺を分かってか分からずか今期からSFLに関しては日米欧共に完全にプロチーム毎でのチーム対戦に切り替わっている。

 

sf.esports.capcom.com

 

チーム制で実施する事のメリットは山のようにあるのだが、それを一々語るとこの文章の同量程度の文字数が要るのでまたの機会とする。

 

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やはりこういう話になる 『紛争でしたら八田まで』より

 

 

〇ステイホーム時代のコミュニティ形成の形(Discord、VRC)

 

ではこの辺はどういう構造になって、現状どんな感じなのかという話については、調度10/15(金)の20:00~開催される『こみゅリポ』Vol.10で「喋れ」という依頼がきているので、実際のコミュニティ運営についてインタビューを交えながら話させていただこうと思います。

 

 

話し終わったらアーカイブのURLでも追加させていただきます。

 

アーカイブはこちら

www.twitch.tv