とある格闘ゲーマーが到達した人生の道しるべ ①プライド分散理論

生活を効率良くし、生きやすくなる理論をライフハックと言うならば、死なないための理論はなんと言うのだろう?

 

一般論として死ぬことは良くないのならば、より良い生き方を語る人は多いのに死なないための生き方を語る人がいないのは何故だろう?


現状を改善するという現象は必ずしもV字回復だけを指していない。


小さな水漏れがいずれ大きな事故を呼ぶのであれば、その小さな水漏れを止めるだけでも立派な改善である。

 

私は基本的に死んではならないという考え方自体が合っているとは思っていない。

 

生きている人だけが自殺に関するレビューを書いてて、実際に死んだ人が書いたレビューは無いのだから。

 

『生存バイアス』という言葉があるが、最も生存バイアスがかかっているのは『自殺』という行動であろう。


もし、現時点で「死んだ方がマシだ」と本気で思えるのであれば、それはそれで良いのだと思う。


しかし、遅かれ早かれ死ぬにもかかわらず、死にたくないのであれば何かしらの対策を立てなくてはならない。


私がこれまで見聞きしてきた内容を基に生きやすくはならないが死ににくくなるであろう理論をここに書き記す。

 

税金の話だとがそんなのではない。

 

考え方と挑み方の話である。

 

≪目次≫

第1章  プライド分散理論 ⇐この記事はココ
 第1節  プライドの定義
 第2節  現代日本におけるプライドの形成
 第3節  プライドの仮設
 第4節  現代日本でのプライド仮設の問題点
 第5節  プライド分散
 第6節  プライド分散のススメ

 

第2章 世界ランク理論
 第1節 自己分析 自我の目覚め
 第2節  自我の目覚めのプロセス
 第3節  世界ランク理論
 第4節  感性のキャリブレーション

 

第3章 シャブセックス理論 

 

第4章その他の理論について
⇒腐るほどあるから本人に聞きに来てくれ

 

 

第1章 プライド分散理論

第1節 プライドの定義と形成

大前提として人間は『社会的な生き物』である。承認欲求からは基本的に逃れられない。

この前提がまず間違ってると思ったらこの後の長々とした文章を読まない方がいいし、読む必要性が一切無い。

また、そもそものところ承認欲求の存在を感じていないのであれば、もしかしたら既に貴方は超越したところに存在している可能性がある。

どちらにしろ関係無い話なので読むだけ無駄だろうと思う。そのぐらいこの話は長い。


さて、承認欲求の有名な例として心理学者のマズローが言及したものである。

 

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マズローの欲求5段階説 (図は引用)

ただマズローのこの提言は「西洋的な思想を基に提言されている」や「エビデンスが無い」等といった批判もある。

 

当然っちゃ当然である。

地域やコミュニティ、時代が異なれば承認や欲求の形は異なってくる。


また、エビデンスもクソも3年も違ったら文化が異なっていくような社会で何十年と一貫したエビデンスを取るのは実質不可能である。


この話も個人の「そんな気がする」の集合体だと思ってもらっていい。


ではまずプライドの形成についての話から書いていく。

 

最初に『プライド』という言葉を定義してみよう。

 

プライドは「自己肯定感が満たされるコミュニティーを持つこと」で獲得できるパッシブな効能のあるアイテムである。


獲得条件をである自己肯定感をどうやったら満たせるかというと「そのコミュニティーに所属することで、他人から一目置かれたり頼られる」必要性がある。

 

すなわち、プライドの確立とは承認欲求を満たすための承認が湧いてくる源泉の獲得。
生きるためのエネルギーの確立である。

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△承認はエネルギーなのだ 「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」より

 

 

ではプライドの確立には各分野において1番にならなければならないかと言われるとそうではない。

 

例えば皆さんが200人の参加する学力テストの際に「成績がいい」と評するのは何番くらいまでだろうか?


これに関しては人それぞれの感覚はあると思うが、私の場合であれば100番で「真ん中」、50番で「そこそこ」、20番で「成績がいい」といった印象を持っている。


すなわち「上位10%」に入っている人に対して「その人はその分野が得意である」という認識を持ち「もしもその分野で困ってたら相談する」動機付けにもなっている。

 

当然1番を取るのは最も注目されるため巨大な承認の源泉となるだろう。しかし、プライドの形成という目的には不要なのだ。

 

またプライド獲得のための分母は必ずしもその物事に従事している必要性は無い。
分母は「興味を持っている人の数」である。


すなわちほぼ全人類が関連する金銭面や容姿でのプライド獲得は非常に難しく、まだ出来て日が浅いものの急激に注目度が上がっていった分野等は比較的プライドが獲得しやすいと言える。

 


第2節 現代日本におけるプライドの形成


現代の日本におけるプライドの形成はどうなっているか?


成長モデルを以下に示すので想像しながら読んでみてほしい。
「自分の場合はこうだった!」とか「私の地域ではこうだった!」というのであれば、それっぽく置き換えて考えてみてほしい。

 

最初にプライドを形成されるのは地域の公園であったり、幼稚園や保育園というコミュニティである。


ほかの同世代の人間と一斉に比べられ、物心がつき始めると共に客観的な評価をつけられる。
評価基準の多くは運動能力や器用さである。


特出した者はプライドを獲得し、自己肯定感が生まれてゆく。


この際に「1ヵ月でも早く生まれる」というアドバンテージは非常に大きく、1年近くのアドバンテージを得ている子供に有利に働いてしまう。


実際プロで活躍するスポーツ選手の誕生日をプロファイルしたところ、見事に偏っている結果が出ていることを見ても明白だろう。

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プロ野球選手の1軍支配下登録選手の誕生日分布

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サッカーJ1クラブ所属選手の誕生日分布


本来全ての誕生月で能力は大体平均化されるにもかかわらず、である。

逆に身体能力で差が出ないプロ棋士の誕生日分布を比べるとどうだろう。

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△将棋のプロ棋士の誕生日分布。3月生まれが4月並みに多い


見て分かる通り、明らかな偏りは生じていない。

 

すなわち、幼い時の成功体験によって得られたプライドを基に自己肯定感を獲得し、強く生きられると考えられる。

 

では、この際に自己肯定感が得られなかった子供はどうなるのか?

 

答えは簡単で、次の場に移るだけである。


今度は小学校というコミュニティで、引き続き運動能力や器用さを中心に、大きな要素として学力という分野を明確に評価される。


また、2次性長に従い徐々に容姿にも興味を持つ者が増えていき、ここにもプライドの形成がなされるであろう。

 

中学校で地域が広がり、本格的に部活動という分野が広がる。


高校になればアルバイトという仕事のコミュニティも発生する。いずれの場でも活躍した者はプライドを獲得していくだろう。

 

大学という熟成期間を得て、次に大きな転機が訪れる。


プライドに一定のリセットをかけ、特定のプライドを伸ばすことを強要されるのである。

 

それが仕事(※1)であると私は考えている。

 


※1 仕事の話 (話が壮大に逸れるので別枠で記載。読まなくていいです)

仕事とは、金銭を介してある分野において信頼のおける相手に物事の代行を頼んだり頼まれたりすることである。

言わば「信頼=金」そのものである。
信頼度が高ければそれだけ価値を産み、大きな仕事に繋がりえる。

いわゆる大企業が強いのは、看板に大きな信頼があり、個人の能力に問わずそれだけで信頼が大きく底上げされるからに他ならない。
しかしその大きな信頼に見合うだけの信頼性を持った人材を保持していなければ、次第に看板の価値が落ちていってしまうため、
看板が大きければ大きくなるほど、その分野に特化した人材を求めることになる。

さて話が繋がってきたと思うかもしれないが、ここでプライドの登場である。
初めからその分野のおいて『即戦力』と呼ばれる合致した信頼を保持しているならば、フリーでも即仕事といった流れになるであろうが、なかなかそうはいかない。

信頼を獲得するには無数の要素が存在するが、プライドの認知は大きな要素となる。

このプライドを社員に確立させ、それで利益を稼ぐために企業はあるのだ。

 

 

第3節 プライドの仮設

 

さて、ここまで『自己のプライドはどうやって確立するか』という話を読んできて「いや、そんなプライドを獲得できてるなんてごく一部の選ばれた人間だろう」と考えるかもしれない。

 

私はまさにその通りだと思う。


先に述べたような誕生月での身体的アドバンテージ、遺伝に基づく身体的・知的能力の差、資金面の差(いわゆる実家の太さ)は如何とも埋めがたく、獲得した自己肯定感を根拠に挑戦することによって(資金面の余裕があれば更に)好循環を生むため、多くの場合でプライドの寡占状態を生む。

 

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△才能ある者は何をやっても基本的に強い 「ボールルームにようこそ」より


残念ながら多くの者にプライドは行き渡らないのだ。

 

才能の差は恐ろしい程に存在する。
「人間は生まれた時は平等」と言いたい人がいるのであれば、何故サラブレッドの種付け料は天地程の差があり、「黒人特有のバネ」という言葉が何の疑問も無く使われているのかを考えてほしい。


では、多くの人はプライドが存在しないのかというとそうではない。


何の病気も患わず(世間的に病気が認知されず)生きている限り、必ずプライドからエネルギーを得て活動している。

 

他者からプライドを借りること、プライドの仮設で応急対応するのである。

 

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△この感動は一体誰の感動だろう? 「ブルーピリオド」より

一番の例は「私の友達は〇〇で」という話である。


中国の故事からきた「虎の威を借る狐」という言葉があり、またイソップ童話には「The ass in the lion’s skin(ライオンの皮を被ったロバ)」という言葉もある。
他者の功績を利用し、自らのプライドを仮設するのだ。

 

このプライドの仮設は蔓延している。

 

現代における一つの病巣のような形態を見せているが、私はこの状態がいたって正常であると考えている。


何故ならプライドの仮設こそが人間社会を維持しているからだ。

 

その最たるものは仕事であり、恋愛であり、婚姻であり、子作りである。


仕事の本質の話は(※1)に詳しく書かせていただいていくので省くが、
仕事でのプライド形成の大部分は会社自身に肩代わりしてもらっているものと考えてもらっていい。

 

その証拠に会社という肩書を失った者の多くは技術介入度が低い労働以外で仕事を得られない。

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△勉強し続けないと割とリアルにこうなる 「まだ、生きてる…」より


この事実が「仕事のプライドの多くはただの仮設である」と証明している。

 

多くの人は過去または現在の優秀な人の知恵にタダ乗りしているに過ぎないのだ。
この事実を認識することが非常に重要だ。

 


さて、次は恋愛、結婚であるが、これは非常に分かりやすい構図である。
パターン①は「相手のプライドへのタダ乗りによるプライドの仮設」だ。

 

皆さん、モテる人のキーワードを思い浮かべてみてほしい。
「金持ち」、「イケメン(美女)」、「運動が出来る」、「頭がいい」等であろう。

さて、ここで最初の話に戻ってきたのがお分かりだろうか。


すなわち「幼い時からプライドが形成されている人間」へのタダ乗りに他ならない。

 

パターン②は『共依存状態』である。


二人だけのコミュニティを形成し、お互いをお互いが認め合う構図だ。

この状態に関しては非常に健全である可能性が高いので特に言及しない。

 

結婚はこれらの恋愛を用いたプライドの仮設を維持させやすくする制度である。
(当然税制面の優遇はあるだろうが、大部分の目的が仮設維持のためだと考えている。)

 


最後に子作りであるが、皆さんは何故子供を作らなければいけないかを考えたことがあるだろうか。


生き物として子孫を残すため?社会基盤を維持していくため?

 

現実問題として、子供が大量にいる方が社会を回すのが楽になるのは間違いないのだが、一個人で考えた場合「本来は必要ない」のだ。


自らの生命活動の維持以外あらゆることが「本来は必要ないこと」ではあるのだが、何故リスクを賭してまで子作りをわざわざやるのか。

 

やはりこれもプライド形成のためであると考えられる。


更に付け加えれば"自らの創造物"に価値を見出すことで、あわよくば自らのプライドを『仮設』ではなく『確立』しようとしているのだ。

 


第4節 現代日本でのプライド仮設の問題点

 

さて、ここまで現代までの日本におけるプライドの確立と主なプライドの仮設法を示してきた。


ここまで踏まえた上での「これまでその方法論で社会が回ってきたのだから別にいいではないか」という意見はもっともなのだが、現代において2点、大きな不都合が発生しているのだ。

 

一つが医療が発展し人間の寿命が著しく伸びたこと。もう一つが田舎の子供までのスマホ(インターネット)の普及である。


プライドの仮設には大きな問題点がある。


それは突然のプライドの消失だ。

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△仮設されたプライドが消失すると、突然危機に陥る 「一人交換日記」より

 

プライドの仮設は自らがプライドを運営・管理出来ていないので相手次第で突然プライドが消失してしまう。

 

例えば仕事であれば、退職によりプライドは消失するが、リストラ、倒産だと突然の消失が襲ってくる。


恋愛・結婚であれば事故、病気あるいは浮気等でタダ乗り先がいなくなった場合。


子供であれば同様に事故、病気あるいは家を出る場合等である。


また子供に対して「価値が無い」と判断した瞬間から子供に対するプライドが消失してしまう。

 

人間の寿命が伸びたとこで、これらの問題と確実に、しかも長期間向き合わなければならなくなったのである。

 


更に従来のプライドの確立も確実に難しくなってきている。

 

はじめに定義した通りプライドの確立に必要なのは「おおまかに上位10%に入ること」である。


では分母は何だったか。「興味を持っている人の数」であるが、ここには省略されている言葉がある。


「『自分の見える範囲』で興味を持っている人の数」である。

 

地方と都会の大きな差はここだっただろう。


あらゆる平均値や実力差が数値等では新聞等の情報源に登場するものの、田舎では実感できないのである。(同様に都会も田舎の現状が一切実感できていない)


結果、狭いコミュニティで小さなプライドが順調に育まれていく構図になっていただが、インターネットの拡大によって都会の分母が見えてしまい、田舎でのプライド醸成が不利になってしまったのだ。


また、生存バイアスによってプライドが維持できている人(もしくは嘘をついてでも維持しようとしている人)しか見える場所には投稿せず、結果として従来までのプライド形成の難易度がバカ上がりしてしまっている。


と、ここまで読んできたら疑問が生じると思う。


現代日本はどちらかというと就職率は上がり、童貞・処女率も上がり、結婚率は下がり続けている。本来ならばプライドの仮説が進んで結婚率は上がってしかるべきでは?」

 

そう。従来の方法ではプライドの形成の難易度がバカ上がりしているのは事実であるが、他の方法が確立した結果上記の現象を引き起こしていると考えられる。


その方法とは『趣味の多様化によるコミュニティ形成』である。

 

これまでの日本社会でのコミュニティの形成法は主に『家族制度』そして『地域』と『宗教』であった。


マジョリティを一つの"個"と捉え、その一員に自分を帰属させることでマイノリティより上の立場になったように自分を錯覚させプライドを維持する。


「右向け右の社会」と形容する人もいるが、私は「弱者がさながら鰯の群れのように集まって巨大なプライドを形成し、維持していく社会」であったと考えており、その弾き出された受け皿に活動家や(過激な)宗教が暗躍していたのではないかと考えている。
(温和な宗教の役割については後述する。)

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△巨大な『個』を形成する鰯の群れ



「どうして過激な活動をする人に高学歴な人が多く混じっているのか?」


いつもテロ事件が起きる度に取りざたされて、一切解答が出ないこの疑問への私の答えは「賢さ故に若くしてこの構造に疑念を感じているところに付け込まれたから」であると考えている。


恐らく他人から解答を与えられず、自分なりの解釈を出せたのであれば問題無かったのだろうが…

 


一方、現代ではSNS、ネットメディアを起点として趣味の多様化が引き起こされている。

 

ほぼほぼ個人でしかなかったマイノリティが群れをなし、興味が集まるコンテンツを次々と創出・発信し、コミュニティをうどのタケノコの如く発生させている。

 

そして先に書いた通り、新たなコミュニティでは比較的プライドが獲得しやすいが故に、「本来プライドを獲得できずに真っ先に仮設に走っていた層」がプライドを獲得してしまった。

 

故に、生きる上で不要な恋愛・結婚・出産によるプライドの仮設は減少してしまったと考えている。


その代わり「自撮り」によるプライドの安易な仮説が横行しているが…これは副作用というところであろう。

 

一例としてアイドルについては言及しておこうと思う。


これは私自身がアイドルについてやり込んでいるわけではないので甚だしい勘違いをしている可能性が高いが、アイドルについては言及せずにはいられないのである。


1グループあたりの人数が両手で数えれる程度のアイドルのファンは〇〇推しがいたとしてもほとんど衝突していないのではないか?


総選挙などするか?

いや、しない。何故か?


結局グループ自体を個とみなしてファンとなっているのではないか。


では多人数グループだとどうなるか…一人一人に"担当"がつく。これは一人に対するファンの総数がグループのファンの10%を下回り、グループの更に内部で細分化されてプライドの発生環境が整ってしまったからではないかと考えている。

 

故に多人数グループは現代において巨大なプライドを供給し続ける化け物コンテンツとなっている。


"神棚に毎朝拝むこととアイドルのポスターを毎朝眺めることは同等"である。

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△特定のアイドルを提示すると怒られそうなのでイメージ図です。

 


第5節 プライド分散


さて、現代におけるプライド運用の移り変わりを解説してきたところで、やっと本題となる「プライドの分散とは?」という話に入る。

 

「プライドの分散」とはここまで語ってきたような人間が生きていく上で決して切り離せない『プライド』を切らさないようにする手法の一つである。


お金の話であれば分散投資という概念があるだろう。

 

一点に投資すると巨大な財を成す可能性が高くなるが、その分大損を被りやすくなる、いわゆるハイリスクハイリターン状態となる。

 

投資を分散させれば、経済が上向き続ける限りは総利益が総損益を上回りやすく、逆に大損を被る確率がグンと低くなり、ローリスクローリターンながら破滅する可能性がグンと低くなる。

 

それをプライドで行おうというだけの話だ。

 

お金がなくなると破産したり、生活保護のお世話になったりと色々な救済策は存在するが、仮にプライドが全て消失してしまうとどうなってしまうのか。

 

簡潔に言うと「死ぬ」のである。


肉体的な死ではない。精神的な死である。

 

そして恐ろしい言葉が存在する。


「生きがい」である。

 

プライドの消失とは「生きがい」の消失であると言えば分かりやすいだろうか。

 


人間はプライド喪失による承認エネルギー枯渇の危機に遭遇した時、時に恐ろしい行動を取る。

 

仮設されたプライドの最も簡単な維持方法は暴力による支配である。


自分が優位であり、相手が逃げられない少人数のコミュニティー間での暴力での支配が最も簡単で効率が良い。

 

これが虐待やDVの構図となる。


本能的に自分を守る防御行動なのだろう。

 

また、承認エネルギー枯渇ラインは人によって異なり、自分の器に対して承認エネルギーの枯渇ラインがちぐはぐに設定されてしまっている人は大きな問題を抱えている。


具体的に言えば「親が偶然成功してしまい、才覚が環境に追い付いていない子供が大人になった際」にその状況が発生しやすい。


一山当てた中小企業のワンマン社長や、部下が優秀なだけだった大企業の管理職の子供がそれにあたると私は推測している。
一度観察してみていただきたい。

 


さてこのような恐ろしい行動を取ってまで守ろうとするプライドを失った際にすぐに「死ぬ」かどうかと言われるとそうではない。


プライドの消失の後の症状は段階を踏んでいくと考えている。


これについては「黒バス脅迫事件」で投獄された渡邊さんの冒頭意見陳述並びに最終意見陳述でもかなり言及されてるので、興味のある方は是非一度目を通していただきたい。

https://note.mu/t_17_kuma/m/m64d05a7b3216

△黒バス事件 最終意見陳述まとめリンク


ただし、以下に示すのは自分の経験を基に修整を加えて噛み砕いた解釈である。

 

 

プライドの消失
〇第1段階

暴力によるプライドの仮設の試み


これは"マウント"を取りまくる行為全般となる。ただ肉体的な力によるものでなく、言葉によるものや立場を笠にに着た行為も含まれる。


1対1で「相手よりとにかく上」というプライドの仮設を定期的に繰り返すことで、プライドを維持し続けるのだ。


日常的にそこら辺で行われていることであるのでいちいち問題視する必要は無いと考えているが、客観的な論理性が保たれているかが非常に重要な要素となる。


すぐに「私は悪くない」という常に自己を正当化して責任を逃れようとする思考に至るのはプライド全滅の危険信号である

 


〇第2段階
虚言による仮設の試み


プライドを保つために、客観的に見ると論理が破たんしたマウントを取るのだが、自分で薄々気付いてしまうがために、自分で自分に気付かせないように自然と虚言を吐く。


「虚言の病気による注目集め」もこの段階に含まれる。


これが虚言によるプライドの仮設である。


第1段階と同じような症状だが、こちらは虚言を吐くと同時に自らの信頼を放出していく構図となるので非常に危険である。


が、たまに虚言が上手く嵌ってしまいプライドが復活することがある。ミラクル。

そう考えると最適な行動なのかもしれない…

 

またここでもプライドを仮設するためにとにかく自己を正当化させようとするが、ここまでくると何をどう考えても自分が悪い構図が発生してエラーが起きてしまう。自分が悪いんだけど自分は悪くないのだ。


そうするとどういう行動を取るか?主語をひたすらでかくするのである。
〇〇(世間)が悪い。

 

こうなると〇〇が悪いと行き当ってしまった人たちが集まってまたコミュニティが発生してプライド復活チャンスが来る。


またこの時点で世間的な無関心状態に入ってしまっているので、優しくされると異常に弱い。宗教へ。

 

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△プライドを全て失った先にあるものは 「ドリフターズ」より


〇第3段階
無敵の人の発生


信頼を失い、全てのプライドから解放された、無敵の人が誕生する。


何せ無敵である。何をしてもいい。


しかし無敵状態になっても人は案外行動しない。


何故なら行動する場合は大概第2段階の時点で謎の行動を開始して謎のコミュニティに属してしまうからである。


また、プライドの仮設方法が充実している現代社会において、行動力が満ち満ちている若さで無敵の人まで到達する可能性は非常に低いと考えている。


よって事件を起こすような無敵の人は極端に少ないと考えられる。


あれ?こうはなりたくない!というのならともかく、全員助かってる(?)し、問題もほとんど起きない?
ならプライドを分散する必要性は無いのでは…?


さて、本質の話はここからである。

私はこのプライドがアルツハイマー認知症の発症に関連してると確信している。
胸を張って言えることではないが、もちろんエビデンスは無いただの一個人の妄言である。


ただの状況証拠みたいな話なので何にも根拠と言えるものが提示できない。


しかし、10年以内には取り沙汰されるんじゃないかと考えてるので、もしそのような報道があった場合は思い出していただきたい。

 

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△プライドの消失が人間の生命活動の終着点なのかもしれない。 「LIMBO THE KING」より

 

皆さんはアルツハイマー認知症と聞くとどういう症状を思い浮かべるだろうか?

 

・怒りっぽくなる。
・言ったことをすぐ忘れる。
・徘徊するようになる。

 

アルツハイマー認知症は一般的にアミロイドβタンパク質という成分が脳に蓄積しすることで神経細胞を破壊すると考えられてきた。また、他の原因としてタウタンパク質という繊維質が絡まり蓄積することも原因と考えられてきたが、その両方の蓄積を薬で阻害したとしても症状が改善することが無かった。


つまり、タンパク質の蓄積は過程でなく結果だったのだ。

 

では、「認知症になった」際のトリガーは何なのか…?

 

・夫または妻が亡くなった。
・子供が出て行った
・足が折れて歩けなくなった。
・仕事を辞めた

 

が主ではないのか…?

逆に考えてみてほしい。


「会社の経営者がアルツハイマー認知症になったから引退した」なんて話を聞いたことがあるか?


少なくとも私は無い。

 

楽しく趣味をしてる人が
「ボケたからあの人はこなくなった」
と聞いたことがあるか?私は無い。

 

「畑をやめた後」「役職を退いた後」はいくらでも聞いたことはあるが少なくとも先に書いたプライドが仮設出来ている状態で認知症に陥った事例は見たことも聞いたことも無い。


また、ここのところ頻繁に聞く話はで利尿薬の使用によりボケるという話がある。これは尿を漏らす確率が格段に増え、本当の意味でのプライド(尊厳)が傷つけられるためであると考えている。

 

いずれの事例もプライドを急に崩壊させたことがトリガーとなったと考えられないだろうか。


私は昔犬を飼っていたのだが、白内障が進み、耳の病気をした後に急激に弱ってボケた。


家の中で暴れたり徘徊したりし続けるのだけど、その中の行動で非常に驚いた行動があった。

 

家の中で自ら登れる最も高い場所に登り(ソファ)、ひたすら落ちようとするのである。

 

その際に考えた。仮に人が認知症になって徘徊するようになった場合、自然界だと通常どうなるのか。あの行動にどのような意味があるのか。


そりゃ当然、速やかに落下死か、ケガを負って天敵に襲われて死ぬ。

そこで私は仮説を立てた。


アルツハイマー認知症はこの世に必要の無くなった自らを死ぬことへの恐怖を和らげる自己防衛機能が表れているだけなのでは…?」

 

つまり


怒りっぽくなる。 ←プライド消失第1段階
言ったことをすぐ忘れる。 ←プライド消失第2段階
徘徊するようになる。 ←プライド消失第3段階

 

これがプライドの仮設の崩壊によって高速で起きているだけなのではないか…?
ここまで仮説を立てて「ならどうすればいいか」はまた複雑な話になってくるので後の理論で語ることとする。


ここまで長い話に付き合っていただけたら私が何が言いたかったかご理解いただけるかもしれない。


『プライドの分散は人間の自死機能発現への防衛手段である。』

 


第6節 プライド分散のススメ

 


一番最初に書いたように自殺を咎める気は一切無いのだけど、色んな才能が社会に飲み込まれていくのを見てただただ悲んでいる。

 

楽しいことがなくても、好きなことがなくてもじっくり腰を据えて眺めて欲しい。


蛭子さんも「好きなことが見つからないときは、とりあえずお金を稼ぐんですよ」と言っている。

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蛭子さんもこう言ってる




変化に対するアレルギー反応だらけで予想よりは変わらなかったとはいえ、この平成の30年で世界は急激に変わった。


マスメディアが価値を作り出さなくても個人がどんどん価値を創出できる環境ができた。

 

いつ好きなものが出来てもいいように準備をしとくべきだ。


それがあなたの可能性を育み、新たなプライドの確立に繋がることだろう。

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△あなたの蜜を見つけくれ 「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」より

僕は『ルサンチマン』のようなバーチャルセックスを体験するまでは少なくとも死ぬ気はない。


PS. 私はこの認知の歪みを引き起こすメカニズムを科学するのが認知訶学だと考察してるんだけど、どうだろう。違うか。

 

◆リンク

第2章 世界ランク理論

https://mekasue.hatenablog.com/entry/2019/05/02/011111

 

第3章 シャブセックス理論

 https://mekasue.hatenablog.com/entry/2019/05/02/011125