LoLを始めて1年半のデータ推移

 

今期もフィードバックの時間がやってきた。

 

昨期のフィードバック内容と、その後に攻略情報をまとめ直した備忘録を以下に貼っておく

 

mekasue.hatenablog.com

 

mekasue.hatenablog.com

 

〇データで見るプレイ内容の変移

 

筆者は今期はプロシーンに登場して何かと話題になった脳筋ウディアOTPである。

 

mekasue.hatenablog.com

 

キューを入れていたのは主にTop/Midであり、ほとんどがTopでランクマを行った。

 

2023年スプリット1、スプリット2、そして2024スプリット1と続けているので一貫したデータが取れていると思う。

 

アイテムビルドは対面や構成に応じて常に変化させたが、基本的にタンク系ビルドの運用率が高い。(APタンク/ADタンク/ADファイター/APスプリットプッシャー/ADスプリットプッシャー/バス乗りタンク)

 

今期はハルブレイカーの弱体化の影響と、新タンクアイテムの実装、APアイテムの変化の影響でADビルド選択の割合が減り、APタンクビルドの割合が増えたが、多分AD/AP約半々のビルド選択になっている。

 

 

前提となる、ランクマッチの戦績および挑戦期間は以下の通りである。

 

2023年S1の参加期間は1月頭~2月末まで

ブロンズ4⇒ゴールド4まで

259試合で勝率58%

以降は主にノーマルでビルド探し



2023年S2の参加期間は7月末~8月末まで

シルバー4⇒エメラルド4まで

211試合で勝率57%

以降は主にノーマルでビルド探し

 

 

2024年S1の参加機関は1月頭~3月頭まで

ゴールド2⇒ダイヤモンド4まで

188試合で勝率55%

 

 

大体毎週ディビジョンを1つ上げる事を目標にコツコツと上げて行った。

 

まず最初にゲーム内で参照出来る『戦闘』の項目についてのデータを示す。

 

戦闘

 戦闘面が大きく影響するのはビルド研究なり対面検討なりであり、対面のプレイヤーが強くなっていくと一貫してKDAの数値が減少すると出しているダメージ量が減っていく。

 

2023S2のデータから、恐らくタンクTOPだと丁度スタックする際のKDAが約2.5程度と推測している。

(実際の完全硬直は平均の約2.0と推測されるが、スタックしていると感じる勝率51~52%程度の指標がその辺だろう)

 

ビルド検討は得意な分野なので、2024S1のスタートダッシュは成功しているものの、終盤で急激に失速してきている。

 

エメラルド帯のマッチを抜けて来て、ダイヤモンドがちらほら混じりだしてから明らかにKDA値が落ちてきており、スタックの兆候が出てきていると考えられた。

 

また、2024S1はTopウディアプレイヤーの平均スコアが全体的に急激に伸びている。

これはプロシーンで多く採用されるような環境になり、強いプレイヤーが流入してきたり、手本となる動画が増えた結果であると推測される。

 

 

 

ゴールド

 

ゴールド関連項目については2023S2の改善が効いており、それ以上の改善が中々出来なかった。

 

個人的にまとめた前述の『LoL算』をかなり忠実に守っているため、アドバンテージはキルよりもタワーゴールドで取れている。

 

全ウディアプレイヤーの戦闘項目が改善されているにも関わらず1分辺りのCSが低い値になってしまってる一方で序盤のCSアドバンテージは改善されているのは、2024から実装されたヴォイドグラブの影響と考えられる。

 

CSアドバンテージも改善されているのならば、通常はCS値は上がるはずだ。

 

5分~6分にタワープレート取得のためのリソースをかなりの高確率で発生するファイトおよび睨み合いで消費せねばならず、Topレーナーは以前よりCSを落とし、15分までのゴールドアドバンテージを発生させにくくなっていると推測される。

 

 

マップコントロール

 

LoLを始めた時から一貫して伸び続けてた視界スコア値がついに頭打ちに来ており、ダイヤが混ざりだした時期から視界スコアが落ちてきている。

 

これは恐らくSup、Jg含めた全体のデワード意識が高まっていることが影響していると考えられる。

 

また、2023は非常に低い推移をしていた全ウディアプレイヤーのローム優位性スコアが2024になって著しく上昇していた。

私は一方で逆にローム優位スコアが著しく減少しており、非常に苦しんでいるデータが出ていた。

 

全体の平均が上昇していた原因として、ヴォイドグラブに関する小競り合いが5分過ぎに発生するため、ほぼ強制的に他レーンのキル/アシストに絡みやすくなったからであると考えられる。

 

一方、5分~6分のファイトが丁度Top/MidのLv6タイミングであり、複数人でのUltスキルの処理が難しい対面の場合に本来やりたくないファイトが発生してしまう確率が高くなってしまうため、かなり苦しんだ。

 

結局払ったリソースでヴォイドグラブを取ったところで、大体その投資のリターンが出るのはデータの外となる15分以降である。

 

例えばヴォイドグラブを完全に放棄するという戦法も取れるが、放棄したとしても代わりの報酬を得られないと意味が無い。

 

後述するが、結果としてはヴォイドグラブを放棄してレーン戦に専念した。

 

『ゴールド』項目でも同タイミングでCS精度が上昇する代わりにCSアドバンテージが減少している。

要はレーンでJgの介入に耐えて時間を稼いでいる。

 

 

〇2024 S1の攻略方針

データから見て取れるように、結局問題は「ヴォイドグラブのファイトという多くの場合で分の悪いファイトをどう回避するか?それを回避しつつ、ちゃんと代わりの報酬をどう得るか?」であった。

 

もしもそれを完遂出来れば、Topは相手のTop/Jgに時間を使わせるだけで十分に試合を優位に進める事が出来る。

 

私が出した結論は、「Top/Jg」のDuoか「Top/Sup or ADC」のDuoだ。

 

Duo勝率

様々な人と組んで試したが、Top/Jg戦略の場合、ソロでドラゴンにタッチ出来るJgが好ましい。

 

またSup/ADCの場合は序盤からダメージトレード能力が高いキャラが望ましい。

Topで危険ピンを鳴らしまくってアピールして、Botがいい状況になってるならばJgは自動的にBotに向かう。

 

Duoが84戦57勝で勝率67%だった事を考えると、ソロキューは104戦42勝で勝率40%である。

 

上述のデータ推移だけで見ると序盤の戦績はかなり良いように見えるので、如何に全体のゲームメイクが重要か実感する事となった。

 

 

〇ランクマッチがあまりに時間がかかり過ぎる

全体の平均勝率はもちろん50%ジャストであるし、ランクを上げるにはもちろんそれ以上を維持する必要がある。

 

55%の維持というのはこのゲームにおいてそこそこ頑張ってる方だと思うが、それでも『9戦5勝4敗』の割合である。

 

つまり、9戦やれば1勝盛れる。

 

シーズン終わりは大体1ランク落とされるので、以前のランクから更に1ランク上げる事を目標とすると2ランク上げる必要がある(実際には1.5ランク分程度だけども)。

 

1ディビジョンが100LPで、現状エメラルド帯の1勝が20LP程度なので、単純計算で100LP上げるには45戦必要である。

 

それを1ランク=4ディビジョン分なので最低180戦しなければならない。

これが1.5ランク程度の労力と仮定すると約270戦だ

 

1試合30分としても単純に135時間、待ち時間やトレーニングモードを集めると200時間程度は行くだろう

 

半年で200時間…年間400時間。とてもじゃないがまともな社会人に捻出出来る時間とは思えない。

 

ましてやこれまでは昇格戦等のシステムがあり、実質ダイヤモンドランクは学生か無職しか到達出来なかったんじゃないかと思う。

 

多分昇格戦というシステムがまだ残っていたら多分私自身ここまでランクを上げるモチベーションが無かったので喜んでいるが、身の回りのプレイ歴が長いプレイヤーも似たようなモチベーションでランクに勤しんでるを見るに結構な障害になっていたように見える。

 

結局こういったゲームはミクロな操作を超えた先に戦術を考えるといったフェーズがあるが、ランクを上げないと何故か意見を聞いてすらもらえないという状態になってしまうのが非常にもどかしかった。

 

また、他のゲームに比べて何故LoLが特に顕著にそうなってしまっているかの考察は別に書こうと思うが、非常に面白いゲームだと思うのでもっと活発に様々な戦術の議論が深まればと思う。

LoL算

「中年のおっさんが新しくプレイするゲームの攻略法を検討した」という観点で、LoLをやる上で考えた事の備忘録を残しとく事にする。

 

mekasue.hatenablog.com

 

ゲームルールのお勉強をする上で、10年以上積み重なったお約束や歴史の授業も受けたのだが、「何か難しい事をみんな言ってるけど、基本の考え方としてはこれで良くねぇ?後は細かいルール変更に合わせれば?」となった事を書いていく。

 

ここに書く事は主に経験者に聞いても良い返答が無く、ブチギレた内容となるので現在進行形でキレながら学習している人向けかもしれない。




■まずは絶対的なデータを抑える。

 

100万回擦られているとは思うが、LoLのゲームの目的はキルを取るゲームでもドラゴンを取るゲームでもバロンを取るゲームでも決してなく、ネクサスを破壊するゲームである。

 

その上で、試合を有利に運ぶ要素は

 

①「金銭的有利を取る事」

②「時間的有利を取る事」

 

この2つの要素はこのゲームにおいては絶対的である。



ここまで話をして「いやいや、チーム構成も大事」とか「このゲームはマクロ」とか語ってくるオタクに対しては棍棒で頭をカチ割って良い。

 

今回議論するのはLoLの根本に存在する2つの要素を計算するための算数の話であり、それ以外の要素は2週間に1度の調整によって無限に変動するスパイス要素である。

 

当然そのスパイスを考える事も重要であるわけだが、スパイスを考えるにも根本の計算結果を少なくとも概算出来ないとただの人による感覚の差の話になる。

 

算数の結果によって最適なチーム構成もマクロも変化する。逆に言えば算数の結果に変化が無い事が確認出来ればそれらは変わらないはずだ。



 

金銭的な有利状況は試合中はアイテム購入状況で大体察する事になるが、リプレイ機能を使えばかなり細かく金銭的有利不利の推移を確認できるようになっている。

 

つまり、上手く試合を運べているかを誰もが絶対的な指標をもって詳細に確認できるようになっている。

 

プロリーグの試合でも、試合状況の有利不利の表現のためにチームの総ゴールドを常に上部に表示している事実を見ても、その重要性は世界の共通認識となっている。



対して、時間的有利は口伝されているものの、具体的な指標が無いために分かりにくい。

 

近年開かれていたLoLの大イベント「the k4sen」等でも、練習中に初中級者のプレイヤーが教官役のプレイヤーから「時間を無駄にしている」と指摘される場面を頻繁に見た。

 

しかし、無駄と指摘されて推奨行動を提示される一方で、「時間を有効活用するという事」が具体的にどういう事か語られる事は少ない。

 

何故なら一つの事をすればもう一つを取りこぼすという状況は常に起こっており、結果論で語るだけならば正解が複数存在する状況があまりに多いからだ。

 

順番に全て解決出来ればいいのだが、時間は待ってくれない。



時間という概念をより実感するために、この文章中では「30秒」を「1コスト(行動力)」として変換して扱う事とする。

 

何故30秒を1コストとするかというと、

 

ミニオンの出現間隔が30秒である事、序盤のミニオンが中央で衝突するまでが約30秒である事。

 

②ジャングルクリープやオブジェクトのリスポーン時間がその倍数である等、ゲーム内のイベントを区切る最小単位が30秒である事

 

③序盤のチャンピオンの戦線復帰時間がそれに近しい事、集団戦1回は大体30秒以内に終結する事等、各行動に必要な時間にも置き換えやすい事

 

以上3点の理由からである。




以上の前提を踏まえた上で、サモナーズリフトに存在する絶対的な金銭および絶対的な時間の概念を整理していく。

 

ちなみに、私がこれから書く考え方は『thebauffs』というプレイヤーが上げている『MY ULTIMATE SOLOQ GUIDE!』という動画の内容に非常に近い。

 

www.youtube.com

 

この動画を初めて見た時、「ちゃんと考えてるプレイヤーいるじゃん!」と素直に思った。

 

ただ彼はサイオンにこの理論を落とし込んでしまった結果、理論ごと嫌われているらしい。残念。



■金銭の情報を整理する。

 

金銭を獲得するには、

 

①チャンピオンのキルorアシスト

ミニオンのラストヒット、ジャングルキャンプのラストヒット

③賞金システム

④タワー、ワード等のオブジェクト破壊

⑤14分までのプレートゴールド

⑥ヘラルド・ドラゴン等の大型モンスターのラストヒット、バロン・エルダードラゴンの討伐による分配

⑦アイテム・ルーンによる直接的、あるいは間接的なゴールド取得(カル、魔法の靴、サポートアイテム、ジャングルアイテム等)

⑧チャンピオンの固有スキルによる追加獲得

⑨時間による経過

 

等がある。



①チャンピオンのキルorアシスト

 

チャンピオンのキルの基礎報酬は300Gであり、アシストがある場合はアシスト基礎報酬150Gを参加者で配分する。

 

アシストが無い場合はアシスト報酬も発生しないので、どうせ相手をキルするならアシストを入れた方が150Gお得である。

 

また、ファーストブラッドとしてボーナスとして100G(アシストは50G)の追加報酬がある。

 

つまり、ファーストブラッドをせっかく取れたのにアシストが無いと200Gの損失なので出来ればBotレーンかJgのガンクで奪いたい所ではある。



そしてキルの報酬は相手のデスが連鎖する程下がっていく。

(ただし、チームの総ゴールドに差がある場合減りにくくなるように調整されている)

 

参考値としては

 

300G(150G)

274G(137G)

220G(110G)

176G(88G)

140G(70G)

112G(56G)

100G(50G)

 

最終的に相手のキル報酬は100G(50G)になる。

 

つまり、命の価値は常に上下に変動している。



そしてキルによって得られるアドバンテージは金銭だけでなく、時間的な要素もある。

こちらはキルと異なり相手のレベルに従って上昇し続ける。

 

動画内ではLv7から劇的に上昇する事が触れられているが、パッチ13.20時点では以下のようになっている。

 

Lv1:6秒

Lv2:6秒 (+0)

Lv3:8秒 (+2)

Lv4:8秒 (+0)

Lv5:10秒 (+2)

Lv6:12秒 (+2)

Lv7:16秒 (+4)

Lv8:21秒 (+5)

Lv9:26秒 (+5)

Lv10~18:32.5秒~52.5秒 (各Lvで+2.5秒加算)

 

この基礎時間に追加して

 

15:30から30:00 → +0.425% (30秒毎)

30:30から45:00 → +0.30% (30秒毎)

45:00から → +1.45% (30秒毎)

(最大+50%)

 

の追加時間が付与される事になる。

 

ULTを覚えるLv6の時間帯は大体6分頃

大体レーン戦が終了する15分前後のLvは大体11~12という情報はトレードの成果を概算する際に便利なので覚えとくと良いと思う。

 

時間コストに換算すると、相手から1コストが奪えるのは相手のLvが10の時であり、序盤のキルでは0.2~0.3コスト程度しか奪えない。




ミニオンのラストヒット、ジャングルキャンプのラストヒット

 

前衛ミニオン:21G

後衛ミニオン:14G

砲台ミニオン:60~90Gまで上昇 (毎回+3ずつ増加)

スーパーミニオン:60~90Gまで上昇(毎回+3ずつ増加)

 

つまり、

 

前衛x3 + 後衛x3の通常waveの場合は1waveあたり105G

砲台waveは165G~195Gまで価値が増大する。

 

大体100G、160G、200Gの価値があると認識していればいいだろう。

 

これに+経験値も上乗せさせてくるので、実際の金銭的価値はもう少し上昇する事になる。

 

前述の通り、ミニオンは30秒に1回出てくるため、1コストを単純に相手に使わせた時の被害額は単純計算で100G~200Gとなる。

 

余談であるが、砲台ミニオンとスーパーミニオンは経験値の取得量もほぼ差が無いのでほぼ同等と考えて良い。



通常ミニオンはゲーム開始1分後に出発し、約30秒後の1:30に各レーンに到達する。

その後は15分まで通常wave2回⇒砲台wave1回の出現を繰り返す。

 

つまり、2:30に最初の砲台ミニオンは到達し、次の砲台ミニオンは4:00に到達する。

 

15分以降は通常wave1回⇒砲台wave1回の繰り返しに切り替わり、

25分以降は砲台waveが出続ける。

 

表にすると以下の通りである。

 

Lvアップタイミングとミニオンwave

 

そして、インヒビター破壊後、インヒビターの復活までの5分間にスーパーミニオンが約8wave出現する。(復活直前のwaveには出てこない)

 

基本的にスーパーミニオンは相手のミニオンを破壊し続けてしまうせいで1500~1800G程度の報酬と経験値のロストを産んでしまう。

 

インヒビター破壊後は、それらの価値を別の価値に変換するように動かなければ、金銭収支だけで計算するならば実質マイナスという事だ。



また、中立のジャングルキャンプの金銭情報は以下の通りである。(パッチ13.20現在)

 

ラプター(鳥):35G+8*5=75G

グロンプ(蛙):80G

クルーグ(岩):15G+10G+14*6=109G

ウルフ(狼):55+15*2=85G

レッドセンチネル(赤バフ):90G

ブルーセンチネル(青バフ):90G

リフトスカトル(カニ):55G~126G

 

リフトスカトルは単純に取り合いをするからよく意識されるが、ジャングルキャンプのスティールは本来入手出来るはずだった相手ゴールドの消滅と自軍ゴールドのプラスで大体どの場合でも1wave以上の価値がある事が分かる。

 

例えば、相手陣地のラプターは比較的に安全にスティール出来る割に合計150G程度の価値がある。

 

特に相手陣地のクルーグの強奪は合計220G程度の価値があり、可能であればどんどん仕掛けたい。

 

中盤以降のスカトルは必ず取り合いが発生するので、その度に1.5wave分程度の金銭+視界情報(+75G)が動いていると認識して良いだろう。



③賞金システム

 

参考

uchiwa-de-lol.hatenablog.jp

 

賞金システムに関する参考記事があまりなく、若干情報が間違っている可能性があるかもしれない事を先に断っておく。

私は2022年からのプレイヤーなので、この情報以降の変更が入っていれば教えていただきたい。



逆転のためのシステムとしてLoLには賞金システムが存在している。

勝ちすぎている者を足止めする、いわば強者への「税金システム」である。

 

賞金システムはパッチ13.20現在で大きく分けて2種類存在する。

 

各プレイヤー毎に設定される賞金と、オブジェクト賞金である。

 

詳細なゲーム内計算方法は調べた限りはイマイチ不明瞭であるが、連続キル、ミニオン報酬差、そしてチーム間の総ゴールド差によって細かく動いている。

 

連続キルによる賞金の発生は以下の通りである。

 

1キル:0G

2キル:+150G

3キル:+300G (キリングスプリー)

4キル:+400G (ランページ)

5キル:+500G (アンストッパブル)

6キル:+600G (ドミネーティング)

7キル:+700G (ゴッドライク



また、ミニオン報酬による賞金発生は、相手の取得平均から

 

+300G:+50G

以降+200G毎:+50G

 

ただし、相手チームとの総グローバルゴールド差によって賞金は減額される仕様があるようなので単純計算は難しい。



要するに、同じ相手を連続でキルし続けてしまうとキル報酬は下がり賞金は増額されていく。

 

例えば最初の2キルは+600Gに対して相手への賞金が150Gなので税率は25%となる。

しかし、100Gしか貰えない相手に対して連続でキルしてもどんどん税率は上がっていき、やがて税率100%となってしまう。

 

キルによって時間のアドバンテージは確実に得られるものの、その時間を別の金銭的アドバンテージに変換しない限りは実質取得金額は±0である事に注意したい。



一方でミニオンの報酬による賞金は+300Gの時に税率約17%

以降の+200G毎に一律で税率25%である。

 

上級者達が、そしてプロプレイヤーがCSをとにかく大事にする理由がこのデータに詰まっている。

 

CSは賞金システムによって剥奪されにくい安定の資産というわけだ。

 

また、後述するがタワープレートゴールドとタワーやオブジェクトゴールドにはこれらの賞金システムは反応しないという。

 

つまり非課税の超優良資産である。絶対に逃してはならない。

 

(ワード破壊、チャンピオンのスキル、アイテムによって得られた各資金に関しては賞金システムにどう関与しているかは分からなかった。予想ではワードはCS数に反映されるため税収が設定されているが、アイテム、ルーン、チャンピオンスキルによる金銭はグローバルゴールドの差にしか適用されていない非課税報酬である。)



ただ、そういった賞金(税収)システムが機能していても、ワンサイドゲームになる事は頻繁に起こる。

 

そういった一方的な試合にはRiotの慈悲として各オブジェクトの報酬の他に追加賞金が乗る。(基本の追加賞金額に最大で+60%付与される)

 

ヘラルド・ドラゴン・バロン:各500G(最大800G)

アウタータワー:250G(最大400G)

インナータワー:400G(最大640G)

本拠地前タワー:400G(最大640G)





④タワー、ワード等のオブジェクト破壊

⑤14分までのプレートゴールド

 

lolninja.net

 

各タワーに獲得ゴールドが設定されており、

 

アウタータワー:ローカルで250G、グローバルで250G(各50G)

最初にタワーを破壊した場合は追加で150Gのローカルゴールドを得る

 

また、14分までアウタータワーにおいては最大5枚までシールドが付与されており、1枚剥がす毎に125Gのタワーゴールド報酬を得る事が出来る。(最大625G)

(パッチ13.20で修正)

 

インナータワー:TopとBotはローカルで675G、Midはローカルで425G、グローバルは全て125G(各25G)

(パッチ13.22で修正)

 

インヒビタータワー:ローカルで375G、グローバルで125G(各25G)

(パッチ13.22で修正)

 

ネクサスタワー:グローバルで250G(各50G)

 


ワードのステルスワード、コントロールワードの破壊報酬は30G

ファーサイトオルタネーション(青ワード)の破壊報酬は15G

 

発見ピンを指した時の報酬5Gは破壊報酬に含まれる記載されていた記憶があるが、動画を見てた限りでは破壊報酬とは別に5G入ってたので指し得のはずである。

 

また、赤トリンケット起動時に別の味方にワード破壊のラストヒットを取ってもらうと赤トリンケットを回しているプレイヤーにも30G入り、合計60Gが獲得される仕様もあるため、注意しよう。

 

www.youtube.com

 

 

⑥ヘラルド・ドラゴン等の大型モンスターのラストヒット、バロン・エルダードラゴンの討伐による分配

 

ヘラルド:ローカルで100Gのみ

各ドラゴン:ローカルで25Gのみ

バロン:ローカルで25G+グローバルで1500G(各300G)

エルダードラゴン:ローカルで100G+グローバルで1250G(各250G)




⑦アイテム・ルーンによる直接的、あるいは間接的なゴールド取得(カル、魔法の靴、サポートアイテム、ジャングルアイテム等)

⑧チャンピオンの固有スキルによる追加獲得

⑨時間による経過

 

に関しては細かい項目が多すぎる上に現在の取得判断が概算出来ない項目も多いので省略する。




■時間(行動コスト)を整理する。

 

最初に提言したように、このゲームの基本単位として約30秒を1コスト(行動力)として表現する。

 

1コスト毎に出来る行動というのが決まっている。

 

最初に書いたが、30秒毎にミニオンは出てくるし、序盤のミニオンが衝突する時間も約30秒だ。

レーナーが自陣からTop/Botレーンまでの復帰時間も序盤は約30秒だ。

 

この事実を理解していると、後は自分の行動に対して支払った行動コストの試算と金銭的変換が可能となる。



モナーズリフトに対角線を引くと直角2等辺三角形が出てくることから、自軍ベースからTop/Botのアウタータワーまでの距離とMidタワーまでの距離の比は√2:1となる。

(1.414…といちいち計算するのはダルいので、概算で1.5として扱う。つまり大体3:2として扱う。)

 

実際に序盤のMidレーナーのレーン復帰時間は約20秒であり、これは行動コストは0.67(⅔)として考えて良い。



レーン復帰のコストは試合が進むに従って下がっていく。

原因としては、靴およびアイテムを積む事での移動速度増加、ドレイクのバフ効果、14分から適用されるベースでの加速効果である。

 

参考までに、各Move Speedの場合の自軍ベースからTop/Botレーンへの復帰時間の概算を列記しておく。

 

各MoveSpeedの時のベース⇒アウタータワーランニング記録

 

リコールは8秒なので、約0.27コスト

 

テレポートは全ての移動コストを強制的に約0.13コストにする事ができ、最速でリコール⇒テレポートが出来れば約0.4コストでレーン復帰する事が出来る。

 

歩いて帰ってくる場合は、レーン復帰に約1.3コストかかる事を覚えておく。重要な数字である。



また、自軍ベースからMidレーンまでの距離は、Top/BotレーンからMidレーンへのローム時間とほぼ一致するので、往復にかかる行動コストは1.33となり、ガンクに10秒(0.33)程度はかかる事を考慮すると約1.7の行動コストを消費する事になるし、ガンクに時間をかけるだけコストは加算されていく。



ベースからアウタータワーまでの距離を1コストと置いたが、タワー間の距離は大体3等分なので、約0.33コストと考えて良い。

 

自軍と相手のアウタータワー同士の間隔もほぼ同様であり、約0.33コストをかけてミニオン達は歩いてくる。

 

つまり、LoLの基礎としてよく出てくる「自軍ミニオンを相手タワーに押し込む」という行動によって、相手ミニオンが自軍タワーに入るまでの少なくとも0.33コスト分を得る事ができる。

 

この時実際に得られる総コストは相手が自軍ミニオンの処理にかかる時間を加えた物である。

 

相手のミニオン処理時間の概算方法として、相手がスキルのみでCSを取れるのであればほぼ0コスト

 

AAでCSを狙う場合は少なくとも6回AAを繰り出すとして約6秒(0.2コスト)

 

低レベルであったり、キャノンミニオンを含むとこれらに非常に時間がかかるため、次のウェーブが来てしまいタワーまで押し込めず1.33コスト以上が確定でかかってしまう。

 

つまり、ほぼ間違いなくリコール⇒徒歩レーン復帰に間に合うし、ロームが可能となるわけだ。



相手のタワーとタワーの間で相手のミニオンを処理した場合、大抵の場合は次のwaveのミニオンが出ないため、単純に次の相手のミニオンまでの召還時間+1.33コスト+相手側のミニオン処理コストを得ることになる。

 

つまりこの場合も間違いなく徒歩レーン復帰およびロームが可能となる。

 

最初に挙げた『thebauffs』氏の戦略はこのコストとデスタイマーにより払うコストを計算し、キルの高納税を相手に課し、こちらは税金がかからないタワープレートと税金の安いCSで差をつける戦略というわけだ。

 

このように上述の金銭的価値と時間的価値を理解していれば様々な思考実験に進めるようになる。




■思考実験①

ミニオンロスが少ないレーン復帰とは?

 

タワーは10秒に8発程度の火球を放つ。

 

メレーミニオン:3発(1発45%)

レンジミニオン:2発(1発70%)

砲台ミニオン:8発(1発14%)

 

つまり通常waveは約20秒以内に全て焼け、砲台waveは30秒以内に全て焼ける

 

一方で砲台ミニオンは優先的にタワーアグロを引いてくれる影響で、焼けてしまうまでに10秒間他のミニオンを守ってくれる。

 

つまり、砲台waveの手前でタワーまでミニオンを押し込みさえすれば、相手がどれだけ次の砲台waveを素早く処理しようが、1.33コストを得る事が出来る。

 

通常のwaveで同様に行った場合は約1コストしか得る事が出来ないため、waveのほとんどをロストしてしまい、約100G+経験値を損失する。

 

レーンコントロールスキルも重要であるが、この辺の損失計算をする事で、「何故その技術が重要か」を認識する事が出来ると考えている。



■思考実験②

・レーン復帰にゴーストを使用するのは絶対に無しか?

 

色んな場所でこの話をすると返ってくる返答は必ず「絶対に無し」であったが、必ずしもその限りでは無いと私は考えている。

 

仮に序盤の各サモナースペルの期待値を考えると以下のように表現出来ると考えている。

 

モナースペル期待値

 

フラッシュもゴーストも対面のキル、あるいはキル回避ポテンシャルが高いスペルである。

相手のキルを発生させる事が出来た場合、キルゴールド(300G)+2waveロスト(約200G)の報酬が期待される。

 

それらの達成率を例えばフラッシュで50%、ゴーストで35%程度であると想定する。

これはサモナースペルのクールタイムの差から想定している。

 

と、なればゴースト1回の期待値は175Gであり、ゴースト使用によりそれを達成出来るのであれば切る価値があるはずだ。

 

ゴーストは24~48%程度Move Speedを上げてくれる効果なので、レーン復帰に使用してもいいとこ2~3秒程度早くなるだけである。

 

つまり、この2~3秒で何の変化を出すか。

 

例えば相手がタワープレートゴールド(+125G)を取れる状況、かつ砲台ミニオンを取り逃す状況(約70G程度?)を想定すれば合計195Gで「切る価値がある」と判断出来る。

 

例えば相手が14分までのファーストタワー+タワープレートゴールドを取得するのを拒否出来るのならば、それだけで275Gの価値が発生するのでやはりこれも十分「切る価値がある」と判断できる。

 

議論をするためにみんなで算数しよう

 

LoLを1年やってみて気付いたこと

 

note.com

 

この記事を書いてから1年が経って、目標として密かに掲げてた上位10%の強さになることが出来た。

 

ただ、上位でランク回してるようなプレイヤーは大概サブ垢を当たり前に持っているような状況ではあるので、実質上位6~7%程度までは食い込めている気がしている。

 

統計サイトが充実しているLoLの特性もあり、OTPかつ、レーンも絞って続けていたため面白いデータが見えてきたので、これまで試行してきた事も含めてまとめて記録しておこうと思う。

 

恐らく低レートで壁に当たってるプレイヤーだけでなく、LoLコーチングをしようとしている人にも有用な情報例となるはずだ。

 

上級者の人には「当たり前だろ!!!」と思う事を書いてると思うので、そういう人は素人が書いてる備忘録程度に眺めていただければと思う。



〇データで見るプレイ内容の改善

 

今は更に増えているが、当時の162キャラの中から適したチャンピオン(キャラクター)を選択した過程についてミッチリ記事を書いたが、そこから初志貫徹してウディアを使い続けたウディアOTPである。

 

mekasue.hatenablog.com

 

キューを入れていたのは主にTop/Midであり、ほとんどがTopでランクマを行った。

 

そのような背景があり、2023年スプリット1、スプリット2と一貫したデータが取れていると思う。

 

また、アイテムビルドは対面や構成に応じて常に変化させたが、基本的にタンク系ビルドの運用率が高い。(APタンク/ADタンク/ADファイター/APスプリットプッシャー/ADスプリットプッシャー/バス乗りタンク)

 

ルーンは色々と運用したものの、Top/Mid問わず基本的に対メレーは握撃、対レンジは征服者で運用した。



前提となる、ランクマッチの戦績および挑戦期間は以下の通りである。

 

スプリット1の参加期間は1月頭~2月末まで

ブロンズ4⇒ゴールド4まで

259試合で勝率58%

以降は主にノーマルでビルド探し



スプリット2の参加期間は7月末~8月末まで

シルバー4⇒エメラルド4まで

211試合で勝率57%

 

大体毎週ディビジョンを1つ上げる事を目標にコツコツ上げて行った。

スプリット2はスプリット1の約1.5倍のポイントがもらえる仕様となったので増加速度も1.5倍となった。



まず最初にゲーム内で参照出来るスプリット1よおび2の『戦闘』、『ゴールド』、『マップコントロール』の項目についてのデータを示す。

 

戦闘

 

ゴールド

 

 

マップコントロール

 

スプリット1のKDA比に着目すると、ランクが上がるほどどんどん下がり続けている。

これは当然ながらランクが上がれば上がる程対面が強くなっていくのが原因と考えられる。

 

対面へのパフォーマンスが低下していくという事は「1デスあたりのダメージ量」は当然落ちるし、ダメージ割合が下がっていく。

 

そうすると、対面によって取りやすさが変わってくる「1分あたりのCS」も減少するし、それによりゴールドアドバンテージも減少する。

 

一方、マップコントロールを見ると「視界スコア値」は常に改善の方向に向かっている。

これは先輩方の口酸っぱい「赤ワードを買え」というお叱りによるものである。



そして、3月~7月にかけてノーマルモードでマッチアップ研究やビルド探索に勤しんだ後となるスプリット2のデータと比較してみるとグラフの傾向に大きな変化が出てきている。

 

最も顕著な差はKDA値が一定の箇所で大きくV字回復している事であろう。

 

これにより『戦闘』における項目は同タイミングでV字回復傾向となっている。

 

序盤はスプリット1と同様に対面が強くなり続けていたための減少と考えられる。

 

一方でV字回復した理由としては、マッチアップ研究によりタンクミシックアイテムの一つである「イーブンシュラウド」を取り入れたビルドを開拓し、味方のバスが発生した場合に効率的に乗る方向性のビルドを新たに開拓したからであると考えられる。(アシスト値の改善)

 

また、一方でCSについては対面によらずほぼブレが無い。

にもかかわらず「序盤のゴールドアドバンテージ」はどんどん改善していっている。

 

これらはレーンコントロールやリコールタイミングの改善が影響した結果であると考えられ、特にビルド開拓により耐える選択肢が強化され、タワーゴールドが取られにくくなった事が一定関与していると推測される。



次に顕著に増加している項目は「ローム優位性スコア」となる。

 

スプリット1は平均0.76であるものの対面が強くなるに従って減少していた当該の数値が、スプリット2では平均1.14と大幅に改善された上に対面の強さを問わず安定していた。

 

「オブジェクトコントロール関与率」は元から高く、そちらの意識は元よりあったようなので、主な理由としては序盤のレーンプッシュ~ロームについて

 

・味方JG位置

・味方、敵Mid位置

・オブジェクト

・相手JGの強さ

 

を初めから条件設定する事で相手ジャングル内に侵入出来る機会が飛躍的に増えた結果であると考えられる。

 

また、10分時点で真テレポートが解禁された事も一定量関係してると想定されたが、全体のロームスコアの平均がスプリット1もスプリット2も0.39と上がってない事からはあまり関係が無いのかもしれない。

 

そして視界スコアについては引き続き継続した改善が見られた。

どうやら上手くなればなるほど視界スコアは上がり続けるらしい。



以上の事から分かる事は、要は「対面研究」だけでは僕の能力的にはどうしても限界があったという事だ。

 

互角の試合はよりCSを落とさず、視界を取り、ロームした方が勝ちなのでその分の研究の成果が結果として綺麗に上乗せされていた。

 

Topという孤立したレーンであっても、キャリープラン、タンクプランの他にバス乗りプランも画策した方が試合内容は明らかに改善した結果となった。




〇ビルド構築を考える

 

Topにおいてチャンピオンを運用する際に最も重要なのは効率の良いビルド構築であると考えている。

 

主に対面によってビルドを臨機応変に変えて行かなければならないタンクビルドを愛用していたから余計にそう思う。



LoLにおけるダメージ計算式は様々なサイトで言及されているが、意外とシンプルである。

 

・ダメージ軽減率:100/(100+AR or MR)%

・脅威:数値分だけAR減少

・~防御貫通(数値):数値分だけ防御力減少

・~防御貫通(%):パーセンテージ分だけ防御力減少。その後防御貫通(数値分だけ更に防御力減少)

 

以上でザックリ考えてもらって良いはずだ。

 

例えば、

 

AR=0でダメージ 0%軽減

AR=50でダメージ 33%軽減

AR=100でダメージ 50%軽減

AR=150でダメージ 60%軽減

AR=300でダメージ 75%軽減

 

と、積めば積むほど効率は下がっていく。



その上で例としてウディアのタンクビルドを考えてみる。。

 

シャードにより追加出来る物理防御は6、魔法防御は8、体力は+15~140と累進性となる。

 

体力シャードはかなり有用性が高いという事が明らかになってるので固定として、

lolninja.net

 

レベルによる成長

 

案外、各キャラによってもARとMRの上昇値は異なる。

 

ウディアはMRの成長が低めなので、魔法防御貫通を持っている相手にはちゃんと対策しないと簡単にとんでもないダメージを出されることになるから注意したい。

 

 

まず例としてLv1の時にルーンシャード選択を間違うとどうなるか。

 

ルーンシャード差

大体弱めのAA1発分程度変わってくるので、最初の殴り合いで相性が逆転するというケースが発生する事もある。

 

特にMRをミスった場合の4%のダメージの違いは大きな負債となるので注意していきたい。

 

 

さて、次に試合時間6分の場合を考えてみる。

 

この時の自分と対面は一般的にウルトスキルを覚えるLv6となる。

金銭はリコールタイミングによるが、順調にいけば1000G前後は確保しているだろう。

 

対面および相手JGのダメージ構成を考えて、このタイミングで効率の良いアイテムの買い方は何か?


Lv6の時に買うアイテム




 

以上の比較を見たら分かるのが序盤の体力アイテムの優秀さである。

 

一方で体力アイテム派生の使いづらさが問題となってくる。

 

例えばジャイアントベルト派生してしまうと、初手で買えるのは悪魔の抱擁、リーライクリスタルセプターくらいで、後は一部のチャンピオンでソーンメイルを選べる程度だろう。

 

そして初手キンドルジェム派生は流石に弱い。

 

一方でバミシンダーという派生アイテムはハチャメチャに強いのだが、現在派生先がサンファイアイージスしか存在せず、ADチャンプが少ない試合だと使いにくいという難点がある。

 

ただし、選択肢として「バミシンダーで止めて、別のアイテムを作成する」という動きも序盤は強く、レーンを有利に試合を進めるにあたっては戦略の一つになるだろう。

 

また、体力割合による攻撃でHPを上げようと防御を上げようと一定ダメージを受けてしまうような相手には、逆にそれ以上の攻撃力で捻じ伏せる方が効率が良い事が多い。




〇コアアイテムが安いという事は偉い

 

前項では序盤のアイテムビルドについての考察をしたが、レーン戦は下手すれば20分程度まであるので、少なくともその辺のプランまで考えておく必要性がある。



余程スノーボールしてない限り、大体12~14分あたりで積まれ始めるミシックおよびレジェンダリーアイテムの追加効果欄には大体凄い事が書いており、完成してしまえば当然凄いことになる。

 

各アイテムは安いものから高いものまで2000G程度~3600G程度まで存在するが、「コアアイテムを片方だけ持ってて、もう片方が持ってない時間」はほとんどの場合において持ってる方が強い。

 

Topでよく運用される安いコアアイテムとしては、リーライクリスタルセプターやサンファイアイージスが挙げられるが、これがまぁ本当にバカみたいに出来た瞬間は強い。

 

対策としては「こっちもコア出来るまで近づかないこと」なのだが、低レート帯では確認を怠ってくる可能性がかなり高い印象を受けた。

 

相手のコアアイテムの方が安い事が想定される場合はよく頭に入れておくべきである。



また、2コア目も先に出来ている状態というのも相当偉い。

 

大体レーン戦が終わる16分~20分というのは1コア半~2コア届くかどうかという時間帯なのだが、大体この間に2回目のヘラルドファイトとドラゴンファイトの集団戦が1~2回は発生する事になる。

 

このタイミングのファイトはスノーボールがより大きくなるか、止まるかの局面であると同時に味方チームの士気に大きく影響するファイトとなる。

 

フレックスランクならともかく、野良のプレイヤーで構成されるランクマッチではどうしても落としたくない。



前述のバス乗りビルドは、この時間帯までに極めて安い代わりにサポーティブな方向に特化したコアアイテムを完成させて、全力で集団戦を優位に進めるという方針で組んでいた。

 

コアアイテムはキャラへの相性の他、必要な時に積めているかというのが極めて重要となる。



〇バンピックで相手を騙す

 

複数のレーンで運用可能なフレックスピックが可能なチャンピオンは単純にランクマッチで有利と考えている。

 

特にTop/Jg/Midで予想も出来ない組み合わせで出てくる奴らの対処は大変となる。

 

ウディアの場合、前述の通りMRの成長が悪い関係上、ARシャードを積んでるにもかかわらず対面にAPチャンピオンが来てしまったら大体とんでもない事になる。

 

これも前述の通り、相手がメレーかレンジかでルーン選択が変わるようなキャラは余計にである。

 

突然現れるTopカルマとTopルブランは許していない。

 

逆に逆手を取って、カモフラージュ可能な味方の構成だった場合は、思い切った先出しTopもアリと考えている。



〇レーンと気質

 

明らかに人の気質によってどのレーンに適合しているかという差があると感じられた。

また、同時にキャラ選びでやはり性格が滲み出てきていると感じられた。

 

これは格闘ゲームでも普段から感じられた要素と同様であった。

 

何なら格闘ゲームLoLを両方しているプレイヤーは共通点も発見出来て非常に興味深かった。



レーンの適正は「衝動性が強いか、計画性が強いか」と表現しても良いし、「おっちょこちょいなのか、のんびり屋さんなのか」と表現しても良いと思う。

 

衝動性を強く持っている人ほどBotレーンに行くし、計画性が強いプレイヤー程Topレーンに寄る。

 

JGは束縛を嫌うプレイヤーであり、サポートは逆に束縛を許容するプレイヤーである。

 

Midレーンはいずれにも寄っていないプレイヤーのように思えた。

 

これらの基本的な特性に+αのキャラ選択で要素が決定されている印象となる。



例えば格闘ゲーマーのJGプレイヤーのキャラ選択傾向は以下の通りであった。

 

相手が窒息するようなハメを楽しむプレイヤーはイブリンをはじめとしたアサシンジャングルを好む傾向が強い。

 

一方、基本的にハメるけれども、たまーに相手を誘導して「はいアホ~~~笑」と楽しんでいるプレイヤーは身体が強めのファイター系のジャングルを好む。

 

また、マジでトレモが好きな人間はファームジャングルを選ぶ傾向にあると推測している。

 

そしてレーンで現れる気質と逆の傾向のチャンプ(ex.メイジサポート、タンクジャングル)を好むプレイヤーは恐らく非常にわがままである。

 

 

〇自分の得意な時間帯を知る

 

「LoGraph」という統計サイトが非常にお気に入りで、スノーボール率やバス乗り率等様々なデータが見られるが、特に興味深かったのが「時間帯毎の勝率」である。

 

LoL チャンピオン & サモナー 統計 & ランキング - LeagueOfGraphs

 

時間帯による勝率

 

「深夜帯、特に日が昇りそうな時間はToxicなプレイヤーが増える」とはよく言われているが、私の生活リズムの中ではあまり会わない。

 

私の場合、平日やる気がある時は19時頃から数戦

休日は朝やっている事もあれば、昼やっている事もあるし、夜やっている事もあるという感じである。

 

その中で注目したいのは、一番試行数が多いと思われる19時~22時にかけて19時の時間帯の勝率が群を抜いて悪かった事である。

 

このデータは他のデータにも如実に表れていて、どうやらその日の第1戦目の勝率がすこぶる低いようだ。

 

そして、時間の経過によって改善されていってピークが来るのが22時頃。

 

深夜までやってる場合は大概「流れが来てるので負けるまでいく」モードの時であるので、大体2時頃に集中力が完全に切れて終わるらしい。

 

このデータから言える事は「私の場合はランクに行く前に1度ノーマルモードかトレーニングモードを消化すると良いようだ」という事だ。

 

皆さんも一度チェックしてみてほしい。



〇RiotのMMR(内部レートシステム)に思う事

 

スプリット1でゴールド4で終えた理由は、当時まだまだ試合に50%以上は勝ててたにも関わらず、敗北時に没収されるポイントが勝利時にもらえるポイントの2倍に達したからであった。

 

すなわち勝率67%でやっとポイント五分というわけだ。

 

あまりにもゴールド4から動かず、その内にシルバーに降格させられたのは流石に萎えてしまった。

 

適性レートじゃないから下げさせようとするのは分かるが、せめて60%勝ったら上がる程度にならないかと思う。



また、今回のスプリット2でもプラチナランク4以降は勝利時+19~21、敗北時-26~-28から一向に動かず、「勝率57%を維持できれば数回せばギリギリ上がるか」と回し続けても一向にポイントの増減値が改善されないままエメラルド4まで来た。

 

エメラルドではまたスプリット1のような60%以上維持が必須状態となってしまっているのでRiotはこれ以上ランクを上げさせる気は無いらしい。

 

この辺マジで何とかならないだろうか。

「eスポーツ」を形成していくには

先日『オリンピックeスポーツシリーズ』というイベントに参加して、改めて見えてきて考えた事の備忘録を書いておこうと思う。

 

結論なんてものは無く、ただただ最近あった事と考えた事のまとめである。

 

一体何のゲームが『eスポーツ』なのか?について考察していく事にする。

 

もくじ
①一般論としての『eスポーツ』とは何なのか。

②教育的価値としての『eスポーツ』

③オリンピック競技としての『eスポーツ』

④ゲーム会社が提唱する『eスポーツ』

⑤『eスポーツ』とはどういうゲームになっていくのか?

⑥「ご当地eスポーツ」という概念

⑦「生涯eスポーツ」あるいは「障がい者eスポーツ」という取り組み

 

 

①一般論として『eスポーツ』とは何なのか

 

『ゲーム』のことを突然『eスポーツ』と呼び始めたのは色々な思惑があるだろうが、一般のゲーマーに「eスポーツとは何なのか」と問いかけたらほぼ間違いなく以下のように返ってくるように思う。

 

「〇〇等の流行ってるゲームがeスポーツだ」

「〇〇等のプロリーグがあるゲームがeスポーツだ」

 

大多数を占める一般的な消費者目線で言えば、大体「お金が稼げる可能性のある物事が価値ある物事である」≒「注目を浴びる事が出来る物事が価値のある物事である」という結論になってしまう。

 

教育的価値やらいくらでも後付けは可能だが、一般的な消費者の観点では本当に「価値といえば金銭」という視点しか無い。

 

掘っていけば、価値は非常に多様である故にその変換を担う中間体である金銭のみが一般大衆の共通の価値に対する判断基準となる。

 

競技の面白さや様々な価値に気付いている人は「いや~」「でも~」と否定しがちであるが、そもそも大衆はそこに興味が無いから金銭的価値観でしか語れないのだ。

 

なので大前提としてこの意見は正しい。



②教育的価値としての『eスポーツ』

 

さて、「eスポーツ」という言葉を扱う界隈を制限してみよう。

 

例えば学校においてeスポーツ部を運営しなければならない場合、どういう視点が必要だろうか?

 

それこそ、先程一般大衆に切り捨てられた「教育的価値」に重きを置く必要がある。

そもそも「教育的価値」が見出されない部活動は学校において無価値であり、採用される事は無いからだ。

 

では「教育的価値」とは何か?

既に高校でeスポーツ部の顧問として取り組まれている方が考察されたnoteに教育現場での教育的価値の考え方が書かれている。

 

note.com

 

教育機関からすると、1人で黙々とやるゲームよりも仲間との協調性が重視されるタイトルの方が教育的意義を見いだしやすいのでソロ不可はむしろありがたかったりする。

 

>後者については両大会とも、かつては文部科学省や市教委が後援に入っていた。(STAGE:0は2022まで。2023年から外れている)

>どこの誰がやってるか分からない野良大会では教育活動として参加しにくいが、文科省が後援しているなら話は別だ。



まず第一にチームとして協調して同じ目標を目指すという行為に一般的な「教育的価値」が見出されている。

 

高校生向けのeスポーツとして選ばれている『Rocket League』や『Varolant』あるいは『League of Legends』等は3vs3だったり5vs5だったりでその条件を満たしており、求められる「教育的価値」にある程度合致したコンテンツであると言える。(民度は知らんけども)

 

では「教育的価値」を見出せないとされる1vs1の競技は部活動として認められていないかというとそうではない。

 

例えば剣道や柔道等のどこにに教育的価値は見出されないかと言われると、こちらは「礼儀・礼節」を養うという方向で「教育的価値」は見出されている。

 

仮に1vs1のeスポーツを高校の部活で取り扱うとすれば、この部分の「教育的価値」を付与しない事には採用は難しいだろう。

 

私個人としてはこの部分をしっかり根付かせていく事で1vs1のeスポーツにおいても「教育的価値」の醸成を図るべきだと考えており、私を育ててくれたゲームコミュニティへの恩返しであると考えているため積極的に取り組んでいる。

 

試合開始の際は気持ちを高め合い、試合終了の際にはしっかりと健闘を称えあう文化を根付かせたい。

 

挨拶は大事だよ

 

 

 



そして重要なのは支援者である。

 

まず大前提となるのは、反社会的な勢力が協賛しているイベントに学校の生徒を出す事はありえないだろう。

 

もっと言えば反社会勢力が関連するか調査するのにコストがかかるようなイベントでも問題である。



結局のところ、学校という組織の最も上の組織は文部科学省であり、ここが責任を持って協賛いただけると、安全性に加えて「教育的価値」がお墨付きという事になる。

www.mext.go.jp

 

また各都道府県毎の教育委員会でも同様だ。

www.mext.go.jp

 

ただし、上位組織は文科省なので、結局は文科省と上手くやっていくというのが一つの課題となるだろう。



そして大会を開催していくにはスポンサーが必要になってくる。

 

後述するゲームを発売している企業が行う場合であれば販促を目的としたスキームを組めると考えられるが、国内で上手くやっているのはスプラトゥーン甲子園やポケモンWCSを主催している任天堂や、ワールドツアーを開催している格闘ゲームメーカーくらいだろうか



先日開催されたポケモンWCSは横浜の街中を彩り、街をあげた観光施策として大成功を収めていた。

 

ポケモンという超強力コンテンツパワーの為せる技だとは思うが、経済とeスポーツとの融合の形としては一つの理想像であると考えている。

 

 

 

note.com

 

しかし、当然全てのコンテンツにポケモンのような土壌があるわけではない。

 

観客動員や宣伝等で黒字が見込まれるならばスポンサーは引く手数多だろうが、サッカーですら苦労している現状、ほぼ慈善事業で回っているのが現状である。

 

ファミリーコンピューターが発売されてから40年が経ち、経営判断する層にも元ゲーマーが増えてきている世の中ではあるが、余程体力がある企業でもないと投資する判断に至らないだろう。

 

そういった慈善事業を支えるのは大体税金による補助金となる。



経済産業省は一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)を窓口としてかなり大規模に支援してきた跡が見える。

 

2018年こそが真の「eスポーツ元年」であるという謎の報告書が多数存在するが、まぁその報告書を書くためにも本当に多数の施策を実施してきている。

https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2019FY/030486.pdf

 

恐らく後援として経産省内閣府等が登場する(していた)「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」

jesu.or.jp

 

文部科学省が後援として登場する(していた)「stage0」

stage0.jp

 

同じく文部科学省が後援として登場する(していた)「全国高校eスポーツ選手権」

www.ajhs-esports.jp

 

あたりが若年層を狙った施策だろうが、どこもそろそろ息切れという雰囲気が出てきている。

「全国高校eスポーツ選手権」に関しては今年の第5回で終了するようだ。

 

どの大会においても、春・夏の甲子園大会や、高校生クイズのような形態を目指しているような雰囲気がある。

 

まだ大会が産まれては淘汰されていって、新たな『定番』が産まれる土壌を作っている最中のように見えるので、どういった形に落ち着くか観察し続けたいと思う。




③オリンピック競技としての『eスポーツ』

 

先日はじめて国際オリンピック協会(IOC)の管轄のもと、シンガポールで「第1回eスポーツオリンピックウィーク」が開催された。

 

筆者もアーチェリー代表で参加してきたのであるが、種目選びの基準が非常に特徴的であった。

すなわち、オリンピックとして開催するための視点が非常に重要視されていた。

 

mekasue.hatenablog.com

 

まず第1にIOCが管理管轄しやすいという視点である。

 

ある特定の競技であっても国際大会を実施する場合、中心的な国際連盟が存在し、各国に統括する支部が存在するという構造がある。

 

一方ゲームの国際大会はどうなっているか。

 

例えば「ストリートファイターシリーズ」における世界大会である「CAPCOM CUP」はカプコン社が独自に開催するオンライン・オフライントーナメントの他、世界各地のコミュニティーリーダー達が醸成してきた大規模オフライン大会が出場権争いを兼ねている。

 

特に毎年7月~8月にアメリカのラスベガスで開催される「EVO」はその代表格であるが、アメリカのゲーム協会のような組織が管理・管轄しているわけではないコミュニティー大会である。

 

最も注意すべきは、同様のコミュニティー大会は大抵の場合、主催者は存在してもその運営に従事する数多のスタッフによって支えられている事実がある。

 

つまり、IOCがeスポーツオリンピックをするために各地で選手の選抜に大会を頼ろうとすると、しっかりとしたコミュニティーとの連携が必須となり、非常に面倒くさい。



と、なるとIOCが行う命令は既に繋がりがある各国際連盟に対して「対応するeスポーツ競技を各々の協会で持て」という内容となる。

 

そうすると、既にあるネットワークで効率良く上意下達出来るというわけだ。

 

実際に第一回eスポーツオリンピックにおいて、採用された全ての競技は各競技の国際連盟が後援に入っている。

 

何なら日本の競技連盟にもJOCから「なんか無いのか」と相談を受けて困っているという噂話も聞こえてくるくらいである。



第2にオリンピックの理念としての「世界平和を実現しよう」というメッセージの重要性である。

 

よく言われる話であるが、FPSゲームは銃器でバカスカ打ちあうゲームであるが故に「戦争」をテーマとした作品が多い。

 

そんな作品を平和の祭典(と銘打っている)イベントに採用するのはもってのほかだし、人(キャラクター)を打つという行為すら許容し辛い。

 

となると、途端にゲームの幅が狭まってくる。いわゆる球技的な得点を競うゲーム以外は大概相手にダメージを与えるゲームだ。



そして第3に出てくるのはやはり「利益について」である。

 

正直開催地として選ばれても観光面のうま味はかなり薄いと思われる中で何が利益になるのか。

 

非常に重要なテーマだろう。



さて、以上3点の前提の上でオリンピックのeスポーツ競技を見てみよう

 

・サイクリング(Zwift)

・アーチェリー(Tic-Tac-Bow)

セーリング(バーチャルレガッタ)

・ダンス(Just Dance)

・野球(パワプロ)

・チェス

・テニス(Tennis clash)

・射撃(Fortnite)

モータースポーツ(GT)

・テコンドー(バーチャルテコンドー)

 

サイクリング、セーリング、野球、テニス、アーチェリーとテコンドーあたりは元々オリンピックで採用実績のある競技だし、コンセプトに合致しており分かりやすいだろう。

 

ダンスも2024年パリオリンピックにて「ブレイキン」として採用予定である。

 

モータースポーツはオリンピック競技としてずっと議論され続けてきた歴史があるが、そもそもレギュレーションを確立するのが難しかったであろうし、スポンサーの問題もあると推測される。

 

さて、異質なのはチェス、そして本来あり得なかったはずの射撃競技「Fortnite」である。

 

チェスは長年世界中で競技が親しまれてきた背景があるので、国際競技団体は存在する。ただ、オリンピックとしての枠は無かったのでeスポーツオリンピックの枠を与えられたと推測される。

 

ではFortniteはどのようにして競技種目として入り込んだか?

 

それはゲームモードの一つを利用して、「的当て射撃」とフォートナイト特有の「建築システム」を活かして冬季競技の「バイアスロン」のようなタイムアタックを競技として採用したのだ。

 

www.youtube.com

 

なるほど、これなら人は打たない。

そして既に存在する競技の亜種として受け入れられるというわけである。

 

今回のeスポーツオリンピックの競技選定として、どうしても人気があるゲームタイトルを入れたかった主催側の思惑と合致した最も素晴らしい実施例だったように思える。



さて、一方開催国利益についてはどうだろう?

 

特徴的だったのはまず、各競技において開催国推薦枠が用意されていた事である。

 

これは地元の方にチケットを購入してもらうためにも当然の施策であろうし、オリンピックに限らず開催国特権として多くの大会で採用されている制度であろう。



そして重要なのが開催国特有の種目である。

 

例えば2021年に開催された東京オリンピックであれば、野球が種目として復活したり、空手が行われたりした。

 

まず目立ったのがバーチャルテコンドー。後述もするが、VRゲームは恐らく今後eスポーツオリンピックを開催していく上で切っても切れない関係になっていくであろうと推測している。

 

と、なると使用機器が重要になってくるが、今回はいずれも中国メーカーのPICO4を採用していた。

 

VRゲームに明るい人なら「なんで???」となるだろうし、まぁ何となく理由は想像がつくと思う。

 

そして、オリンピックに突然合わせたように登場したゲーム「Tic-Tac-Bow」の運営はどうやらシンガポールのゲーム企業のようである。

 

こちらもコンペか何かで決められたと噂話が聞こえてきており、自国のゲーム産業の発展を利益として考慮しているようだ。

 

 

上述のような利害が一致するのは、連続で「Gamers8」という大規模大会を開催している中東諸国ではないかと推測している。

 

サッカーのワールドカップと同様にeスポーツ界隈にもオイルマネーは流れてくるのかもしれない。

(ただし、eスポーツオリンピック開催の優先権はオリンピック開催都市が持っているという噂話も聞こえてきている)



④ゲーム会社が提唱する『eスポーツ』

 

ゲーム会社が営利企業である以上は、必ず自社の利益になる事が前提の活動となってくる。

 

最も代表的な例はValve社が舵取りを行っている「Dota2」における大イベント「The International」である。

 

これまでの史上最高賞金額が約30億円と、一般人の金銭的価値観を煽る上で最も擦られ倒したこのイベントのカラクリは、ゲーム中で販売するバトルパスの全売上のなんと25%を大会賞金に当てている点である。

 

どの会社も同じ仕組みでやったら良いじゃないかと思うかもしれないが、そうはいかない。

 

Valve社は独自の決済システムを持ち合わせているから出来る事であり、例えばGoogleやアップル経由で提供されているゲームでは手数料で大部分が持っていかれる関係でこうはいかない。

 

同様のスキームを日本企業で実現可能なのは任天堂ソニーくらいなものだとは思うが、同様にやるメリットが特に無いというのが実態だろう。

 

Dota2程の高額賞金は出していないものの、Riot Gamesも派手な世界大会を行う施策を取っている。

ゲームの宣伝と運営を兼ねたこのスキームは生き残っていくだろう。



⑤『eスポーツ』とはどういうゲームになっていくのか?

 

またよく分からないテーマだと思うが、この概念は割と最近浮上してきたテーマだと思う。

 

私は古今東西様々なゲームをしてきた中で、ゲームをeスポーツという観点で見ると大きく3分類に分けられると考えるようになった。

 

①そのゲーム特有のルール・システムを持っている主に精神的疲労を伴うゲーム

②現実のゲームに則したルール・システムを持っている主に精神的疲労を伴うゲーム

③主に肉体的な疲労を伴うゲーム



①はそれこそFPS格闘ゲームである。現実に無いスキルや必殺技を駆使しつつハイスピードに試合は進んでいくような競技だ。

 

コンピューターゲーム文化の誕生と共に醸成されてきた文化であり、こういった典型的なゲームを無理やりeスポーツと言い換えているのが現状である。

 

一方、世間一般でスポーツという言葉を考える時、③であればそれはeスポーツであると受け入れられやすいような競技もある。

 

今回のeスポーツオリンピックで言うと「Zwift」がまさに③にあたる。

コロナ禍で各競技の大会の開催が難しくなった2020年はZwiftでバーチャルツールドフランスが開催されたくらいだ。

 

www.cyclesports.jp



では②は何を指すのか?

 

早い話がシュミレーションゲームとしての側面があるゲームの事である。

 

以前このような考え方が無かったのはゲームを競技として楽しんでいる私でさえ「ゲームは所詮ゲーム」という認識だったからに他ならない。

 

ゲームにおいて得られるデータ解析能力やメンタルコントロール能力が他の分野にも活かせるからゲームが有用なだけであって、例えばパワプロがいくら上手かろうと野球が上手いわけではないという認識だ。

 

ルールを学んだりは出来るかもしれないが、試合巧者は結局ゲームが上手いおじさんであるという範囲は出なかった。

 

しかし、オリンピックで出会ったセーリングゲーム「バーチャルレガッタ」は少し概念が異なった。

 

jvric.gamewiki.jp

 

実際のセーリングのルールに基づいて風の動き、波の立ち具合、位置取りやペナルティの再現等ほぼできており、セーリングという金銭的にも土地的にも季節的にもコンスタントに実施して試行錯誤するのが難しい競技において、経験を詰むための教育的ソフトウェアとして機能しているように見えた。

 

実際に2008年~2009年に開催された実際の世界一周と連動したバーチャル世界一週レースでは、実際の記録と36時間しか差異が無い85日と19時間という記録を叩き出している。



また、実際にeスポーツオリンピックにおけるバーチャルレガッタのプレイヤーはスマホ(PC)ゲームの代表者にも関わらず全員がセーリングの選手であり、明らかに筋骨隆々で選手層が異なっていた。

 

話を聞くと、オフシーズンはこういったシミュレーションゲームに講じて戦略を練るとのことであった。

 

 

このように球技のようなローコストなゲームではなく、非常に高価なデバイスや土地の差や季節等、練習のために何らかの大きな障害があるゲーム程こういう教育的な側面を求めているのかもしれない。

 

このような方向性はスポーツとは全く異なるが、「PC Building Simulator」、「Farming Simulator」や「フライス盤シミュレーター」のような実業に基づいたようなシミュレーター系ゲームとして登場する事が多い。

 

store.steampowered.com

 

バーチャルレガッタは私の認識ではまさに「セーリングシミュレーター」であり、真の意味でeスポーツなのかもしれないと思い知らされた。



また、③のZwiftのような実際の運動を伴うゲームというのは現状かなり数が少ない。

 

何故なら身体に負荷をかけようと、必ずバネ的な構造を持つ何かやギア構造、あるいはおもりが必要になり、複雑な制御も必要になってくるのでデバイスが高価に、大きくなりがちである。

 

実際にeスポーツオリンピック内に展示されていたカヌーやカヤックのゲームはバカでかく、欧米の家にしか絶対置けないような代物であった。

 

しかし、そこで登場したのがVR機器である。

 

それでも部屋の広さは中々必要であるが、何より初期投資が少ないというのが良い。

 

競技となっていたバーチャルテコンドー以外にもバーチャル卓球等はすぐにでも競技化出来る状態に見えたので今後eスポーツとVRというのは拡大していく上でも切っても切れない関係性になっていくと推測している。



⑥「ご当地eスポーツ」という概念

 

都会の人達は全くご存知無いかもしれないが、「ご当地スポーツ」という概念は日本国内にも広く存在している。

 

有名なのは高校野球の聖地は甲子園であるし、高校ラグビーの聖地は花園である。

 

ただ、マイナースポーツのご当地スポーツという概念は観光資源にもなったりするので、全国の各自治体が名乗りまくってるのが実態である。

 

またその争奪戦に嫌気がさしたのか、各自治体は「ゆるスポーツ」と名付けて新たな遊びを根付かせようという動きもある。



逆に言えばこの「ご当地スポーツ」という概念は有用であるという概念が既に地域に存在している。

 

そこを上手くブランディング出来ていると感じるのは富山eスポーツ協会だ。

2020年の「Toyama Gaming Day」というイベントで開かれた「カニノケンカ」というカニ同士が戦い合う大迫力トンチキ対戦ゲームの大会開催を境に「カニノケンカ」を老若男女集う場所で擦りまくっている。

 

esportsjapan.fan

 

ちなみに「カニノケンカ」の製作者であるぬっそ氏がカニノケンカの大会史をまとめているのでご確認いただきたい。

 

マジで擦りまくっている。

 

note.com



そして何より、景品は毎回のように富山のご当地のカニ

 

地域性とゲームの相性を組み合わせたまさにご当地タイトルを発掘した形だ。

 

大会が開催されている模様は毎回のように子供たちがシャカリキに笑い、飛び跳ね、最終的に親御さんもカニをゲット出来て笑顔という何とも良い感じで回っているように見える。

 

流石に開催費用までペイ出来るような形式まで持って行くのは難しいだろうが、大型ショッピングモール等との相性はかなり良いように見える。

 

 



この作戦の利点は、何といっても作品使用料やデバイスへの投資を圧倒的に低コストに出来るという事だと考えられる。

 

昨今はゲーム会社もライセンスビジネスの土壌が拡がっていて、趣味でやっている個人はともかく、自治体や企業がメジャータイトルを使用すると莫大な金銭が発生する。

 

一方でインディーゲームは、言い方は悪いが宣伝効果を人質に取ったような交渉がしやすい。

 

この他、富山県eスポーツ協会はこの他も富山県出身選手を擁するeスポーツチーム『Burning Core』の事務所を誘致する事で本気で「ご当地eスポーツ」作戦を敢行しているように見える。

 

news.yahoo.co.jp

 

恐らくモデルケースの一つとなるので今後の動向も見守っていきたい。



⑦「生涯eスポーツ」あるいは「障がい者eスポーツ」という取り組み

 

「eスポーツはパラリンピックとしてやるべきではないか?」という意見があるが、私自身は全くその通りだと思っている。

 

それほどに玉石混合な老若男女が混じって競える物事がほとんどを占めると思うし、何よりベテランと若手という構図は必ずドラマを産む。

 

海外や国内でもシニアeスポーツチームが発足している事例もあるし、大体ニュースとなる。やはりそこにドラマを感じるからだと思われる。

 

matagi-snps.com



また、既に障がい者eスポーツの枠は広まってきており、先日は徳島県で「ぷよぷよ」をタイトルとして全国大会が開催されている。

 

www.pref.tokushima.lg.jp

 

ぷよぷよ自体もゲーム内に色覚多様性に対する対策を付与するなどバリアフリー化に努めており、推進を進めているようだ。

 

game.watch.impress.co.jp



ストリートファイターも「サウンドアクセシビリティ」という視覚障がい者向けのシステムを搭載してきた際は流石にどうかと思ったが、今年のEVO2023に早速盲目のプレイヤーが現れて活躍していたのは記憶に新しい。

 

 

老人ホームにも段々と「インベーダーゲーム」の時代の人から「ファミコン」の時代の人が入居し始める時代を迎えており、生涯eスポーツという動きもこれから活性化していくことに期待してる。

 

老人になった時に遊び場があると良いので。

eスポーツオリンピックにバックアップで呼ばれたものの、結局出た話

結局出ました。

 

eスポーツはオリンピックも頑固一徹ポーズ

 

ハイライトはこちら

 

www.youtube.com

 

前回の記事はこちら

mekasue.hatenablog.com

 

一体何があったのか

上記の前回の記事を書いたのが出発前の日曜日。

 

月曜日は朝だけ仕事の整理をして、午後から休暇を取って地元の空港へと向かった。

 

羽田発の深夜便だったので、夜20時くらいに空港で待ってる最中に突如Tic-Tac-Bow公式Discordに貼られたのが以下の画像である

 

何故か名前がある

 

名前があるが???

 

 

全く「正式選手に昇格しました!」とかいう何の連絡も無く、突然送られてきた出所が不明なこの画像と付属されてたメッセージを見る限りどうやら僕は出場することになったらしい。

 

オタク一般人からオリンピアンに昇格した瞬間である。

 

メンバーを見るに、恐らくゲームの予選以外の実際のアーチェリー選手の招待選手枠が1名空いたようであった。

 

Tic-Tac-Bow超人達に恐れをなしたのか、そもそも普通にアーチェリーの試合日程が忙しかったのか…真実は誰も知らない。

 

 

シンガポールに向かう

 

一応旅慣れてはいるので、早朝にシンガポールに着き、simカードを買い、スイスイとホテルまで到着

 

今回の会場はSwisshotell the Stanfordという所だったのだけど、普通に宿泊すると、繁忙期もあってか6万円くらいは平気でするホテルだ

 

部屋。ベッドもだけど枕がめちゃくちゃ良かった。


ホテル6泊とシンガポールまでの航空機が今回無料なので…

 

なんと一人あたり約50万円程度は補助してくれている計算となる。

 

それを各選手ということになるので、IOCの本気度がまずまず伺える 

 

ちなみに同じ日本から来る象先輩は私より早く航空機をブッキングされたおかげか、夜にシンガポールに到着する便で招待されており、1泊分と朝食バイキング1回分さらに得していた。

 

 

私はというと、朝飯が無かったので周辺と道を確認がてら、会場となるサンテックシティの展示場に行くことにした。

 

ちなみにサンテックシティはショッピングモールで、国際展示場が併設された形になっている。

 

会場のサンテックシティ

 

コンベンションセンターの大画面モニター

 

中に入ると、なんか田舎のイオンで見た事のあるような垂れ幕が下がっていた。

 

正直シンガポールに来た時点でも「本当にやるのか?」と疑問だったのだが、ここに来て「どうやら本当にやるらしい」と実感した。

 

サンテックの中が日本の店に浸食されてたので余計にイオンに見える

 

選手がやること、やらされたこと

 

6/20(火)は飛行機であまり寝れなかったので2時間程度の仮眠をした後、選手の写真撮影に呼び出されることになった。

 

今回の「オリンピックeスポーツシリーズ(OES)」は当然「オリンピック」であるので、スポンサー周りの制約はバチクソ厳しい。

 

当然服装も例外では無く、基本的にノーロゴでダークにまとめる指定があった。

 

しかし、出場するか一切分からなかったこともあり、適当に読み飛ばして荷物をまとめてたので、黒のズボンを完全に忘れてしまって買いに走るハメになってしまった。

 

そんな中、完全に日本企業に浸食されたサンテックシティに当然のように出店していたユニクロ

 

サンキューユニクロ…ポロシャツは日本と同じ値段なのに感動パンツは日本の1.6倍くらい高かったユニクロサンキュー

 

 

写真撮影の後はまた周辺散策して、Tic-Tac-Bow参加者の食事会へ参加。

 

事前に少し調べてはいたけれども、Tic-Tac-Bow超人達は基本的にシューターゲームの達人ばかりで、CSGOの猛者やHALO2の元プロ等で構成されていた。

 

唯一謎だった中国系アメリカ人も某ゲーム会社の社員であり、筋金入りのゲーマーが残っていたようだった。

 

 

翌日の21日(水)は朝から非常にハードスケジュールであった。

 

リハーサルのため、8時15分には集合。

この時に初めて舞台を見てIOCの本気さを見ることになる。

 

ドドーン

 

会場のセッティング

 

昼飯の弁当込みで14時までガッツリ拘束された後に、会場で解放された練習用ルームに籠って練習した。

 

18時頃からはオープニングセレモニーのリハーサルで、ここで初めて参加選手の顔ぶれを見る事になる。

 

今大会の競技は

・サイクリング(Zwift)

・アーチェリー(Tic-Tac-Bow)

セーリング(バーチャルレガッタ)

・ダンス(Just Dance)

・野球(パワプロ)

・チェス

・テニス(Tennis clash)

・射撃(Fortnite)

モータースポーツ(GT)

・テコンドー(バーチャルテコンドー)

 

の10種目であるのだが、明らかにプレイヤーの層が異なったのが印象的だった。

 

サイクリングやダンスは完全にアクティブなゲームなので当然であるが、スマホゲーム枠であるセーリングが全員屈強な男・女たちで構成されており、中にはRedBullアスリートも含まれていた。

 

話を聞くと、事前情報通りセーリングの訓練の一環として当該のゲームを使用する関係でそうなっているらしい。

 

若いのは当然であるが、射撃。

そしてテコンドーも訓練に使用されているのか、非常に若い女の子達が多く、北欧系の女性もいた。

 

我々アーチェリーはこれまた不思議で、異常に平均身長が高かった。

 

他の競技の平均身長が170cm程度である一方で、178cmある私が背の順でかなり前という異常さで、平均185cm程度あったかもしれない。

これは本当に何故か分からないので今後注目したい。

 

後、チェスのプレイヤーは全員遠目で見ても頭が良さそうで特定出来るのも面白いポイントだった。

 

 

その後、20時からはなんとWADA(世界アンチドーピング機構)とITA(国際検査機関)によるアンチドーピング講座を受ける事になった。

 

1時間半に渡って大真面目な講義を受けたのだが、参加者の眠気防止か質疑応答制になっており、いい感じに返答したらITAの帽子を記念にもらえるというシステムになっていて非常に良かった。

 

ただ、さすがに高速の会話のキャッチボールに入るのは難しく…手に入れられなかったのが非常に悔しかった。

 

講習中にも講師が言っていたが、恐らくeスポーツで本格的にITAが出てくるような事は稀で、今回の案件は歴史的にも非常に重要であると思われる。

 

それこそ上述したように、例えばマラソンと短距離では必要となる要素が全く異なるように、各競技参加者の体格が明らかに異なっていたのが印象的だっただけに、色々やってほしいところである。

 

ドーピング検査受けれないかな~~~と思っていたが、結局は来ず。

基本的に金メダルの人とかがやるのだと思うが…

 

 

そして大会前日の22日(木)は非常にありがたいことに夕方からのオープニングセレモニーを除いてほぼ予定が無く、オフの日程であった。

 

本当にこれがありがたく、ゆっくり休んで直前の練習に打ち込む事が出来た。

この辺はオリンピックホスピタリティだと感じた。

 

夕方はオープニングセレモニーへ参加

 

IOCのバーチャルバッハ会長とシンガポールのバーチャルヤコブ大統領が出てきた時は非常に笑ったが、全体的に「あぁオリンピックだ」という"らしい"セレモニーだったと思う。

 

olympics.com

 

流れで会場のプレオープンと、レセプションパーティーに参加してこの日は就寝

 

デザートがめちゃくちゃ美味かった。威信がかかってる味。

 

試合へ

 

結果は動画が残っているので多くは語らないで良いかもしれない。

 

服装チェックや荷物チェックを受け本番へ。

 

各プレイヤーはそれぞれ独自の攻略をしているため改めて整理にいそしむ中、印象的だったのは全射撃パターンを印刷してきたこの男である。

 

Tic-Tac-Bow界の乾貞治

 

自分のスマホは没収されてしまうため、アナログでデータを全て持ち込む男。

eスポーツをアナログで解決するその準備に思わず唸った。

 

 

私はといえば、結果振るわず最初のリーグ戦で1勝3敗で敗退としてしまった。

 

残念ながらTic-Tac-Bowモンスター達の牙城を崩す事は出来なかったが、良い勝負はする事が出来て非常に満足している。

 

 

まだ土日と開催されるオリンピックeスポーツシリーズ

 

興味がある競技があったら是非見ていただきたいし、もし次回開催されることがあったら是非参加を目指してもらいたい。

 

面白かった。来て良かったです。

 

olympics.com

 

 

余談:オリンピックを超えた男

とりあえずこのブログはこの辺で綺麗に〆ておこうと思う。

 

基本的に我々は招待選手である故に綺麗な事しか言えないので、完全にラインの上でのタップダンスは今回ちょもす氏が肩代わりしてくれている。

 

ちょもす氏の日本代表応援放送は、ミラー配信でもないのに何故かオリンピック公式チャンネルの視聴数を上回るという快挙を達成したが、これを上述の本放送と同時に見ればTic-Tac-Bowを100万倍楽しめる納得の内容となっていた。

 

私がこのブログで語るには難しすぎる内容を綺麗にまとめてくれており、事前知識無しでも大丈夫だ。

(ちょもす氏のブログを事前に読んでたら更に10倍面白いけども)

 

note.com

 

 

その中でこんなコメントがあった。

 

印象的なコメント

 

これに対してちょもす氏が即答した「ゲームの面白さとは人なんです。」という発言はその通りだと思う。

 

このゲームは優勝したMontyDeyの凄さが出てたし、Dchanの努力がそれに肉薄した。

そして主役は象先輩だった。

 

 

 

それではこの辺で。

 

表で喋れない面白い話はVRChatで致しますのでまたお会いしましょう。

35歳の田舎のサラリーマン、eスポーツオリンピックに招待される。

ことのはじまり

 

皆さん、「オリンピックeスポーツウィーク(OEW)」というイベントはご存知だろうか?

 

身の回りの人50人ぐらいには聞いた気がするが、認知度は驚きの0%だった。

 

今年の3月頃に突然前触れも無くホームページの公開と共に突然発表された上に、今のところ特に主要メディアも取り上げているわけではないので仕方が無い話ではある。

 

ザクっと言えば「IOC(国際オリンピック委員会)直下で開催されるオリンピックと名がつく大々的に行われる第1回大会」という認識で良いっぽい

(アジアオリンピック委員会直下では既にある)

 

olympics.com

 

一方で、よく遊ぶインターネットのオタク達の認知度は50%くらいはあった。

 

原因はちょもす氏が書いた以下のブログである。

 

note.com

 

性格がねじ曲がってしまったまま大人になってしまった我々は、突然発表された「オリンピック」という世間一般的には権威のあるワードに惹かれ、その中で唯一勝ち目のある「Tic-Tac-Bow」というゲームの攻略を開始したわけである。

 

予選までの3ヵ月に色々な事件が発生し、その内容については同様にちょもす氏が面白おかしくレポートにしてくれている。

 

特に完結編の「無職33歳男性が、三か月間eスポーツでオリンピックを目指してみた結果」というブログは、涙無くては語れない内容になっている。

(このブログのタイトルの元ネタもこれである)

 

特におじさんが面白フラッシュ倉庫になっていた事が判明した瞬間は腹を抱えて転げ回った。

 

note.com

 

 

僕はこの際の攻略メンバーの一人として帯同しており、「誰か一人をオリンピックに送り込む」という目標をモチベーションとして活動していた。

 

もっと言うと突然知り合いの誰かが「オリンピアンです」と語り始めたら絶対に面白いと思ったし、「オリンピアン」で検索をかけたら出てくる日本オリンピアンズ協会の人間になったら更に面白いと思ったというのもあった。

 

ちなみにオリンピアンズ協会の入会特典として、葬式の時に何故か五輪旗が送られてくるという特典がある。

 

日本オリンピアンズ協会 入会特典

 

 

www.oaj.jp

 

一次予選がゲーム内ランキングTop32にランクイン。

二次予選が土日の22時~朝4時までのトーナメントでTop6が招待というルールで争った。

 

私自身は健闘したものの、7位タイと惜しくも敗退してしまった。

 

しかし、ゲーミングチーム『魚群』所属の象先輩が予選会を潜り抜け、当初の目標を達成できたし、めでたしめでたし…

 

 

と思いきや、後日にゲームの運営チームから私に1通のダイレクトメッセージが届いた。

 

召集令状

通常のゲームイベントではまず存在しないシステムであるが、オリンピックという大会には「バックアップメンバー」という制度が存在するようだ。

 

参加候補者が大会のかなり前で決まってしまう関係で、怪我による離脱というのは頻繁にある事であり、リスクを減らす施策をする文化であるらしい。

 

とりあえず私は二つ返事で「良いよ!」と返答をした。

理由として以下の2点が考えられたからだ。

 

①そもそもゲーマーがケガするリスクなんてほとんど無いし、考えられる事と言えばコロナ等の体調不良くらいであろうと考えられた。

 

②Tic-Tac-Bowの予選大会も世界規模でオンラインで行われたが、ゲームルール的にシビアなシステム同期が必要無く、自宅から十分参加可能なため、大会当日だけ休暇を取れば問題無いと考えられた。

 

なので、バックアップ選手登録と同時に「当日だけ休暇を取って、自宅にいるという流れで良いか?」と問い合わせしていたのだが…

 

その一週間後に驚きのメールが到着する。

 

 

「フライトスケジュールはこれで良いか?」

 

 

まさか俺は突然シンガポールに行く事になるのか???

そもそも会社休める???

 

 

安請け合いしたばかりに突然諸々の整理が始まる事になった。

 

 

・特別休暇を取れるのか

 

学生であっても社会人であってもこれは非常に気になる所であろうと思う。

 

一流のアスリートであるならば幼少期からこの辺楽勝だろうが、田舎の会社員が突然IOCに招集されるというケースは恐らく歴史上稀だし、本格的に社会がeスポーツで呼び出しをするというのもこれからだと思うのでメモしておく。

 

 

色々な所に聞いた限りでは、会社なり学校なりが特別休暇を出す大前提の条件として、団体のトップ宛への招集願いが必要となる。

 

この辺は恐らく野球やサッカーの日本代表でも同じ理屈である。

 

国体等においても、例えばレフェリー等で招集されるパターンの人もいるようで、主催団体は毎回出しているらしい。

 

つまり、例えば通常のオリンピックの場合、日本のオリンピック委員会(JOC)が招集状を発行しているし、特定の競技の全国大会等だと、その競技の協会から発行するのが定例のようだ。

 

では、今回の場合は…というとJOCJeSU(日本eスポーツ連盟)も大会には関与していないため、主催のIOCに直接発行をお願いしないといけないわけだ。

 

ただ、招集状が発行されたとしても、その活動が所属団体の方針に則しているかが休暇発行の基準となるので、今のところ理解の無い企業は「オリンピック」等の強いワードで押し込むしか無いようだし、学校から許諾を取るのはなかなかに難しい事になるのかもしれない。

 

そんなこんなで今回は主催側も第一回ということで非常にバタバタしているのが透けて見えており、会社の説得も面倒くさいので堂々と有休休暇をぶっ放す事にした。

 

 

・僕は何をすべきか

 

上述の通り、予定は開けたわけだけども、正直私が本当にバックアップ要員から格上げされて競技に参加する可能性は10%に満たないと考えている。

 

そんなよく分からない人間に航空機代とホテル代を出してくれるっぽいのは大変申し訳無いので、可能な限りのレポートをブログに書く事で少しでも貢献してるスタンスを出すことに決めた。

(放送部分等以外の活動は自由にSNS等に書いて良い。むしろ推奨しているという文章が昨日丁度届いた。)

 

と、いうわけで来週の6月23日~25日にシンガポールで開催される「オリンピックeスポーツウィーク」のレポートをボチボチ書いていく。

 

 

・個人的な注目競技

 

 

TVerで見れる「激論サミット」という番組でeスポーツ議論がされており、その中でオリンピックeスポーツシリーズにも触れられていた。

 

その中で『主な競技』として紹介されている8競技が上記の競技であるが、実際に行われる予定なのは10競技だ

 

つまり2競技が完全に「マイナースポーツ」としてハブられていた。

 

放送予定(シンガポールの時間なので時差+1時間)

 

この内の1競技は参加予定であるアーチェリー「Tic-Tac-Bow」に関しては正直当然の扱いだとは思う。

ちょもす氏のブログで語られているところもあるが、何しろ歴史が圧倒的に浅い。

 

 

ではハブられたもう一つの競技、セイリング競技の「Virtual Regatta」はご存じだろうか。

 

これは私も調べるまで知らなかったのだが、2006年の太古のインターネットから存在する実際のレースと同じルート、同じ気象状況がゲーム内のステータスと連動する全くイカレたゲームの簡易版(インショア版)である。

(簡易版は1試合10分程度のようだ)

 

play.google.com

 

過去、実際の気象と連動するオフショア版では、世界一周レースと連動して実施された末に約87日間の競争の末に勝敗が争われた記録が残っており、筋金入りのeスポーツの血筋を引いているサラブレッド的競技のようだ。

 

テレビ制作会社はこのような歴史を知らずに作ったのだろう。勉強しよう。

 

 

後、割と注目しているのがベタであるが、パワプロ(野球)である。

 

「大会を通して同じ投手を先発として起用できない」というルールがあるのだが、

 

「適当な投手を先発させて即申告敬遠をした後にお目当ての投手に交代させ、ノーアウト1塁からゲームを始める」という「第二先発」というシステムが駆使される新時代の「eBASEBALL」はなかなかに熱い。

 

www.youtube.com

 

 

それではまた現地で情報発信していこうと思います。

 

フリー素材のシンガポール

 

はじめて遊んだLoLで、全162キャラから持ちキャラを探した話

昨日「キャラ選択学入門」という記事を書いたのだけど、そもそもこの話を書いたのは今年の5月頃に「League of Legends(LoL)」を始めた際に極めて複雑なキャラ選択を強いられた際に1回考えを整理しとこうと考えたからである。

 

mekasue.hatenablog.com

 

そして「キャラ選択学入門」という記事には「キャラ選びは手段なのだから、ぼんやりとでも目的を先に設定してからキャラを選べ。ただし、キャラに一目ぼれしたりして選ぶ事が目的になった場合は別」という話を書いた。

 

今回の記事は、2009年のサービス開始から13年、キャラ総数にして2022年12月現在で162キャラを有するLoLというゲームにおいて、各フェーズで目的を設定してキャラ選択を実践してみた記録を残そうと思う。



〇ゲームを始める前の準備

 

今更LoLを始めた理由は先に貼った「老後のゲームをはじめる」という記事に色々書いたので割愛する。

 

 

note.com

 

 

まず最初に設定した目標は「ゲームルールを理解する」である。

 

単純な目標のように見えるが、新規ゲームならともかく13年の歳月で熟成されたゲームのルールは例外なく「知ってて当たり前」が白亜紀の地層のように、幾重にも積もりに積もったゲーム性をしている。

 

ルールやお約束を知るための動画等を漁ると共に、質問する友人を一人ほぼ固定で固めた。

実際には何人かに聞くのだけど、結局は導き出す答えが近そうな人に聞く事が多かった。

 

なお、参考にした動画やサイトは以下の通りである。

www.youtube.com

動画はかなり色々見たが、謎な決まり事の理由なんかはこの動画が良かった

 

 

www.op.gg

困ったらこれを見る統計解析サイト

 

www.leagueofgraphs.com

OPGGと並ぶ統計解析サイト。より詳しいところまで確認できる

 

 

特にLoLは「Top, Mid, Botの3つのレーンと中立地帯のジャングルの4箇所において戦うチームゲームで、Botレーンだけは2on2で行う」という基本ルールにおいて「何故Botは二人で、Topに二人は適切ではないのか」「Topレーン適性とMidレーン適性は同義ではないのか?」「Jgは基本的に1人なのは何故か?」等の真っ先に出てくるであろう謎も網羅されていて良かった。

 

また、友人には戦法が考えられては駆逐されていった歴史についても聞く事が出来た。



〇最初に取り組むキャラを決める

 

ルールを把握したら次はキャラを選んで実践するフェーズに入る。

 

ただ、162種類もいるキャラの性能等全く知る由も無いので、しびらさんのTFT配信で見て知っていた「ヨネ」をとりあえず最初にピックした。

 

 

LoLの場合、先に書いたキャラのレーン適性の問題があるため、ヨネが頻繁に使用されるMidレーンでゲームの流れを体験する事から始めた。

 

何戦かプレイしつつ、動画を確認して分かったのは以下の通りである。

 

・ジャングルが上下から攻めてくるタイミングが全く分からない。(ワードを置いたら良い方向が分からない)

・マップを見る余裕がほとんど無い。

・Mid対面において、頻繁に出てくる遠距離攻撃キャラを相手にするのがかなり厳しい。

 

特に厳しいと感じた相手は「ゼド」であった。

 

ゼドをはじめとした瞬間的な火力が出るアサシンに分類されるキャラはいずれも初心者の壁として君臨する。

 

通常攻撃(AA)こそ近接型であるものの、とめどなく飛んでくる手裏剣を避けられないと序盤から体力を一気に削られてしまう。

 

ヨネもアサシンであるものの、技量の差から体力を保つ事ができず、相手に食い物にされてしまう(フィード)という試合が続いた

 

対面したチャンピオンの情報と見比べる中でも、最初に選んだヨネは比較的シンプルとは考えられたものの、更にシンプルなキャラがいれば「ゲームのルールを理解する」には好ましいと考えられた。



結果、次に登用されたのがLoLにおいてシンプルさでは頂点を誇る「ガレン」である。

 

 

ガレン自体はスキルセットが全キャラ中最もシンプルな上に、体力を自動で回復するスキル(サステイン)がある。

 

試合の中で体力を保てる場面が増え、何よりアサシンに大して基本的に優位に戦える。

一方で遠距離攻撃キャラにはキツいが、耐えてさえいればフィードする事は免れる事が出来た。



こうしてゲームを崩壊させる確率を劇的に下げつつ、ゲームの流れを観察する余裕を産んで「ゲームのルールを理解する」という目的は徐々に達成出来てきたものの、そうするとまた別の問題点が表れた。



・相手ジャングルの動きはそもそもジャングルレーンの基本を理解しない事には理解出来ない。そしてそれはかなり複雑である。

・フィードはしなくなったが、対面に勝つ事は出来ない。

・対面を放置してしまうと、予想以上に他のレーンに負担をかけてしまっている事に気付く。

・中盤以降は、レーンに勝てていないと基本的にスプリットプッシュの構えになるが、そこでも1vs1で勝てない。



ガレンを使用してる中、一度一緒にプレイしてた人から「そんなキャラじゃなくて1回アーリを使え」と言われ、その当時は目的の達成には不向きであると却下したが、今であれば理由は何となく分かる。

 

一般的には「アーリはMidレーンの基礎を学べるキャラ」という言説であり、実際に攻め・逃げ・相手の妨害と様々なシーンで活躍出来るため、その通りなのだと思う。

 

が、やはりマナの管理という追加のリソース管理が必要になってきたり、自分の射程範囲を意識しなければならない点やサステインが無いからHPもきちんとリソース管理しなければならない点等、最終的には間違いなく必要になるだろうが、最初からそんなに同時に意識は割けない。

 

「Midレーナーとして鍛えるキャラ」としては適切だとは思うが、「ゲームのルールを理解する」という目的には適さない。



また、特筆すべきはアーリは非常に強力な行動不能攻撃であるチャームのスキルを持つ点だと思われる。

レーンにいくら負けようが、中盤~終盤は相手にチャームさえ当てれば一定の仕事は出来てしまうのだ。

 

だから、目的を伝えた上でなお「アーリを使った方が良い」というアドバイスが来る場合は「試合には勝ちたいから、序盤負けても腐らないキャラを使ってくれ」というメッセージだと理解した。



さて、少し話はズレてしまったが、段々ゲームのルールを理解出来てきたものの、それらを意識しながら対面と戦うにはまだ情報量が多すぎると感じるに至った。

 

最もシンプルなキャラを使ってるにも関わらずこの状況であるので次に考える事は…そう、レーン移動である。

 

Botレーンは2on2で情報過多であるし、ジャングルレーンはゲーム全体のルール把握が必要だと思い知った。

 

と、いう事で孤立の地、Topレーンへの異動が最も好ましいと考えられた。



〇Topレーンに移動する。

 

Topレーンに移動すればかなりの作業から解放される。

 

・Midだと上下見る必要のあったレーンが一方向だけで済む。

・ジャングルの襲撃ルートがある程度決まってるので、注意する時間が分かりやすい。

・序盤は相手を睨んどけばドラゴンに寄らなくて良い。

 

早い話がMidの作業量が1/2になる。

 

その代わり

 

・レーンの長さが長いので高密度な1vs1を行わなければならない。

・ジャングルの介入の余地が少ない分、レーンコントロールがMid以上に重要になりがち。

 

等々、別の仕事は付与される。

 

しかしながら当初の目的においてレーンコントロール能力の獲得も目的の一つであるので、そちらに集中出来る環境はむしろプラスえあった。



そうしてガレンをはじめ、ダリウスやフィオラ等よく見るキャラを触って試す中、とんでもないボロ負けを経験させられる。



「イラオイ」の登場である。

 

 

LoLをプレイしている諸氏は顔を見ただけで苦い顔をするかもしれない、あまりにレーン戦が強すぎる「レーン番長」と呼ばれるキャラの一人である。

 

序盤・中盤から一部キャラに対して圧倒的な制圧力をほこり、そのままスノーボールしてゲームを畳んでしまえる。

 

当然深い所まではまだまだ理解出来ていないが、「ゲームを成立させる」という意味で「ゲームルールを理解する」という目的が8割方達成され、そろそろ「対面に勝てるようになる」という目標に切り替えようとしていた矢先に飛んできたイラオイは衝撃的であった。



実際に持ちキャラにするにしろしないにしろとりあえず次はイラオイを使う事にした。

 

ただ、やってる内に問題点が如実となる。

 

・そもそもレーンに勝つこと前提でデザインされてるので、序盤勝てないと当然終盤弱い

・相手の動きを止める攻撃がほぼ無く、対面の相性と理解度に大きく依存するキャラである。

・有利不利が極端である。相手を見てからピックするのは無類に強いが、完全ランダムのノーマルゲームでは悲惨な事になる可能性がある。

・相手ジャングルもイラオイは警戒するので明らかに序盤からの襲撃が増える。

 

そして最も大きな問題点として

 

・初心者の僕を味方のジャングルが助けても大した恩恵が無いので放置されがちである。

 

という点である。

 

そうするとイラオイというキャラは悪目立ちし過ぎており、確かに勝つ試合もボチボチ出たものの、安定感の欠片も無い状態となった。

 

イラオイを経験した事により、目的は「対面に勝てるようになる」から変更無く、キャラ選びの基準として「色んな相手に対応しつつ、目がつけられにくい」が追加された。



その中で選んだのは「トリンダメア」であった。

 

 

トリンダメアはMidレーナーとして運用される事が多く、遠距離攻撃のキャラにも対応出来る上に、優秀なサステイン能力と逃げ能力を備えたキャラクターである。

 

弱点は「ほぼダメージがAAしか無い」という点だけであるが、非常にシンプルな操作性で強みがハッキリしている。

 

何より襲撃された時に優秀な逃げスキルと、一定時間死ななくなるというあまりにぶっ壊れたウルトスキルを持つ事である。

 

ウルトスキルはガンク捌きにも使えるが、何より相手のタワー下での攻防の経験値を溜める事が出来た。



そうしてトリンダメアを結構な試合数使用して出てきた問題点は以下の通りである。

 

・相手のアイテム構成が真面目で、タンク気味にいかれるとメチャクチャきつい。

・相手が強いタイミングと自分が強いタイミングのバランスが分からず、攻め所が分からない。



前者はアイテムビルドの理解が進んできて、相手に何故負けるか?というのが理解出来てきた。その上で「アイテムやスキルの入手順を変える」等の対策の余地があまり無いと感じた。

 

後者は、トリンダメアは確かウルトスキルを覚えるLv6を先行出来れば異常に強いが、明らかに強いのはその一瞬だけであり、明確にどのタイミングが強いかを実感する事が出来なかった。

 

また、後者はキャラクターのスケール(強くなるタイミング)の仕方の問題も絡む。

 

この時点で野良でプレイするといった事や、いつもプレイしている所以外でプレイする事が増えており、その際にレイトスケールのキャラを選択してしまうと非常に空気が悪くなる事が多かった。

(野良だと本当にピンを炊かれまくるし、めちゃくちゃ暴言が飛んでくる)

 

かといって、上級者の試合と違って試合が長引きやすいのでそこそこ序盤が戦えて、レイトスケールが良いチャンピオンがベストだと感じた。

 

その時非常にずるく感じたキャラは「シヴァーナ」であった。

 

 

シヴァーナはLv5までは炎を飛ばすスキルや足が早くなるスキルでのらりくらりと過ごした後、Lv6からドラゴン状態になれるウルトスキルを使える。

 

そのスキル性能がかなりメチャクチャで、とりあえずLv6に順調に突入すればシヴァーナに勝てるキャラはほぼいないくらいであると考えられた。

 

その時期はLv6からみんなのウルトが強くなるLv11程度まで明確に維持できており、その間のタイミングでキルを取れれば順調にスケールしてスノーボール出来る性能もあった。

 

また、非常に耐久力のあるタンク系のキャラというのが良かった。

 

火力重視のキャラはその火力を効率良く延ばすために、かなりアイテムビルドが限られている印象を持った。

 

しかしながら、タンクは相手の構成やお金の勘定によってアイテムの積む順を考えながら、自分と相手のパワーバランスを考えながらゲームを進めるゲームメイクの経験値を積む事ができた。

 

このシヴァーナを選んだ時点で一旦Topレーンについては安定的な活躍が出来るようになった事で「ゲームのルールを理解し、対面に勝つ」という目標が達成された。

 

〇ランクマッチを考える

 

自信が持てたので、次の目標に進むことになる。

 

次に立てた目標は「ランクマッチに挑戦する」だ。

 

ここではじめてランクマッチに関する勉強をするのだが、LoLのランクマッチはTop、Mid、Bot、Jg、Supの5ロールから2ロールの希望を入れてエントリーし、バンピックを挟んだ上でゲームが開始される。

 

この時点で自信があるのがシヴァーナだけなので、キャラ適性のあるTopとJgにエントリーするのが妥当と思いきや、Jgに関して絶望的なまでに知識が足りてなかった。

 

Midはこれまでの経験から仕事は理解出来ていたので、TopとMidでのエントリーを目指すが、Midトリンダメアだけでは心もとない。

 

ここで初めて遠距離攻撃が豊富なMid適性のあるキャラを検討する事になる。

 

Midのキャラを始めるにあたっての選定ポイントは、改めてMidというポジションの勉強に挑戦するために、やはり出来るだけ簡素なキャラが好ましい。

 

また、キャラプールを広げられるという意味で「Topとも兼用出来るキャラ」であればなお良い。

 

と、なると選択肢はほぼ無くなり…

 

次に選んだキャラは「ランブル」となった。

 

 

このキャラもシンプルかつ、序盤の1vs1能力が非常に高い特徴があるが、丁度DFMのセロスさんが解説動画をあげてくれていたのが決め手にもなった。

 

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こうしてしばらくランブルを修練しながらランクマッチへ挑戦する事になるのである…



〇声優でキャラを齧ってみる。

 

ランクマ準備用にシヴァーナとランブルを準備していく中、いくつかあまりにもズルいキャラ達と対面する事になる。

 

具体的にはTopで明らかに遠距離キャラの動きをしてくる「ヴェイン」と「クイン」である。

 

 

スコスコにされた後、対策としてトレーニングモードを触ってると一つの事実に気付く。

 

シヴァーナ、そしてクインの声優さんが「ブレイブルー」というゲームをやってる時に使用していたバレットというキャラの声優さんである行成とあさんだったのだ。

 

これは一回声優繋がりでクインを練習してみるかとしばらく実戦投入してみたものの、惨敗をし続けてしまった。

 

…キャラ選択学の記事でも語ったが、気に入ったキャラと自分に合っているキャラは全くの別物である。

 

こういった経緯でクインの使用は諦める事にした。



〇ランクマッチを擦る

 

ランクマッチの振り分け戦を終え、ブロンズ4から始まったランクマであるが、順風満帆とは行かなかった。

 

レーン戦は別に大して負けないのであるが、シヴァーナというキャラには相手の足を止める攻撃が無く、味方のジャングラー頼りとなる。

 

意思疎通も難しいのに、そのせいかTopにジャングルが介入してくれる事が少なくなり、相手がセーフプレイを心がけてしまったら有利を拡げるのはかなり難しいと感じられた。

 

上手くいけばキャリーに入るものの、例えレーン戦を凌いでも事態が好転しないという事が頻繁に起こった。



さて、こうなれば次に考えるのは「野良でプレイする場合は、味方と意思疎通出来るように安易に行動不能させるための攻撃があるキャラを選ぼう」という事だ

 

真っ先に「レネクトン」あたりが思い浮かんだが、スケール的にはあまり良くなさそうに感じた。

 

「ナサス」だと序盤が弱すぎるし、「エイトロックス」や「ダリウス」だとかなり最初のバンピックでバンされたり、相手にピックされる可能性が非常に高くピックが安定しないと考えられた。

 

今考えると「モルデカイザー」か?となるが、当時は丁度リワークされて新しい姿になった「ウディア」というキャラが現れた。

 

 

基本スキルがほぼAA強化というシンプルさと、優秀なサステイン能力、そして敵に追い付けば絶対スタンさせれる優秀なスキルテーブルは私が考えていた条件を全て満たした。

 

そして何よりスキルの振り分けやアイテムの買い方によって物理攻撃重視のファイターから魔法攻撃重視のタンクまで幅広くビルドを選べる上に、相手のピックやビルド進行状況から逆算してビルドを進める方向を選べるという点が非常に良かった。

(他キャラを見てみても、ここまで自由度の高いキャラは他にいないのではないだろうか?)

 

こうして、目的に合うキャラを見つけた私は無事ウディアのワントリックポニー(1キャラしか使わない人)になるのでした…で終われば良かったが、話はもう少しだけ続く。



〇ランクをTop/Midで入れるのは間違えてると気付いた

 

こうしてウディアでランクマッチを擦り始める事になるのだが、確かにこれまでより更にレーン戦での負けは減り、ジャングルと連携出来ていると感じたものの、一向に試合の勝率は上がらなかった。

 

結局自分が育っても、相手がそれ以上の速度で育ってしまっては意味が無い事に気付いたのだ。

 

こうして立てた最後の目標は「ランクマッチでの勝率を上げる」である。

 

まぁLoLはマッチングの魔力で生半可な力が無ければ勝率50%に収束するという事は理解していたので気の持ちようだけなのかもしれないが…



とりあえずTop/Midでエントリーするのは意味が無いと感じた。

 

TopもMidも人気ロールなのでMidが設定される事はほぼ無い。

 

Topで弾かれてしまった場合、かなりの高確率で人気の無いSup役を割り振られてゲームが崩壊してしまう可能性が高い。

 

となると第二希望はJgで入れるのが現実的という結論に至った。

 

実際、Top/Jgでエントリーしたら、Top:Jg=5:5程度で割り振られる事になり、ほとんどSup等の他レーンに割り振られる事が無くなった。

 

そして、恐らくJgが全てのレーンに影響を与えやすい役割である事もプレイしていく内に理解した。

 

そんなこんなで最後の目標は「Top/Jgでランクを回す」になった。



〇Jgのキャラを考える

 

考えるまでもなく、「ウディア」である。

 

Topで鍛えたウディアはそもそも一般的にはJgで運用されており、評価もめちゃくちゃ高い。

 

使用率が高いという事は、動画を出してくれてる人も多いという事で、様々な動画で勉強する事が出来た。


また、事前に練習していたシヴァーナもTop/Jgの適性があるため、ウディアがバンされた際も安心して回す事ができた。

 

 

ウディアでランクマを本格的に始めたのがWorldsが始まった後くらいであり、短い期間で走る事にはなったが、結果として順調にブロンズ1までは登る事が出来た。

 

恐らくシルバーランクになる所までは問題無く進めるだろうと考えており、来年の目標は一旦そこで設定しようと思う。

 

Topウディア



Jgウディア

 

 

以上がLoLを始めるにあたり、キャラを選ぶ際に色々考えた記録となります。

 

非常に良い機会でしたが、楽しく色々検討出来たのは山口県の格ゲーLoLグループの助力が非常に大きかったと痛感してます。

 

最近LoLを始める方が増えてるという話もありますので、何かヒントになればと思います。