ド田舎に住んでるサラリーマンが新しいゲームコミュニティーを作ってみた話(『キャサリン』のケース)

EVO2019お疲れ様でした。

 

格ゲー、なんだかんだで取り組んでるんですけど、この2年間は「格ゲーおじさん」と言うより皆さんから「キャサリンおじさん」として認知された2年間でした。

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キャサリン・フルボディ好評発売中です

BBTAGでEVO最終日、ラスベガスのマンダレイ・ベイのイベントセンターの舞台に立てたことは心から嬉しかったですが、今回のAnimeEVO2019『キャサリン・クラシック』部門7位入賞出来たことも同じくらい心から嬉しかったです。

 

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壇上でガッツリ宣伝してました(着ていいか運営に事前に確認も取りました)

 

そんなこんなでこの2年ぐらいは徳島の中でも更にド田舎で生活しながら、日本における対戦人口がほぼ"ゼロ"だった「キャサリン」の対戦の布教活動をしつつ、なんだかんだ色々やってた人の「考えてたこと、行動してみたこと、実現したこと」を色々まとめとこうと思います。

 

これまでの活動の備忘録みたいなものになりますが、多分、今後「新しく出来た競技を盛り上げよう」と考える人にとっては有益な記事になるんじゃないかなと思います。


はじまり(2015年)

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Key Event:Evolution Championship Series(EVO)

EVOは毎年7月~8月頃にアメリカ・ラスベガスで開催される格闘ゲームメインとした世界最大級のトーナメントです。競技の参加人数は1万人をゆうに超え、3日間朝から深夜まで選手達は闘い続けます。

 

全てはEVO2015に行ったことで始まりました。


当時はギルティギアをメインの競技として取り組み参戦しましたが、「サイド種目も参加すると面白いよ」との助言を受け色々登録してみることにしました。

 

するとそこには「キャサリン」のロゴが…

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当時のサイドイベント表の一部

PS3版「キャサリン」は傑作パズルゲームとして有名でしたが、クリア後のおまけモードである対戦モードに関してほとんど認知されてませんでした。

そもそもATLUSのゲームをプレイするのは世界観が好きだったり、歯ごたえのあるゲームをプレイするのが目的の人がほとんどで「ソロゲーマー」が多いのです。

クリア後のおまけモードであり、オンライン対戦が搭載されてらず、コントローラーを二つ繋がなければ起動すらしないこの対戦モードをプレイしたことのある人は皆無と言ってもいいぐらいでした。

 

しかし、私は2度程大学の友人と遊んだことがありました。

「このモード知ってる?1回遊んでみたいんだけど…」

と友達と遊んだ時、お互い大爆笑しながら対戦を楽しんだことを覚えています。

 

そんなこんなでエントリーしたEVO2015「キャサリン
大会にもかかわらず隣のプレイヤーと一緒に大爆笑しながらゲームを進め、3回戦で敗退してしまいました。
(当時サイドトーナメントもダブルイリミネーション制度であることを知らずそのまま不戦敗)

負けてからも大会観戦してると、どんどん競技のレベルが上がっていき…
この時に「キャサリン」というゲームの画期的な面白さを再認識し、「こんなゲームだったのか!!」と更なる奥深さを思い知らされたのです。

 

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一つの画面で二人の羊が登り合い、落とし合う。


2015年のEVOが強烈に面白かったため、私は毎年EVOに行くことなるのですがやはり毎年「キャサリン」にエントリーすることになりました。

年々レベルが上がっていき、数多くの名勝負が生まれました。

また、競技が盛り上がったこと、主催者が非常に精力的に活動していたことにより、アメリカの代表的な大規模格闘ゲーム大会であるCEOやFrosty Fausting、Genesis等でサイド種目として遊ばれました。

 

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勝利確定条件が揃うと暇になるのでみんなでセルフィーを撮る

 

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Key Person:Dacidbro

DacidbroはBLAZBLUEGUILTY GEARといったアークシステムワークス系ゲームを嗜む米国のトッププレイヤーの一人であり、アメリカのキャサリンコミュニティーを引っ張ってきた人物です。オーガナイザーとしてだけではなく、幅広く活動されています。

 

Red Bull Gaming 様の記事

米国で盛り上がる『キャサリン』 | Games

 

 

コミュニティ立ち上げの決断。EVO Japanのサイドに応募(2017年~2018年)


そして2017年の秋、転機がやってきました。
日本で初めて開催される『EVO』、『EVO Japan 2018』で開かれるサイドトーナメントの募集が始まったのです。

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Key Event :EVO Japan

EVO Japanは2018年から毎年1月~2月頃に日本で開催されている前述のEVOと同様の形式の大会です。2018年は東京、2019年は福岡で開催され、来年2020年はまた東京に戻って開催予定です。


当時「キャサリン」の対戦モードをまともに遊ぶ気でいるのは日本では僕一人。
2011年発売の古いゲーム。
ゲーム大会を開催した経験も無い。

 

参加者なんか集まるわけが無い。いきなりトーナメントを開催するなんて正気じゃない。
誰もが思うと思います。

 

でも、心の底から本当に面白いと思うこのゲームがこのまま遊ばれなくていいのか?
いいわけがない!

 

ただ、自分が大好きな作品に対して泥を塗るような行為だけは絶対にしたくない…


やるなら徹底的にやらないとより大きな後悔をすることになることも見えていました。

締切ギリギリに申し込んだ後、採択の可否が出る前に私は動き出しました。
申し込みは勢いのまま行ったものの、勝算が全く無い訳ではありませんでした。

 

一つ目はこのゲームが持つ潜在的な競技プレイヤーの分母の大きさ。


二つ目は海外勢が残してくれている熱い戦いと実況が入った動画達の存在。


三つ目は呼ぶことさえ出来れば心強い味方の存在。


四つ目は『これは面白い』と思ったことは大体3年後に動きがあるという私自身の嗅覚でした。


まず最初にEVO Japan 2018での大会のコンセプトを策定しました。
『EVOでしか出来ないことを日本に。EVO Japanでしか出来ないことをこの場所で』というものでした。


次に採択決定までに急ピッチでプロモーションビデオを作成しました。
私自身が観戦してて思い入れのある、面白かったシーンを集めたものです。

 

そうこうしてる間に神風が吹きました。
開発元のATLUS様からキャサリンの新作「キャサリン・フルボディ」の発表があったのです。

嗅覚が功を奏した結果となりました。

 

急いで呼ぶことさえ出来れば心強い味方にアプローチをかけることにしました。

その人とは、声優の磯村知美さんでした。

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Key Person:磯村知美さん(イソッチさん)

磯村知美さんことイソッチさんは大のアトラス作品フリークとして知られ、数多くのATLUS公式Web番組の司会を務める声優さんです。


なんと、日本ではほぼ観戦者がいなかったと思われるEVO2015から毎年オンタイムでキャサリンの対戦を観戦されていただけでなく、格ゲーではBLAZBLUEシリーズで「マコト=ナナヤ」役も務めてらっしゃることからもEVOとの親和性がバツグン…

まさにこの人しかいなかったのです。この人じゃないとダメだったのです。


様々なご助力もあり、イソッチさんの事務所とコンタクトが取れ、スケジュールを抑えることが出来てから更にスピードが上がります。

 

キャサリンの大会を開くのはいいのですが、やはりレベルの高い対戦の方が見ごたえがあると考え、全体の対戦レベルの底上げを目的とした簡単な観戦・攻略ガイドを作成し、GOZILINE様で公開させていただきました。

 

goziline.com

 

Key Group:GOZILINE

GOZILINE様は「ゲームを最大限に楽しむ集団」を名乗り、その名に違わず常に一歩先の楽しみ方を模索し続けてるライターさん方の集団です。

 

この記事は実際功を奏し、結果としてEVO Japan2018で上位に残った人々は基本的に「記事を見て練習してきた人達」となり、試合内容にも確かな深みが生まれることとなりました。


そんなこんなと精力的な広報をしていたところ、株式会社YOUDEAL様が製作するEVO Japanの特集番組にお呼ばれすることとなりました。
現地にいたのはアルカプからABEGENさん。キャリバーからハアロウ君。らんまからゆいけーさん。
非常に高いモチベーションで大会準備を進めているお三方からエネルギーを戴き、勉強させていただきました。

 

https://youdeal.co.jp/

Key Company:YOUDEAL

YOUDEAL様は東京都内にスタジオ及び機材を所有し、配信代行業を行っている企業様です。自社で番組を企画し放送を持っていたりもします。

 

企画および当日の動きを固め、ATLUS様から豪華な賞品の提供をいただき、ついに当日を迎えることとなりました。

旧友であるらいらい君の家を拠点とさせてもらい、大量の基材を運び入れ、ぶっつけ本番の任務を粛々と遂行しました。


現地にATLUS社員さん達が視察にも現れプレッシャーが増大していく中、トラブルに次ぐトラブルに頭を抱えながら、何とか予定通りトーナメントを遂行することが出来ました。

お手伝いをかって出てくれた鮭ふれーくさん、けい君、何よりトーナメント運営から機材トラブルの対処までヘルプで入ってくれたYOUDEALのでぃさんには今でも感謝しております。

 

4Gamer様のレポート

www.4gamer.net

 

Red Bull様のレポート 

 

日本での初代『キャサリン』覇者は江戸川さんとなりました。
この後、彼には事あるごとにお世話になることになります。

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Key Person:江戸川さん(キャサリン初代覇者)


終了直後、全てのプレッシャーから解放され年甲斐も無く大号泣してしまうと共に、ヘロヘロになりながららいらい君の家に帰ると鼻から口から尻から血が吹き出し「2度とするまい…」と床に突っ伏していたのが懐かしく思います。

 

 

コミュニティーを広げる。新作発売までの動き(2018~2019年)

 

EVO Japan2018の終了後、次の目標は明確となりました。
新作「キャサリン・フルボディ」の発売までに、キャサリンの対戦モードについて出来る限り知名度を上げていく必要があると考えました。

 

まず最初に対戦会を開催してみることにしました。

 

第1回は比較的徳島から近く、車で機材運搬が可能である大阪でスペースを提供していただける場所を探しました。
「キャサリン」の雰囲気に合ったバーを中心に探し、無事許諾を得て開催することが出来ました。

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が、SNS上で積極的に活動しましたが、やはり一個人での拡散力では限界があり、もの凄いやる気のある方々は遠方から足を運んで来てくれたのですが、ごくごく少人数での会となってしまいました。


やはり人を集めるとなると東京に行くしかないのか…しかし大阪と違って土地勘やツテが無く、場所を借りるにも…


と、頭を悩ましていたところ救世主が現れました。

 

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Key Prace:Red Bull Gaming Sphere Tokyo

Red Bull Gaming Sphere Tokyoはゲーミングシーンを構築する人に可能性を提供する施設です。


ゲームイベントを開催する際にネックとなるモニター、配線類、ネット回線等の貸出も担っていただいており、やる気さえあればどんなイベントでも開催が可能となります。
田舎に住んでいた私が東京で機材を調達することは至難の業でしたが、配信用PCと大量のPS3を用意するだけで立派な大会が開催可能となりました。


そうと決まればすぐさま宣伝のスケジュールを立てました。

 

まず検索すればすぐに出てくるような大会名として、海外勢にも分かるように『Tokyo Pillow Fight』と名付けました。

 

また、大会をイメージした宣伝用のチラシをよぬ石さんに依頼することにしました。

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Key Person:よぬ石(@yonuishi)

よぬ石さんは以前より格闘ゲーム関連のファンアートを多数アップロードされており、キャラへの愛情溢れる躍動感のある画だけでなく、動物と人をミックスした画を得意とされている方です。


この依頼後、わざわざPS3版「キャサリン」を買ってきてクリアしてくれる等、ディティールにこだわったチラシを作成いただきました。
(海外勢にも非常に評判が良く、依頼した私も鼻高々でした)

 

また、更なる知名度の向上と対戦内容の高度化を目的としてEVO Japan時より高度なプロモーション・攻略動画の製作を行いました。

 

 

この際の動画の作り方が功を奏したようで、この動画はかなり拡散され、知名度は一気に上がっていきました。

 

当日はATLUSファンのスタッフの方がノリノリでピンクのライトを焚いてくれて、非常に良い雰囲気の大会を開催することができました。

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こうして開かれた第1回キャサリン対戦会 Tokyo Pillow Fightは更なる連鎖を巻き起こしていきます。

 

 

時が少し前後しますが、2018年8月、私は例年通りアメリカ・ラスベガスに渡りEVO2018に参加しました。


毎年と違ったのはアメリカのキャサリン勢の歓迎具合でした。

大会前後、キャサリン勢の部屋に呼ばれ、何時間と連続で対戦をし続けることになりました。


例年キャサリンの対戦は動画で観察しており、今年は国内での対戦相手もできたのでそれなりに自信を持って行ったのですが、海外では更にセオリーやテクニックが進化しており、全く太刀打ちできませんでした。

 

特に初代絶対王者Dacidbroを抑え新たな"Catherine King"として君臨しているShasは中でも圧倒的で、1時間以上対戦して1本たまたま取れる程度でした。

この年、EVOのアフターパーティでもShasとDacidbroの新旧王者一騎打ちが開催されましたが、4-1のスコアでShasが勝利を納めています。

 

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Key Person:Shas

Shasは2016年のEVOのキャサリントーナメントを見て「俺なら勝てる」と確信し、トーナメントに乗り込んできました。彼は有言実行し、自身2度目のトーナメント参加以後優勝し続けています。

 

こうして日本に帰国した私にまた一つ明確な目標ができました。

 

絶対王者であるShasと戦えるような隠れたプレイヤーを発掘すること。

PS3版で追いつくのは至難の業でも、新作において日本と海外の実力が拮抗するような図がベストだと思い描くようになりました。

 


日本に帰国し、初の東京での対戦会の終了後、「キャサリン・フルボディ」の発売時期も固まると、東京ゲームショー2018で大きな発表がありました。


一つはときどさんが宣伝大使として起用されること。


もう一つは宣伝を兼ねたATLUS公式の大会が開催されること。

 

 

Key Person:ときどさん

ときどさんは説明するまでもなく有名なストリートファイター5シリーズで活躍する"東大卒プロゲーマー"です。

 

〇ときどさんのキャサリン(TOPANGAでの個人配信)

 

〇ときどさんが挑むキャサリン・フルボディ

 

ときどさんが真面目に取り組む「キャサリン」配信は大変面白い配信となりました。
ゲーム界のトッププロが色んなゲームに挑戦する配信は多々あり、僕もよく見てますが屈指の内容だったと思います。

 

そして念願の公式大会ですが、なんと前述したRed Bull Gaming Sphere Tokyo様で開催されることとなりました。


イベントの規模的なとこもあると思いますが、8月に開催させていただいたイベントで「対戦大会の進行」のイメージを共有できたことが大変大きかったのではないかと推測しています。

 

また、この公式大会の司会はいつものイソッチさん。そしてなんと私に解説役の任を与えて頂きました。
「流石に思い切りすぎてないか???」と思いながらも喜び勇んで務めさせていただきました。

 

当初「人、集まりますかねぇ…?」と心配しておりましたが、予想以上の参加希望者がいたようで結構な人数が落選しており…(申し訳ありませんでした)

ありがたいことに現場はかなり盛り上がっておりました。


トーナメントのベスト8の内、3人が女性という格闘ゲームではついぞ見たことない比率で進行しまして、やはりATLUSファンはゲーマー揃いだ…!と感動したのを覚えております。

 

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生放送での視聴者アンケートも「よい」が100%を記録することができました。
私個人としても大変貴重な経験をさせていただき、感謝しております。

 

翌日開催されたときどさんのトークショーでも、積極的にイベントに参加してくださってたセリーナさんがときどさんに年季の差を見せつける等、活躍しておりました。
彼女は以後積極的にコミュニティに携わっていただけることになります。

 

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Key Person:セリーナさん(@tkn0801)

セリーナさんはマルチジャンルを楽しむバイリンガルなストリーマーさんです。後述するキャサリンのイベントを開いてくださたりしている他、企業様の色んなイベントで活躍されたりしてます。

 

 

さて、そうこうしている内にEVO Japan2019の募集時期となりました。
EVO Japan2019の開催日は2月16~18日、「キャサリン・フルボディ」の発売日は2月14日ということで、世界最速で大会を開催する運びとなりました。

 

宣伝における鉄則は「初動が命」です。
初動が全てとは言いませんが、最初期に話題性のピークを持っていけるかが肝心というのは重々承知していました。

 

どうやって発売日に向けてプレイヤー達のモチベーションを高めていくのか。
発売後どう動いていくのが適切なのか。

これらをスピーディに判断しなければなりません。


EVO Japanが発売直後にあることは天啓と考え、持ってるだけの全てをそこにつぎ込もうと決断しました。

 

しかしEVO Japan2019の開催地は福岡…正直人が全く集まらない可能性もある…しかしそれ以上に大きな問題がありました。

 

大会のレギュレーションどうしよう???

 

この「キャサリン・フルボディ」の対戦モード、新ステージが追加されているだけでなく、キャラの挙動だけでなくアイテムの効果もかなり変わっており、結構別ゲーとなっていたのです。

 

これまで行われた試遊会や宣伝動画を解析しゲームの変更点をまとめた宣伝用動画の作成を急ピッチで進めました。

 
また、今回もよぬ石さんにポスター製作依頼をかけました。

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高騰する移動費やホテル代…最早最終兵器とも言えるイソッチさんを福岡までお呼びするにはどうすれば良いか動き回ることになりました。
(この際にも様々な方々にご助力いただいてました。本当にありがとうございました)


この間、プレイヤーのモチベーションを高めていくためにも更なる対戦会を企画し、開催しました。


1月に開催したTokyo Pillow Fight Vo.2はPS3版「キャサリン」を用いた国内最後の大会ということもありましたが、この大会では大きな事件がいくつも起こりました。

 

1つ目は開催を聞きつけた一人の男がはるばるアメリカ・テキサスから来日しました。

 

 

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 Key person:Linus

LinusはEVO2019から新たにオーガナイザーとして活動している男です。後述もしますが、日本のキャサリンコミュニティーに興味を持ち、以後彼を中心として積極的に交流しています。

 

アメリカでも対戦したLinusは、本場アメリカのキャサリンガチ勢の1角であり、日本で立ち上げたキャサリンコミュニティに興味を持ち来日してくれました。


逆に日本に対してその他のことはほぼ興味が無い状態で来日したようで、結果として滞在期間中は大会以外ほぼホテルから出ないという立ち回りを見せており「キャサリン・モンスターが来た…!!」と日本勢を騒がせました。

 

開催された大会でも圧倒的な実力差で優勝。
Linusが来たこともあり、かなりガチめな大会となりましたが、この回は女性プレイヤーのKEIさんが3位入賞を果たしています。

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その後は日本勢を宿泊先に招き、寝食以外はほぼキャサリンという生活を一週間続けて帰っていきました。

 


2つ目はときどさんの来訪でした。


「寄るかも」という噂は聞いていたのですが、「キャサリン・フルボディ」の宣伝の一環として実際に対戦会に足を運んでいただきました。


まさかストリートファイターではないゲームでときどさんと一緒に遊べるとは誰も思っておらず、参加者の皆さんも突然のサプライズに喜んでおりました。
その節はどうもありがとうございました。

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3つ目は様々なゲームのコミュニティリーダー達の来訪でした。


パズルゲーム関連が主でしたが、この時来訪されたふーひさんとは「キャサリン」で、わっちさんとは様々なゲームでこの後にお世話になることになります。

 

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 Key Person:ふーひさん(@Fuuhi78)

現在はウェルプレイド株式会社に所属し、eスポーツ関連の多ジャンルのMC・キャスターを担っています。また、そのゲームタイトルは多岐に渡ります。

 


また、私が「キャサリン・フルボディ」というゲームの対戦モードに対して何故期待感がこれ程強かったのかという考えを記事としてまとめて発表しました。

mekasue.hatenablog.com


この記事は多くの方に共有してもらい、大変好評いただきました。

 

キャサリン・フルボディ発売。活動を広げる(2019年~)


こうして迎えたEVO Japan 2019当日
福岡という地で、発売三日目の大会開催だったのにもかかわらず、多くの人に参加いただくことができました。


東京の方はこの大会に出るためだけにはるばるお越しいただけたり、山口勢の方々等は仲間同士でお誘い合わせて来ていただけたり、はじめて参加していただけたもたくさんいらっしゃいました。


またここでもATLUS様には随分お世話になりました…
私一人の力では開催出来ない大会でした。本当にありがとうございました。

 

「キャサリン・フルボディ」の初代優勝者はリノさんとなりました。

以後、このリノさんがキャサリン界を突っ走っていくことになります。

 

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Key Person:リノさん(キャサリン2代目覇者)


さて、前述のとおり、発売直後の布教活動が非常に重要です。

待ちわびたオンライン対戦機能です。
帰宅して意気揚々と繋げてみたところ…

 

「やべぇ…ほとんどまともに対戦できねぇ…」

 

唯一恐れていたことが発生してしまっていました。

キャサリンの対戦自体が非常に複雑な動作をするため処理が重くなること、
また、ATLUSはこれまでオンライン対戦機能を持ったゲームは作っていた経験が無く…

格闘ゲームでも初めてオンライン機能を導入したようなゲームがいきなり快適に遊べることなんてことはまずまずありえないのです。

 


現在は有志による検証につぐ検証により

PS4のシェアプレイ機能を利用すると比較的安定した対戦が可能である。
・結局使用されてる回線の問題である可能性が高く、朝や昼では比較的安定したネット対戦が可能である。

 ということもあり、土曜の朝8時~9時頃から毎週対戦会が開催されています。

 

そんなこんなでこれからの活動方針を練っていたところ、驚くべきオファーが舞い込みます。
「あのー…東京MXの有吉ぃぃeeeee!という番組の者なんですけど…」

なんと「キャサリン・フルボディ」の、しかも対戦モードを題材とした番組を地上波で放送すると言うのです。
番組を円滑に進め、盛り上げるための講師役のオファーをいただきました。

 

しかし「いつ打ち合わせですか???明日???」ということで流石に翌日東京打ち合わせは参加できません。

「キャサリン」の実績があって…ワンチャンテレビに出る可能性があり…説明もテキパキとこなせる人材…


私はすぐさま初代キャサリン覇者の江戸川さんに代役をお願いしました。

 

彼は既にATLUSの公式番組でときどさんやニッポン放送の吉田さんとも共演しており実績がありました。
二つ返事でOKしていただきましたが、まだ難関がありました。

 

収録当日、良回線の人が対戦相手にきてくれるかどうかは完全に運なので天に祈るしかないのですが、まだ発売して間もないゲームのセオリーとは…?

当時積極的に熱帯に参加していただいてたプレイヤー達を観察して答えをいくつか出させていただきました。
最も参考にしたのはMSTさん。

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Key Person:MSTさん
対戦会にも積極的に参加いただいており、発売後も格ゲー勢の独特の嗅覚で攻略を進めていらっしゃいました。
MSTさんは現在都内のキャサリンコミュニティーの中心人物の一人として活動いただいており、ローカルな対戦会などを主催していただいてます。

 

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後は情報を江戸川さんと共有して、説明がキャッチーになるようにテレビでよく使うようなフリップを作成して…
神に祈るのみ…

 

そして当日…祈りは通じました。
収録先の芸能人の方の回線環境も対戦相手の回線環境もよく、スムーズに収録が進んだようです。
放送の様子はこちらから

 

 
初動の動きはまだまだ続きます。

 

先のイベントに参加いただいたふーひさんにぷよぷよとキャサリンを括ったタッグパズルゲーム大会を企画いただきました。
池袋STORIA様で開催していただいたこの大会は交流会の側面が強く、新規の方々も多数参加していただいておりました。
その後第2回大会が開催され、こちらも好評だったようです。
キャサリン側の解説として江戸川さんにもご協力いただいております。

 

 

当時忍ismのストリーマーとなり活動していたセリーナさんにも「Saturday Faito Club」というキャサリン・フルボディの対戦会を主催していただきました。
宣伝用イラストもご自分でお書きになったようで…素晴らしいの一言ですね。

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こういった大会を自ら企画し、主催いただける方々は本当にありがたいです。
ここまで書いてきた方々以外にも様々な方に大なり小なりお世話になってますが、この"イベントの主催"については特別ウェイトが重く、努力してくださった方々だと思っております。

 

こういった各人の活動のおかげもあり、様々なジャンルからゲーマー達がキャサリンに集結してきました。
アルカプからChan-Cさん、3rdからGenkiさんやはやおさん等各所で勢力的に活動されてる皆様方。

普段は積極的にバベルモードを攻略なさっているパズルガチ勢も集結し、いよいよ混沌としてきます。


もちろん私自身も対戦会を企画しました。
Tokyo Pillow Fight Vol.3は先に行われた大会と同様に多くの方にご来場いただき、無事終えることができました。
この時の優勝者もリノさん。

様々なジャンルからの魑魅魍魎が集結した中でも、実力差を見せつける結果となりました。

 

EVO 2019 日本からの大遠征が組まれる(2019年)


こうして今年のEVO2019の「キャサリン」、「キャサリン・フルボディ」の2種目大会へと進んでいきます。

私個人としては例年のようにメイン種目1~2種目に重きを置き、サイドは時間の許す限り遊ぶという方針で計画していたのですが、今年もまた例年と異なる事案が発生致しました。

日本キャサリン勢のアメリカ大遠征が計画されたのです。

 

事の発端は前述のEVO Japan2019のチャンピオン、リノさんが本気で海外勢を崩しに行くと決断したこと。旅慣れたMSTさんがサポートしながらその夢を後押ししたことでした。
また、今大会のオーガナイザーを務めたLinusから日本のキャサリン勢への渡航費支援プロジェクトが発動したことも大きな要素となりました。

 

こうして私、らいらいさん、リノさん、MSTさん、江戸川さん、セリーナさん、ラヒラヒ君、Chan-Cさん、はやおさんの9名が日本からトーナメントに参戦することとなりました。

 

例年のようにキャサリン部屋が作られ、昨年と同様に日米スパーリングが随時開催されていたのですが…
まだ絶対王者のShasには及ばないものの、確実に海外勢との差は詰まっていました。
この1年半におよぶ布教は、確かに日本のキャサリン勢の全体レベルの底上げに成功し、私自身も昨年より大幅にレベルアップしていることを感じました。


リノさんに至っては絶対王者とも言えるShasに喰らいつけるレベルに達していました。
これは望んでいたことではありますが、正直驚くべきことです。

トーナメントの光景は大変素晴らしいものでした。

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結果として、「キャサリン」部門ではリノさんが4位入賞、私自身も初の7位入賞。
「キャサリン・フルボディ」部門ではリノさんがShasを撃破しての3位入賞、江戸川さんも5位入賞と


海外勢が下馬評通りしっかりと勝ち上がってきている中、キッチリと日本で結果を残していた方々が直接対決を制しながら結果を出すことができました。

 


さて、予想よりかなりの長文となってしまいましたが、以上が私が「キャサリン」という題材で新たなゲームコミュニティーを立ち上げるにあたって、考えたこと、行動してみたこと、実現したこととなります。


言いたいことをまとめると

 

①全ての物事において初動が最も大事。基本的にモチベーションは落ちていくので、鉄を熱い内に打ちまくるのを意識しなければならない。


②見ている者を惹きつけるスーパープレイの動画と、熱の籠った実況が入った動画、またそれらの現場を客観的に撮影した写真達の存在はその物事にとって『宝』である。その動画だけでは効果が薄いかもしれないが、1年分、2年分と積もっていくと巨大な価値となり得る。


③ビジョンと責任を持って行動をすること。ビジョンを描いて共有しないことには目的としたイベントは開催出来ない。必ず自分の中で100点のビジョンを最初に描き、近づけていくこと。また、自身の言動には必ず責任を持ち、判断は常に素早くすること。


④Key Personを見定めること。必要な資材は買えばいいが、人材は簡単には出てこない。本当に信頼して仕事を任せれる人を普段から見定め、その人が活動する時が来れば後方支援に徹すること。


私の活動は「ほとんど人に助けてもらってた運だけ野郎じゃないか?」という感想を持たれると思います。

 

いや、ごもっともです。

 

そもそものところで、私は「キャサリン」というゲームのただの一人のユーザーなのです。
まず第一に開発・販売元のATLUS様には、積極的に活動をサポートいただけたことを心より感謝しております。

 

そして対戦ゲームは対戦相手がいなければ遊ぶことすらできません。
一緒に遊ぶ友達を一人でも作ろうというところから始まった活動としてはいささか大きく広がっていってくれた感がありますが、お付き合いいただいた方々、イベントに参加していただいた方々は本当にありがとうございました。

この場を借りましてお礼を申し上げさせていただきます。


さて、完全に締めの感じになりましたが、実はまだまだ活動は続いております。

東京での対戦会等のイベントは流石に現地の方に移譲しようと考え、なんと今回キャサリン勢の一人であるのわの君が対戦会を開催してくれることとなりました。

 

◆キャサリンフルボディ カジュアル対戦会

場所:Red Bull Gaming Sphere Tokyo

日時:2019年9月15(日) 12:00~
参加登録はこちらとなっております。

twipla.jp

野試合台も多数設置し、対戦交流会のような形式となっておりますので、お気軽にお越しいただければと思います。

 

◆キャサリンフルボディ オンライン対戦会

毎週土曜日朝8時~9時ぐらいから「カジュアルマッチ」にて開催中

また、遠方で対戦会に来られないけど、キャサリンの対戦をしてみたいという方は、毎週土曜日の朝9時頃から皆で集まってネット対戦を行ってます。
にわかさん(@2oka8r0)という方が主に主導で開催告知をなさっていますので、確認の上、お気軽に潜ってみてください。

 


また、EVO Japan 2020が発表されたことにより、今年もサイドトーナメントを開催するために動いていこうと考えています。
採択されるかは運営の判断であるところですので開催自体も未定ですが、是非興味を持たれた方は幕張メッセでお会い出来ればと思います。

 

それではここまでお付き合いいただきありがとうございました。
引き続き宜しくお願い致します。