eスポーツオリンピックにバックアップで呼ばれたものの、結局出た話
結局出ました。
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一体何があったのか
上記の前回の記事を書いたのが出発前の日曜日。
月曜日は朝だけ仕事の整理をして、午後から休暇を取って地元の空港へと向かった。
羽田発の深夜便だったので、夜20時くらいに空港で待ってる最中に突如Tic-Tac-Bow公式Discordに貼られたのが以下の画像である
名前があるが???
全く「正式選手に昇格しました!」とかいう何の連絡も無く、突然送られてきた出所が不明なこの画像と付属されてたメッセージを見る限りどうやら僕は出場することになったらしい。
オタク一般人からオリンピアンに昇格した瞬間である。
メンバーを見るに、恐らくゲームの予選以外の実際のアーチェリー選手の招待選手枠が1名空いたようであった。
Tic-Tac-Bow超人達に恐れをなしたのか、そもそも普通にアーチェリーの試合日程が忙しかったのか…真実は誰も知らない。
シンガポールに向かう
一応旅慣れてはいるので、早朝にシンガポールに着き、simカードを買い、スイスイとホテルまで到着
今回の会場はSwisshotell the Stanfordという所だったのだけど、普通に宿泊すると、繁忙期もあってか6万円くらいは平気でするホテルだ
ホテル6泊とシンガポールまでの航空機が今回無料なので…
なんと一人あたり約50万円程度は補助してくれている計算となる。
それを各選手ということになるので、IOCの本気度がまずまず伺える
ちなみに同じ日本から来る象先輩は私より早く航空機をブッキングされたおかげか、夜にシンガポールに到着する便で招待されており、1泊分と朝食バイキング1回分さらに得していた。
私はというと、朝飯が無かったので周辺と道を確認がてら、会場となるサンテックシティの展示場に行くことにした。
ちなみにサンテックシティはショッピングモールで、国際展示場が併設された形になっている。
中に入ると、なんか田舎のイオンで見た事のあるような垂れ幕が下がっていた。
正直シンガポールに来た時点でも「本当にやるのか?」と疑問だったのだが、ここに来て「どうやら本当にやるらしい」と実感した。
選手がやること、やらされたこと
6/20(火)は飛行機であまり寝れなかったので2時間程度の仮眠をした後、選手の写真撮影に呼び出されることになった。
今回の「オリンピックeスポーツシリーズ(OES)」は当然「オリンピック」であるので、スポンサー周りの制約はバチクソ厳しい。
当然服装も例外では無く、基本的にノーロゴでダークにまとめる指定があった。
しかし、出場するか一切分からなかったこともあり、適当に読み飛ばして荷物をまとめてたので、黒のズボンを完全に忘れてしまって買いに走るハメになってしまった。
そんな中、完全に日本企業に浸食されたサンテックシティに当然のように出店していたユニクロ。
サンキューユニクロ…ポロシャツは日本と同じ値段なのに感動パンツは日本の1.6倍くらい高かったユニクロサンキュー
写真撮影の後はまた周辺散策して、Tic-Tac-Bow参加者の食事会へ参加。
事前に少し調べてはいたけれども、Tic-Tac-Bow超人達は基本的にシューターゲームの達人ばかりで、CSGOの猛者やHALO2の元プロ等で構成されていた。
唯一謎だった中国系アメリカ人も某ゲーム会社の社員であり、筋金入りのゲーマーが残っていたようだった。
翌日の21日(水)は朝から非常にハードスケジュールであった。
リハーサルのため、8時15分には集合。
この時に初めて舞台を見てIOCの本気さを見ることになる。
昼飯の弁当込みで14時までガッツリ拘束された後に、会場で解放された練習用ルームに籠って練習した。
18時頃からはオープニングセレモニーのリハーサルで、ここで初めて参加選手の顔ぶれを見る事になる。
今大会の競技は
・サイクリング(Zwift)
・アーチェリー(Tic-Tac-Bow)
・ダンス(Just Dance)
・野球(パワプロ)
・チェス
・テニス(Tennis clash)
・射撃(Fortnite)
・モータースポーツ(GT)
・テコンドー(バーチャルテコンドー)
の10種目であるのだが、明らかにプレイヤーの層が異なったのが印象的だった。
サイクリングやダンスは完全にアクティブなゲームなので当然であるが、スマホゲーム枠であるセーリングが全員屈強な男・女たちで構成されており、中にはRedBullアスリートも含まれていた。
話を聞くと、事前情報通りセーリングの訓練の一環として当該のゲームを使用する関係でそうなっているらしい。
若いのは当然であるが、射撃。
そしてテコンドーも訓練に使用されているのか、非常に若い女の子達が多く、北欧系の女性もいた。
我々アーチェリーはこれまた不思議で、異常に平均身長が高かった。
他の競技の平均身長が170cm程度である一方で、178cmある私が背の順でかなり前という異常さで、平均185cm程度あったかもしれない。
これは本当に何故か分からないので今後注目したい。
後、チェスのプレイヤーは全員遠目で見ても頭が良さそうで特定出来るのも面白いポイントだった。
その後、20時からはなんとWADA(世界アンチドーピング機構)とITA(国際検査機関)によるアンチドーピング講座を受ける事になった。
1時間半に渡って大真面目な講義を受けたのだが、参加者の眠気防止か質疑応答制になっており、いい感じに返答したらITAの帽子を記念にもらえるというシステムになっていて非常に良かった。
ただ、さすがに高速の会話のキャッチボールに入るのは難しく…手に入れられなかったのが非常に悔しかった。
講習中にも講師が言っていたが、恐らくeスポーツで本格的にITAが出てくるような事は稀で、今回の案件は歴史的にも非常に重要であると思われる。
それこそ上述したように、例えばマラソンと短距離では必要となる要素が全く異なるように、各競技参加者の体格が明らかに異なっていたのが印象的だっただけに、色々やってほしいところである。
ドーピング検査受けれないかな~~~と思っていたが、結局は来ず。
基本的に金メダルの人とかがやるのだと思うが…
そして大会前日の22日(木)は非常にありがたいことに夕方からのオープニングセレモニーを除いてほぼ予定が無く、オフの日程であった。
本当にこれがありがたく、ゆっくり休んで直前の練習に打ち込む事が出来た。
この辺はオリンピックホスピタリティだと感じた。
夕方はオープニングセレモニーへ参加
IOCのバーチャルバッハ会長とシンガポールのバーチャルヤコブ大統領が出てきた時は非常に笑ったが、全体的に「あぁオリンピックだ」という"らしい"セレモニーだったと思う。
流れで会場のプレオープンと、レセプションパーティーに参加してこの日は就寝
試合へ
結果は動画が残っているので多くは語らないで良いかもしれない。
服装チェックや荷物チェックを受け本番へ。
各プレイヤーはそれぞれ独自の攻略をしているため改めて整理にいそしむ中、印象的だったのは全射撃パターンを印刷してきたこの男である。
自分のスマホは没収されてしまうため、アナログでデータを全て持ち込む男。
eスポーツをアナログで解決するその準備に思わず唸った。
私はといえば、結果振るわず最初のリーグ戦で1勝3敗で敗退としてしまった。
残念ながらTic-Tac-Bowモンスター達の牙城を崩す事は出来なかったが、良い勝負はする事が出来て非常に満足している。
まだ土日と開催されるオリンピックeスポーツシリーズ
興味がある競技があったら是非見ていただきたいし、もし次回開催されることがあったら是非参加を目指してもらいたい。
面白かった。来て良かったです。
余談:オリンピックを超えた男
とりあえずこのブログはこの辺で綺麗に〆ておこうと思う。
基本的に我々は招待選手である故に綺麗な事しか言えないので、完全にラインの上でのタップダンスは今回ちょもす氏が肩代わりしてくれている。
ちょもす氏の日本代表応援放送は、ミラー配信でもないのに何故かオリンピック公式チャンネルの視聴数を上回るという快挙を達成したが、これを上述の本放送と同時に見ればTic-Tac-Bowを100万倍楽しめる納得の内容となっていた。
私がこのブログで語るには難しすぎる内容を綺麗にまとめてくれており、事前知識無しでも大丈夫だ。
(ちょもす氏のブログを事前に読んでたら更に10倍面白いけども)
世界レベルの『Tic-Tac-Bow』強豪プレイヤーでありながら『Tic-Tac-Bow』運営会社の社長にイカした男と認知されている人間の『Tic-Tac-Bow』日本代表応援配信 https://t.co/BZHLkVyGik
— chomosh / ちょもす (@chomosh) 2023年6月23日
その中でこんなコメントがあった。
これに対してちょもす氏が即答した「ゲームの面白さとは人なんです。」という発言はその通りだと思う。
このゲームは優勝したMontyDeyの凄さが出てたし、Dchanの努力がそれに肉薄した。
そして主役は象先輩だった。
シンガポールで開催中のオリンピックeスポーツファイナルズ2023🎮
— オリンピック (@gorin) 2023年6月23日
Tic Tac Bow(アーチェリー)では日本から参加したTakebayashi Kyosuke - ‘ZouSenpai’が3位✨
大会の模様は明日もウェブサイトからライブ配信します📺
🔽ライブ配信🔽https://t.co/RCVn3Vyp6j#OlympicEsportsWeek pic.twitter.com/sZrhKhIdKa
それではこの辺で。
表で喋れない面白い話はVRChatで致しますのでまたお会いしましょう。