グランブルーファンタジーヴァーサス(GBVS)に見るヘラりと怒りの要因分析

皆さん楽しんでGBVSをプレイされてるでしょうか?


私はかなり楽しんでおります。(ランクマは現在AとSを往復してます)

 

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GBVS、オススメの格ゲーです

ドラゴンボールの時もそうでしたが、新作の大型タイトルは色んなところから人が集まって来るのがいいですよね。


しかもグラブルは滅茶苦茶シンプルに作ってあるので参入障壁が未だかつてないほど低くて、ストリートファイター勢をはじめ、2D格ゲー勢に留まらず、3D格ゲー勢や、そもそも別ジャンルのゲーマーだったり、それこそ真っ新な初心者さんだったり、色んなプレイヤーを見かけます。

 

最近だとマゴさんの配信が大盛り上がりでしたね。
これぞ"プロ"って感じがしました。スト勢のタレント性はやはり凄い。


さて、そんな界隈で盛り上がってるGBVSですが、同時に割と大きな問題を抱えています。

 

はい。タイトルにもありますがSNS各所でヘラりが散見されることですね!

 

※ヘラる…ネットスラング。精神的ダメージを受けるなどして(一時的に)落ち込んでいること、気分が塞いでいること、情緒不安定になっていること、感情の起伏が激しいこと、精神的に張りつめていること、感情的になっていること、普段ならしない発言や奇行があること、ヒステリックになっていること、などを表す言葉として気軽に使われる。

 

「各タイトルでボってきたツケだ」とか「あのキャラ使ってて言うのはどうか」とか過激な発言も色々見かけますが、いい機会なので何故このゲームがこんなにヘラる人を多数製造しているのか原因解析していきたいと思います。

 


〇そもそも何故ヘラるのか

 

落ち込んだり、情緒不安定になるのはいつだって何か原因がありますよね。

 

何の原因も無く日常からなってるなら、こんな文章読んでないで即病院でお薬をもらってきてください。間違いなく診断書が出ます。

 

さて、ではその原因は何なのか?


包括すると「失敗したから」じゃないでしょうか?

 

「失敗」には大なり小なりいっぱいあります。

 

「いいとこで噛んじゃった」とか「オーブンレンジ爆破しちゃった」とかもありますし、「生まれてこなければよかった」とかもまぁ生まれちゃってるわけですから極論ですと「失敗」なわけですね。

 

ただ、失敗したからといって全人類がヘラってるかと言われればそうではありません。
ヘラりに突入するためには「失敗」に別の観念が付く必要があります。

 

それは『恥』という観念です。

 

 

〇恥ずかしいってなんだ?

 

「恥ずかしいこと」って何をイメージするでしょうか?


「全校生徒の前でスピーチ」することや「電車でうんこを漏らしてしまった」こととかでしょうか?

 

「音楽を聴いてると思ったら、イヤホンジャックが外れてて大音量でスマホから流れていた」ら恥ずかしいですかね?

 

でも、全部一人暮らしの自宅で発生していたらどうでしょう。


スピーチを噛んでも練習だと切り替えられますし、スマホから流れててもそれはそれでいいし、極論うんこを漏らしてしまっても一人で処理して誰にも言わなければいいことですよね。

 

「恥ずかしいこと」には大体人が介在しているのがお分かりになるでしょうか。

 

一方、分数の割り算の解き方が分からない場合を想像してみてください。恥ずかしいんじゃないですか?
それじゃあ、二次関数の接点tにおける角度の求め方とかはどうでしょうか?恥ずかしいか微妙ですか?
フェルマーの最終定理の解き方が分からない場合はどうでしょうか?

 

そもそも知らないと恥ずかしがりようがありませんよね。

 

もうお分かりでしょうか。


恥ずかしさの正体は「出来るはずのことが出来なかったことが周知されてしまうこと」です。

 


〇出来るはずのことってなんだ?

 

生命活動において 皆さん様々なことを無限に行っています。

 

息が出来てますし、心臓も動いてます。
これ読んでる人は100%出来てると思います。


「英語を喋れる」だとどうでしょう?

喋れなくてもあんまり恥ずかしいって感情は無いんじゃないですか?


海外に頻繁に行くような人って10%もいないんじゃないかと思います。

 

それじゃあシチュエーションを限定して、6人ぐらいで大学の卒業旅行とかだとどうでしょう。


1人だけ仮に英語を喋れる人がいて、みんなが彼を頼っていても自分が「恥ずかしい」とはならなくないですか?

これが6人中5人が英語ペラペラで自分一人だけ全然喋れなかったら…?


みんな同い年でみんなと同じ教育課程を受けてきたのにもかかわらず自分だけ喋れない。

そんな時、貴方は恥ずかしいと感じるんじゃないでしょうか?

 


不思議なもので、「出来るはずのこと」は環境によって大きく変化するようです。

 

よく言われるのは「〇〇はできて当然」だったり「〇〇は常識」みないな話でしょうか。


そして、常識なんてものは分野が変われば通用しなくなりますし、文化圏が違えばまるで真反対みたいなこともあります。

 

「自分一人だけがこれが出来る」みたいな状態になれば優越感が得られるわけですね。(私はこれをプライドと呼んでます)


では恥ずかしくなる分岐点はどこなのか?

私は「平均値」だと推測しています。

 

「これは出来ていなければならない」とか「これはみんな出来てないから別に私が出来なくても不思議じゃない」とか考えたことはありませんか?

 

ただ、この平均値というのがクセモノで、具体的に数値が出ていたりするものはそれを参照するのですが、数値化されていないならばこの平均の算出方法は「認識できる範囲」になってしまいます。

 

つまり、自分と相手と二人しか参照範囲がいない場合、相手ができて自分が出来てないとたちまち平均値50%を切って「平均より下」に陥ってしまい、別に出来なくて不思議じゃないことでも、たちまち出来ない人になってしまいます。

 

〇自意識によるグループ分けの罠

 

さて、この認識を狭めてしまったが故に陥る罠があります。

 

先に書いた「〇〇は常識」と同じ話で、自分の所属してる場だと平均(50%以上の人)が出来て当然だけど、文化圏が異なるとまるで違うという話がまさにそれです。

 

特に第一線で活躍するようなエリート集団にありがちですが、特定の分野のプロフェッショナル達が集まる世界ですと全ての物事の要求レベルが高くなってしまい、本来は全ての能力が全体平均より抜きんでてるとしても、その集団だと落ちこぼれという扱いになってしまうわけです。

 

例えば「画を書く」だとデッサン(構図)⇒下書き⇒線画⇒着色みたいな工程があるとして、絶望的にデッサン部分が苦手なら諦めもつくんでしょうけども、「第一線の中で比較すると下手」なら恥ずかしくなってしまいます。

 

今回のGBVSならどうでしょうか。

 

「対空が出ない」とか「ヒット確認が出来ない」とか「差し替えしが出来ない」とかいういつもの格ゲーの小さな要素でヘラってるのでしょうか?そうじゃないですよね。
最も大きな要素は「ランクマッチ」によるところになってます。

 

プレイしている方は分かると思いますが、GBVSのランクマッチは今のところ正直これまで発売されたどんな格闘ゲームよりもシビアだと思います。

 

そんなシビアなゲームの中でこれまで自分が「同レベル」だと思ってた集団よりも平均のランクが低かったら?

 

どんなにその人が一般的に見て強かったとしてもその人自身はそれを「恥じ」、ヘラりに突入してしまう訳です。

 

この辺は以前書いた「世界ランク理論」という文章に大体の理屈を書いてますので、お時間があれば読んでいただければと思います。

mekasue.hatenablog.com


まぁ早い話が、イキったプライドが折れてる瞬間です。

 


〇何故、GBVSは怒らなくてヘラるのか

 

これもまた面白いところなのですが、GBVSはびっくりするほど「怒り」より「ヘラり」の方が多いです。

 

最初の方に書きましたが、ヘラるには恥ずかしくなる必要があり、そのためには「原因が分かっている」必要性があります。

 

「俺はダメなやつだ」には「こんなことも出来ないなんて俺はダメなやつだ」という言葉が省略されているのです。


逆に怒ってる人に理由を聞いたら何て答えるでしょうか?

 

「〇〇という要素がクソ」「△△という技が悪い」

 

何かを対象にしたものばっかりですね。

 

では自分に対して怒るでしょうか?


多分それは怒りではなくヘラりになりますよね。

 

 

これらに対処法が一切存在しないならそのまままかり通りますが、確定反撃やらそもそも振らせないようにするやら対処法を持つようになってくると、「出来なかった俺が悪い」ということになります。

 

つまり理解可能な要素には「ヘラり」、一方で理解しきれない要素に対して「怒り」が発生します。


GBVSはそのシンプルなゲーム性から敗北理由が非常に分かりやすいです。


その上今回はシビアにランキングで自分の位置が可視化されてしまっているので、原因と結果を同時に突き付けられてしまってます。

 

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おーささんのTwitterより 2/15時点のランク分布。S帯以降はマジでつえぇ

 

逆に怒ってるプレイヤーが多いゲームと言えば…僕はLoLをはじめチームゲーやカードゲーだと思うのですが、あれは要因を無限に味方や引き運に責任を転嫁可能だからだと考えています。


仮に自分が悪くとも、原因が厳密に分からないのでヘラる要素が無いのです。

 


〇ヘラりも怒りもしないプレイヤーになるには

 

これも先にあげた世界ランク理論という文章にあるのですが、自分の現在の実力と世間的な実力の認識を可能な限り近づけていくことが重要となります。

 

その可能な限り近づけた先にある概念が「仕方ない」です。

 

「仕方ない」は現在の自分の能力に折り合いをつけ、出来ないことは出来ないと認める行為です。

 

「ここは実力が足りなくて出来ないから、別の人に頼む」
「同じ方法では出来ないから、別の方法を探す」

 

柔軟な思考や解決法は「仕方ない」の先に生まれます。

単純作業が死ぬほど苦手だと分かってるから、やらないように便利にしようとします。


ヘラりを解消する魔法の言葉はこの「仕方ない」になります。

 

ただ、怒りには「仕方ない」は効きません。

一時的には効果はありますが、原因不明なことを仕方ないで「仕方ない」で押し込み続けるとその内精神の許容量に限界が来て爆発してしまいます。


よく言う温厚な人が突然バッチバチにブチギレる現象です。

 

先に書いたようにヘラりと怒りの差には「原因の理解」があります。


出来るだけ怒りが発生してる原因を理解し、自分の中の問題に落とし込むことで、次のフェーズの「仕方ない」で折り合いをつけ、自分の色を出していくのです。

 

常に自分の実力通りであり、出来ることは出来るし、出来ないことは出来ないし、仮に出来るはずだったことが出来なかった場合はちゃんと原因分析をし続けていれば、恥ずかしい事などこの世にには存在せず、当然ヘラることもありません。

 

怒りの原因が自分の中に落とし込めないなら、それらに関わらないようにすれば怒るようなこともありません。

 

簡単に結論を書きましたが、人生の一番大きな課題な気がしてます。


その先に自我の確立があると信じて。

神の正体を考える

これまでのダラダラとした長文に比べたら割と短文となる。


と、いうか一生考えないといけない題材なので、その時々によって付け加えていった方がいい話であるのでここまでで書き殴っておくことにする。

 

ここのところ「神とは何者か」という疑問をぐるぐると回しており、一定の結論が出たのでこの文章を書くことにした。

 

神 - 人間を超えた存在で、人間に対し禍福や賞罰を与え、信仰・崇拝の対象となるもの(三省堂大辞林より)

 

僕の今のところの結論としては、神とは「与えてくれる何者か」である。

 

神が与えてくれる物は何かというと、まぁ色々だろうが基本的に利益となるものである。

 

よくバチ(罰)が当たると言われるが、現代ではこの用法で使うのは他人にバチが当たって自分が優越感みたいなものを得られる時だけだと思うし、実際に自分に来た時は「試練を与えられた」とかなんとか解釈する。

 

本当に罰が与えられたら大体神を神と認めなくなっているのではないか。

まぁこの辺は少し後に書くとする。

 

これから先の文章は、神の名前をいちいち出すと変な問題が起こりえるので、ありとあらゆる宗教観が混ざり合うよく分からん文章になることをご勘弁いただきたい。


さて、古くからの神の仕事は何なのか。

 

最初は大地を、命を「与えて」くれた。
人類として農耕が始まると、恵みの雨を「与えて」くれた。
災害から土地を「守って」くれた。
占いによって様々な事柄を「判断して」くれた。
神によってはパンとブドウ酒を「与えて」くれたり、行動規範を「与えて」くれたりした。

 

色んな恩恵を「与えて」くれた神様は今は何をやってるんだろう。

 

インターネットぶらついてると様々な場面で「神!」と呼ばれてる人々がいた。

発売前のジャンプのハンターハンターを「与えて」くれた神
クオリティの高いエロ絵を「与えて」くれた神
便所の紙が切れてたら上から「与えて」くれた神もいるだろう

 

まぁ一部のリテラシーの無い神は逮捕されてしまったが、逮捕されてなお痴漢を試みて再逮捕され、面白いネタを「与えて」くれた神もいたりした。

 

このように最初にも書いたが、古くから現代まで「神」とは「与えてくれる者」に対して使用される言葉であり、何故かそれが一貫している。

 

非現実的な存在な存在を示す言葉であれば、「神」でも「悪魔」でも「天使」でもいいはずなのにだ。


特に無償で大きなメリットを与えてくれるなら凄くいい神だ。
メリットがデメリットを上回っているならなかなかいい神。

 

逆に奪っていく者は鬼や悪魔となる。

 

路上で「神待ち」をする女の子達は金銭や逃避先を「与えて」くれる人を待っているのだ。
多分第3者的に収支勘定するとその一見神な人は大体悪魔なんだろうけれども。


さぁ、意識はしていないだろうが、この理屈でいくと日常の様々なところに神と悪魔は出没している。

 

真っ先に出てくる神または悪魔は両親であろう。
その内できる友達も神だったり悪魔だったりする。
様々なコンテンツを与えてくれるテレビはやっぱり神だったり悪魔だったりするし、このインターネットもやはり神だったり悪魔だったりする。

ソシャゲは大体悪魔なんじゃないかなと思う。

 

メリットデメリットだけで神か悪魔かを判断するのであれば、この世に存在する全ての物事が神か悪魔に大別が可能であるのではないかと考えてる。

 

ただ、目の前の物事の正体が本当は「神」だったか「悪魔」だったのかはなかなか分かりはしない。


いずれも「与えてくれる者」であるのは確実なのだが、同時にどれだけのものが奪われていて、それが与えられた物より価値があるのかを推測できるか、すなわち「神」か「悪魔」か判別できるかは完全に事後確認である。


ただ、目の前に現れた正体不明の物事に対して「これは神だよ」だったり「これは悪魔だよ」と囁いてくれる神が存在する。

 

それが「自分の判断を行う神」である。

 

現代においてここを司る最高の神はgoogleじゃないかと思って検索したらまんまそんな感じの記事が出てきたくらいにはあるあるな話っぽい

 

tech.damonge.com

 

 

この神こそが基本的に自身の行動規範となる。

 

赤子の状態で森で育たない限りは、最初の神は大体親であろう。

 

やがて世界が広がるごとに自分の中に住む神は増えていく。

 

今自分に何かしらのインプットが与えられた場合、そのアウトプットはこれまでに住み着いた判断する神々達(いくつかは悪魔として途中で捨てられている)の総合判断である。

 


ここまで文章を読んできた貴方に問いかけたい。

 

じゃあ「自己」はどこにある?

 

私が思うに一般論において語られる自己は不特定多数の神による判断を出力するただの出力機である。

 

当然私自身も同様である。私はただの不特定多数の神による判断を出力するただの出力機に過ぎない。


自己とは何か?

 

私は自身が数多いる神の判断を抽出して総合的に導き出した"判断"こそが自己の形であると考える。

 

しかしやはり私はただの出力機の一つであることは否定しない。

 

多分自己とは私の後ろにいる集約した神の形であると私は考える。


自己の確立とは神の集約と形成である。


後はこれらを補強する理論と否定する理論を集めていきましょう

ゲームコミュニティーにおける海外渡航支援(ドネート)についての考察 -キャサリン・フルボディ コミュニティのケース-

どうも、mekasueと申します。

 

以前ゼロからゲームコミュニティーを作ったHow toみたいなものを書かせていただきました。

mekasue.hatenablog.com

 

今回は先日幕張メッセで開催されたEVO Japan 2020にて「キャサリン・フルボディ」のトーナメントを主催させていただいた際に、アメリカからプレイヤーを2名連れてくるという渡航支援計画を実行しました。

 

この経験を通して更に一歩先に進んだ気がしますので、考えた事をレポートにしてまとめたいと思います。
(渡航支援にご支援いただいた方への報告書を兼ねています。)

 

もくじ 

◆ゲームの主戦場は"世界"へ

◆海外渡航支援の現状

渡航支援で発生しがちな論争

渡航支援を受けた人は何を成せばいいのか?渡航支援者は何を求めているのか?

◆今回のキャサリン勢のドネーションの場合は?

◆選手が『価値』を確立するには

後書き

 

 

◆ゲームの主戦場は"世界"へ

 

昨今は格闘ゲームがゲームセンターでの稼働を経ずに直接家庭用で発売するようになり、ネット対戦の環境も劇的に向上し、攻略も積極的に共有されるようになってからは世界中のプレイヤーの実力は拮抗しています。


実際大型大会でもネット対戦で研鑽を重ねたというプレイヤーがTop 8の壇上に登ることも珍しくありません。

 

以前は日本の地方で行われていた予選大会が世界各地で行われるようになり、東京で行われていた「世界大会」がアメリカや欧州で開催されることになり、カプコンカップや鉄拳ワールドツアーのような「ワールドツアー」という概念も生まれ、今や世界各地を飛び回って闘うことが当たり前の時代になってきました。


そこで大きな問題が生まれてきたわけです。

 

「いや、海外とか言われてもそんな金も暇もあるわけないでしょ!!」


はい、その通りですね。

 


私自身、学生時代は近畿圏内で「強い奴がいるらしい」というゲームセンター巡りをしてたり、もっと遠くに行くとなれば車を出してくれる人にお願いして同乗して連れて行ってもらっていたりしました。

 

仕事をしている現在では日程調整と根回しをして、毎年アメリカ・ラスベガスで開催されている「EVO」をはじめとした海外大会に足を伸ばせてはいるものの、もしも当時海外での大会が主流でそこに行く必要があったとしたらとてもじゃないですが行くことは出来なかったでしょう。

 

これは日本国内でなくて世界中のプレイヤーも同様の状態に陥ってます。

 


昨年鉄拳シーンにおいて「パキスタン旋風」を巻き起こしたArslan Ash選手を筆頭としたパキスタン勢が良い例ではないでしょうか。

 

日本においても地方においてとんでもなく優れたプレイヤーが生まれていても、様々な障害のせいで日の目が当たらないという状態に陥ってしまうというわけです。

 

 

◆海外渡航支援の現状

 

海外への渡航支援についてはいわゆる"e-sports"(宗教の関係でこの名称で今後統一するものとする)の市民権の獲得に伴なって世界中で増えてきています。

 

あまりよく知られてないかもしれませんが、私がよくプレイしている格闘ゲーム界隈に限って言えば、長らく日本国内のレベルの方が高かったために「海外勢に招待される」という事例が以前からありました。

 

そして先にも書いた通り、現在は主戦場が世界中に移行したために現在では世界中から選手を送り出したり招いたりするようになっているわけです。


渡航支援の企画自体は大会の規模によらず発生してますが、大規模な大会であればあるほどメディアの注目度も高まります。

 

そういう意味で「EVO」は格闘ゲームのイベントでは参加のハードルが低く、最も権威がある大会として扱われてますのでかなり多くの支援を見かけます。

また、大規模な大会に繋がる重要な大会での支援も多く行われているようですね。(カプコンカップ等のワールドツアーの高ポイント分配大会や一発勝負の最終予選等)

 

 

渡航支援で発生しがちな論争

 

さて、ここからが本題です。

 

世界に戦場が広がったことで、実力があるにもかかわらず金銭面的に余裕が無い人はどこかから渡航支援を受けるor企画する必要性があると思うのですが、毎回のように賛否が問われますよね。

 

よく見るのが「人の金で遠征したのに観光地と飯の写真ばっかり撮ってんじゃねぇ。旅行に行かせたわけじゃないんだぞ」みたいなの

 

これはチームに所属して渡航費を出してもらって行ってるプロゲーマーにも同じような批判が向くことが多いと思います。

 

僕は眺めながら「残念なことが起きている」と思っていました。


自分が支援を募る時にこんな気持ちのよくない事態はまっぴらゴメンだとも思っていました。

 


ここで発生しているのは「支援した人が求めていること」を「支援を受けた人」が正しく理解出来ておらず、逆に「支援を受けた人が成さなければならないこと」を「支援した人」が理解しきれていない故に発生していると考えてます。

 

 

渡航支援を受けた人は何を成せばいいのか?渡航支援者は何を求めているのか?

 

さて、皆さん『日本代表』という単語についてどういう感情を抱くでしょうか?

 

サッカーや野球といったフィジカルスポーツではおなじみですが、多分選手達に観客が求めるのは「自分達の強さを見せつけてほしい」じゃないでしょうか?


自らを『日本代表』という集団に一体化してる故の感情ですね。
勝ってもらわないと自分達が盛り上がらないのです。

 

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▲全員が自国内の支援者だとこんな感じにはなる。(図の関係上左からお読みください)


では逆に世界から戦いに来てくれた(こちらも各国から支援を受けている)代表選手へ対してはどう考えているでしょうか?


「日本の文化に触れてもらって楽しんでもらい、その素晴らしさを発信してもらいたい」じゃないですか?

 

サッカーのクラブワールドカップのために来日している選手等が地下鉄に乗ったりしている画像が拡散されたりしているのも、それこそ格ゲー界隈ではアメリカの英雄Justin Wongが牛丼のTierリストを作成しているのが注目されるのもそういうことでしょう。

 

  

ぶっちゃけ勝ったら勝ったで盛り上がるし、開催地の選手が活躍した結果負けたら負けたで盛り上がるのでそこまで重きを置かれないのです。


つまり、人によって、大別するとすれば『住んでいる地域』によって"価値"を見出す箇所が異なる。"支援する"理由が異なると考えています。

 

当然人の感情は一極集中していません。


ただ、平均化すると多分このぐらいじゃないかという図を貼っときます。

 

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▲クソみたいな図ですみません

 

選手の居住国(地域)の支援者、開催箇所の支援者、その他の地域の支援者によってザックリ大別する形となります。

 

 

ここからは全て「日本選手」を例にして書きますが、

 

例えば日本からの支援を100%とする場合、最も重きを置くべきは「結果」であり、もしもそれを達成出来なかった場合はそこに至るまでにした思考や努力といった「取り組み」を共有していくことが全体として求められる"価値"であると考えます。

 

逆に海外からの支援を100%とする場合、最も重きを置くべきは「情報の発信」であり、求められるプレイが出来なかった場合でも場を盛り上げてそれが拡散されれば大きな"価値"になりえますし、コミュニティとの交流や次回移行に海外参加者が増えるような「取り組み」を共有していくことが全体として求められる"価値"であると考えます。

 

つまり、よく槍玉にあがってる「旅行してるんじゃねぇんだぞ」という写真のアップや現地のレポートは"価値"の一つだと確信しています。


支援を世界中の人から受ける場合はこれら全てを実行する必要が生まれてくるので、この辺を理解してない人がぶっ叩いている気はしますね。
(戦績も奮わず、盛り上げも失敗したのなら仕方ないとは思いますが)

 


支援をした人も受けた人もお互い納得のいく価値を提供し合うことができれば、次の自分への支援も集まりやすいかと思いますし、若い世代への支援にも繋がります。


逆に言えばこの価値の提供を軽んじているようであれば、今後二度と人から支援されることは無くなるでしょう。

結局は仕事と報酬の図式と同一になるのがなんとも因果な感じはしますけれども。
(特にフリーで仕事を受けている方には理解いただきやすいのではないかと思います。)

 

 

◆今回のキャサリン勢のドネーションの場合は?

 

では、EVO2019でのドネーションと、今回EVO Japan 2020で実施したドネーションについて出資比率を見てみましょう。

 

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▲クソみたいな図ですみません2

 

まぁ分かりやすいぐらいそれぞれの地域100%ですね。

と、なればそれぞれの地域が求めていたことは主に「情報の発信」であったわけです。

 


EVO2019では海外勢に3名の日本人プレイヤーが招待されました。


皆さん初めてのEVOであることは当然として、海外自体ほとんど経験の無い人もおり、常にスケール感に圧倒されていました。

よく陥りがちなのはそのままホテルに閉じこもってしまい見聞を広められないことです。

 

招待いただいた現地勢の交流と大会出場は大前提として、現地の"楽しさ"を発信していくためには出来る限り様々な経験をすべきだと私は考えています。


ある人は実力はそれほどではありませんが、流暢な英語と日本語を使い分け、コメンテーターとしても活躍していることを活かして現地でコミュニケーションの中心役を担っていました。


ある人は実力者であり、大会で戦績を残しつつ、参加可能な現地でのアクティビティには全て参加し、恐らく初めてのEVOとしては時間の限り全て遊び尽くしていました。


ある人はやはり実力派それほどでもありませんが、若手プレイヤーとして積極的に色んな場に飛び込んでいき、様々な価値感を吸収して大きく成長していました。

 

私は多分、この3人は『各自が最大限に楽しむ』ことは成しており、渡航支援を通して求められたことはほぼこなしていたと思います。

 


ただ、最後にこれらの情報を十分に発信出来たかと言えばかなり甘かったと言わざるをえませんでした。
そういう意味で以前書かせていただいた記事は、海外勢の渡航支援へのお礼も兼ねた文章になっていました。

 

mekasue.hatenablog.com

 

この辺は当然全員渡航支援を受ける事は初めてで、概念もよく分かってない状態でしたので私がもっと概念を事細かく共有しておく必要があったと反省しております。

 

 

さて、では今回のEVO Japan 2020での渡航支援はどうだったのでしょうか?

 

今回呼ぶ予定だったのは世界最強キャサリンプレイヤーのShasとEVO2019での渡航支援を企画してくれてオーガナイザーも務めていたLinusでした。
ただ、Linusが親族の結婚式と被っているということで、代わりに上位4本の指には入るSigというプレイヤーが指名されました。


彼らに我々が求めたのは何だったか?

 

やはり第一は「楽しんでほしい」であり、それを「発信していってほしい」でした。

 

「大会を盛り上げてほしい」に関しては、キャサリンの対戦強豪国であるアメリカの実力者に対して日本人が切り込んでいく構図が既に完成してましたので、彼らが勝っても負けても達成されるだろうというビジョンがありました。


また、今回EVO Japan 2020用に作製したプロモーションビデオもそれらを意識した構成にしました。

 
そんなこんなで既にほぼ"土台"が完成していたので、僕らがやることは彼らが滞在で不自由しないことと、日本文化に触れてもらうことぐらいですね。

私は徳島在住と地方暮らしなので関東在住のプレイヤー達にその辺は全部任せ、大会運営へと注力しました。

 

幸運なことにこれまで積極的に活動してきたことを評価していただき、EVO Japanのサブステージを使用させていただいて、アメリカ勢の圧倒的強さを発信出来たのは正直上手くいきすぎたと思うくらい上手くいってしまったのは怖いところですが

 

 
また、このサブステージ配信を行うために超速度での設営と運営を進めて場を回す必要があったのですが、達成可能なだけの役者がこの2年で揃ってくれたことにも感謝致します。

この美しい写真は間違いなくキャサリンの対戦シーンにおけるマスターピースの一つだと思います。

 

 


今回の渡航支援に協力していただいた

MSTさん
セリーナさん
Genkiさん
リノさん
江戸川さん
れざさん
kimさん
G30さん
たかやんさん
Yadoxさん
まさとさん
ラヒラヒさん
(順不同)

大変ありがとうございました。


また、残念ながら体調不良で現地に来られなかった

山の羊さん
JHONさん

もご支援を表明していただきありがとうございました。

 

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キャサリンコミュニティーの創設者 Dacidbroに捧げる

 

◆選手が『価値』を確立するには

 

ここまでのお話で理解できていれば簡単な話なのですが、支援を受けた人がしなければならいのは


「誰に支援されていて、この価値は大きいか小さいかを計ること」になります。

 

またここからも「日本選手」を全て例にしますが、

 

例えば日本の支援者の意識は「日本代表の応援」なので、日本人が上位を占めるような状態でトップに切り込んだとしても話題性や市場価値が非常に低くなります。


日本が最も強い競技だと、日本国内の大会の方が下手すれば価値があるわけですからね。

困難な環境の中でトップに切り込んで行く開拓者的なプレイヤーの価値が最も高いのは必然というわけです。


また、海外から支援される場合は、極地にいけばいく程価値が高くなります。
小さなフィールドは自ら情報を発信しても埋もれていくばかりですし、人を集めることも容易ではありません。

 

最近だとRed Bullアスリートの方々がこの辺は積極的に行っており、大きな価値の創出をしていってるんじゃないかなぁと感じております。

 

 

 

もしも皆さんが支援を受ける立場になったとしたら…自分には一体どういった価値があり、どういったことが支援者から求められているのかを一度整理した方が良いかと思います。

 

『勝利は重要な要素ではありますが、それだけが価値ではない』ということは強く主張したい次第です。

 

 

◆(後書き)私の支援者としての考え

 

私は一貫して「自分の内にある世界を広げること」の重要性を説きたいと考えています。

考え方の根底は以前書いた『基盤3理論』にうっすらとしたためさせていただきました。

mekasue.hatenablog.com

 

世界を広げるのはこの内の『世界ランク理論』を確立するために確実に必要な過程(プライド分散)であって、人が自我を得るためには必要不可欠であると確信しています。

 

自分の中の『世界』の最小単位は家庭であり、最大単位にはおそらく歴史上まだ誰も到達していないことでしょう。

 

そしてこの世界の最大単位は宇宙にあるか、はたまたバーチャルの世界にあるか注目してる最中でもあります。
(先日ヨツミフレームさんの「アスタリスク花言葉」をプレイして、バーチャルの世界が既に人生より肥大化している事実に気付かされました。)

 

「世界を広く持つこと」こそが面白い人生を送るコツだと私は信じます。

2020/2/2  記:mekasue

 

VRChatにおける『メスガキパラドックス』について

☆本文章はバーチャルマーケット3後に大半を書いて眠っていた文章ですので、少しだけ情報が古いです。その辺は注釈入れてます。

 

 

いきなりですが皆さん、バーチャルマーケットってご存知ですか? 

 

 

◆バーチャルマーケットってなんだ?


バーチャルマーケットはVRChat上で今のところ年2回ペース開催されている展示会兼販売会で、バーチャル版コミケ…というよりは「みんなで開く展示会」と認識していただいていいと思う。

 

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出展者はブースを作って入稿。自作のアバターを販売したり、技術展示だったり。



急速に規模が拡大している第3回となった今回は様々なコンセプトの基に構築された12のワールドに約700の個人ブースの他、協賛企業のブースも数多く見受けられた。

 

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セブン&アイPanasonicみたいな大手の協賛もある

 

個人ブースで売られているのは主にVR使用を目的としたアバターや小物類といったものが中心だが、VR上に自宅を建設するためのモデルルームといった規模のデカいものもあったり、中にはVR上で音楽活動をしているバンドが楽曲を売ったり、VR上で新聞を発行してたり。


VRという"何でもあり"の空間で始まった新たな創作活動の試行錯誤の最前線という認識で良いのかもしれない。

 


◆VRC上で起こってきた"変化"


さて、1回、2回と回を重ねてきたこのバーチャルマーケットにある変化が起きている気がするのである。


VR上でのコミュニケーションツールは実は数多くあるのだけど、その中でVRChatが日本人にウケた理由の一つが「自キャラアバターの改変の自由度」であると考えている。


現在、VRChat用のアバター販売サイトでは大手となってる「Booth」では約2000種類(2019年9月23日現在)のVRChat向けモデルが販売されており、皆思い思い好きなアバターを購入して使用している。

 

デフォルトアバターも存在するが、アバターのアップロード権限が解放されたらまぁほぼ全員が乗り換えているだろう。

 

欧米ではかなり比率がズレている気がするが、日本や韓国といったアジア兼でのアバターは女性系アバター8割、ショタアバター1割、男または無機物等の性別判定不能なその他アバターが1割といったところである。

 

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筆者がよく出入りしてる筋トレワールドの集合写真。これが全てではないが、感じは掴めそう。


さぁここからが問題である。


例えば女性アバターという要素を分解すると、少女、お姉さん、ロボっ子、ケモっ子と細分化していくことが可能だが、流石に1000通りも"汎用性癖"があるわけではない。

 

また、現在(2019年9月23日現在)VRChat上で最も人気と思われる『幽狐属のお姉様』でもBoothのお気に入りチェック数が2000程度であり(即購入した人はチェックを付けていないと思うので参考程度だが)、VR界は徐々に拡大しているものの全体の総数はまだそれ程である。

 

booth.pm

 

 

2000種類のアバターに対して2000お気に入り…

 

また、こんなデータもある。


VRChatでの日本人アクティブユーザーの総数である。

 

 

 

ご覧いただいて分かるかと思うが、世界同接ユーザーでも約10000人という小規模な村社会…


中にはSteamを介して入ってない人もいるのでかなり人数はブレるとは思うが(僕もそうなので)、一応信用出来る数字と言ってもいいだろう。

 


とにもかくにもアバターの販売数の頭が見えてしまっている。

 

 

一人で複数アバターを購入する人達ばかりであろうが、アバターについては一旦の飽和状態に到達しつつあると結論付けてもいいのではないか。


今回のVケット3でも非常に多彩なアバターが追加されてはいたものの、かなり攻めた(性癖)のアバターや、どこかで似たような感じのアバターがチラホラ見受けられた。

 

各性癖においてパイの取り合いが発生しているのである。

 

ただ、事オタクに関してはマシュとレムと浜風とetc...が共存してるので「それほど問題無いのでは???」と言われるとそうだとも思う。

 

 

 

◆VRChatでのアバター使用頻度の偏りと違和感

 

さて、そんなアバター飽和状態において、日本人(韓国人)アバターの全体の8割を占める女性アバターの中でも圧倒的な比率を誇るのは少女あるいはそれに準じたケモっ子アバターである。


ケモっ子と一括りにするとケモナーの方々からおしかりを受けるだろうが、大半が耳だけだったりしっぽ付きだったりする1割ケモの亜人であり、これらはいわゆる「Kawaii」路線のアバター達となる。

 

当時私は現地にいなかったので各地に点在している資料からしか読み取れないが、割と早くから浸透してきたアバターもミコちゃんだったりミーシェちゃんだったりやはりケモっ子Kawaiiアバターがかなりの比率を占めていたと推測される。


booth.pm

 

5等身~6等身帯ではこのケモっ子Kawaii属性の選択率の高さは群を抜いており、これより高頭身となるとお姉さん属性、低頭身帯にくると無邪気系ロリっ子属性が増えていくと推測している。

 


さて、これまでに出てきた属性を整理しよう

Kawaiiを前提として

 

・少女
・ケモ(亜人)
・お姉さん
・ロリ
・ショタ

 

というなんともざっくばらんなカテゴライズが出来上がってしまった。

 

さて、VRChat上ではこれらの属性が交流することで様々な形の百合とレズとおねショタを無限に生み出し続けている。

 


ではその他の関係性は何故産まれないのか?

 

 

これは私の推測であるが、ザックリ言うと「かわいくない」からであろう。

 

勿論世の中には無機質ロボを「かわいい」と判断する人もいれば、スライムとオークの純愛を「かわいい」と判断する人もいるのは理解はしているが、所謂少数派である。
大多数の価値観でいうところの「かわいい」を体現してはいないのだ。

 

 

では何故「エロい」が蔓延してないかを考えると、それは私が以前書いた記事を読んでいただきたいのだが、

 

mekasue.hatenablog.com


VR空間自体が「裏」ではなく「もう一つの表」の空間である以上はエロをふりまくのは基本的にノーマナーだと判断されるからである。

 

簡単に美少女のパンツを覗き、胸に顔をうずめれる環境ではあるものの、昨今VRセクハラ議論が巻き起こる程その辺はセンシティブな事柄となってしまう。

 


一方「かわいい」に関しては縛るものは何も無い。

 

何より「かわいい」は現実世界においても最も価値のある物でもあるのだ。

 

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基本的にみんなかわいい。


日本人は基本的にかわいい物を求め、かわいい物に癒される。


かわいい動物の動画に癒されたことの無い人間は多分いないだろう。

 

「表の世界」において最も力を持つものは「かわいさ」なのだ
(少なくとも日本においては)

 

 

 

インターネット老人会とその趣向の移り変わり

 

さて、話は変わるが個人的観測範囲では私の幼少時代は「オタクは迫害を受けるもの」であった。


それがいつしか世にいわゆるオタクが溢れるようになり、だんだんと迫害が無くなっていった。

 

影響としては「涼宮ハルヒの憂鬱」、「らきすた」、「けいおん」等という話題性があるアニメが立て続けに放送されると共に、若者にSNSが普及して情報共有が積極的にされていったことが大きかったのでないか?


京都アニメーション様には頭が上がらない。

 

ただ、個人的な観測結果としては「そもそもオタクの絶対数は変わっておらず、コンテンツとしてより面白い物にウェイ気質の人間が大移動してきた結果、許容されるようになってきただけ」と思ってるのだが、とりあえずそんなことはどうでもいい。

 


このような状況の中、興味深い変化が起きている。


「作品のテーマとヒロインの扱い」についてである。

 

2000年代中盤~後半
それこそ涼宮ハルヒの憂鬱がアニメで放映されてから非常によく聞いた言葉は

「〇〇は俺の嫁

という文言である。

 

それからいつしか経った頃から全く聞かなくなり、

現在ではママを求め、異世界に転生しまくるようになり、筋トレに励むようになってしまった。

 

この現象は端的に

 

「成長する事柄しかなく万能感があった学生時代(大学を含む)を過ごしていたが、社会に出ると甘える場所は無く、自分は凡人であることを痛感すると共に自分の価値をなんとなく理解し、自らが輝けるフィールドを求めるもそんなものは現実には無く、しまいには体力すら衰えてくる」現象が順番に発生しているだけだと考えている。

 

まぁこの先こそが「バーチャルの肉体を手に入れることで自分の価値を回復させる(延命させる)」なので、順調に当時学生だった同世代が現実世界の厳しさを痛切に感じている最中と言えるのではないか。

 


◆「メスガキ」という価値観


このインターネット老人会が醸し出しているミームの中に一つ違和感がある人気コンテンツがある。


それは「メスガキ」というジャンルである。

 

ご存じ無い方ように説明すると


「えっちな身体付き(主観による)をしている生意気な女の子にけなされ序盤は一方的に肉体的・精神的にアドバンテージを取られるものの、最終的にはちんぽが全部ひっくり返して勝つ」という世界観のお話であり、これらの切れ端ないし全体が「メスガキ」というジャンルである。

 

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例としてあげやすいメスガキ界の重鎮、グリムアロエ(ボンバーガールは大好評稼働中です)

 

このメスガキというジャンルは問題点がある。


竿役がイケメンマッチョだと成立しないのである。

 

登場人物が徹底的にけなされないと成立しないため、イケメンマッチョだとなめられず、「大人をなめるな!!」というメスガキジャンル的決まり文句が使用できない。

 

印籠の出せない水戸黄門には何の魅力も無い。

 

 

また、少々の立場の逆転劇ではドラマ性が無い。


やはり物語として重要なのは一発大逆転的な高低差であり、圧倒的不利から小さな突破口(ちんぽ一本)で覆す様に最高のドラマがあるのだ。

 

 

おじさん達は半沢直樹の逆転劇に興奮し、郭海王の消力(シャオリー)は極限の脱力から極限の緊張に移行することで驚くべき破壊力を持つ。

 


と、なると半自動的に竿役の容姿が固まってくる。

 

現実世界で侮蔑される要素である「デブ、ハゲ」あたりが色濃くなり、そうすると我々が常日頃お見かけする竿役おじさんが爆誕する。


ミギーはいつも正しい。

ドラマ性を生むには竿役おじさんの容姿はこのように自動的に決まってしまう。

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ミギーはいつも正しい

 


と、するとこのような人気コンテンツなら当然VRChat内にもメスガキアバターで溢れて…

 

ないのである。

 

いや、正確にはあるのだろうが表には出てこないのだ。

 

 

 

◆「メスガキ」キャラクターの対象はどこに?


先に書いたように、「表の世界」おいて最も力を持つのは「かわいい」一択である。


皆がかわいいアバターとかわいいアバターを身に纏った時…

自然と百合やレズやおねショタといった二次産物的な価値観が産まれていく。

 


しかしメスガキはどうだろうか?


メスガキが二次産物的価値を生むためには、メスガキともう一人どうしようもないおじさんが必要なのである。

 

 

容姿が選べるVRでそんな「価値の無いおじさん」になる必要はこれっぽっちも無い。


ウケ狙いで選ぶことはあったとしても、常にその姿でうろつくことを選ぶ人間は今のところ発生しないであろう。

 

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使用して問題無さそうなメスガキ関連の画像がこのぐらいしかない

 

現実で目の前にメスガキが発生すればメスガキとなるのだが、バーチャルで目の前に発生してもただの痴女でしかない。

 

したがって、バーチャルの世界に今のところメスガキは存在しない。いるのはただの痴女である。

 


一方、そんなVRChat内ではとんとお目にかからない3Dメスガキキャラではあるが、Twitter上ではよくお見かけし、よく拡散されている。


何故か?

 

それはモニターの前の我々の肉体とキャラクターの間で「メスガキ」の関係性が成立してしまっているからである。


「メスガキ」キャラの流行はインターネット老人会の一つの分岐先なのだ。

 


◆「メスガキパラドックス」が示すところ


半年程度VR上での活動を続けてきて、VRは容姿以外は現実と変わりないものであり、将来的なもう一つの現実となることを半ば確信してきた。

 

しかし、この現実では成立しうる価値観が逆にバーチャルで成立しなくなるため、バーチャル⇔現実間を行き来すると破綻してしまうというこの「メスガキパラドックス」とでも言うべき現象を見つけてしまった。

 

等しく職業選択の自由を与えられた際に誰もがブルーカラーな仕事をしたがらないだろう。


この「メスガキパラドックス」はこれまでおじさん達に与えられなかった部分の機会均等を与えられたが故の新時代の問題である。

 

昨今は急激に「平等」という大義名分の基に過去の文化が破壊されてきた。


それは喜ばしいものが大半を占めるが、中にはただの自分を棚に上げた他者への当てつけという事柄も目立つ。


バーチャルの世界で謳われる新時代の「平等」は一体どんな価値を生み、同時にどんな苦しみを生んでいくのかは今後も注目していきたいところである。

Unityよわよわ勢がVRChat上で服を着替えるのに挑戦してみた話

「Unityよわよわ勢が服を導入するまでに困った箇所を知りたい」との要請を受けましたのでこの記事を書いてます。


同じよわよわ勢や、説明書を書きたいつよつよ勢の参考になればと思います。


この記事は決して各作者様を中傷したりする記事ではありません。
基本的によわよわ勢の思考回路の方がイカれとるのです。そこをお間違え無く。

 

※2020/5/12追記

近頃検索による来訪が増えているため、混乱しないように軽く追記を入れます。(追記は青字で入れます)

筆者の体験談のお話ですので、内容は変えません。

 

この記事ではUnity 2017を使用しております。

追記時点のVRChat用バージョンはUnity 2018.4.20 fになってますが、基本的な概念は変わってません。

唯一の注意点としましては、PrefabファイルをHierarchyに入れた際、初期は青いボックスで表示される(編集不能になってる)ので、右クリック⇒Unpack prefabして編集出来るようにすることぐらいです。

 

 


〇筆者の手持ちのVRChatスキル

アバターのアップロードが出来る。
参考:

keiki002.com

 

アバターに物を持たせたり出し入れが出来る。
参考:

shiasakura.hatenablog.com

 

☆ワールドの作成方法を一応知っている。

 

Blenderで簡易なアバターを作成しUnityに持ち込んでVRChatにアップロードすることができる。
参考:ワニでもできるモデリング for VRChat (この一連の動画はBlenderやUnityを使用するためだけではなく、VRChatで遊ぶ上で本当に有益だと思います。)

www.youtube.com

 

 

 

2019年11月某日

私の脳天に衝撃が走った。

 

 

『ポチポチ押してるだけでVRChatの着せ替えができちゃう~~~?』

 

私は普段別段Unityや3DCADソフトに特化している業務をしているわけではない。


機械の扱いは嫌いではないが、データさえ出れば問題無いと思いながら動かしてるので肝心な箇所以外はかなり雑に事をこなす。


そんな雑な私にとってVRChatでの行動には大きな苦痛が伴う。

 

思えばアバターを購入するも、最初に購入したアバターはカスタムオーバーライドエンプティーが設定されておらず、表情を出すまで苦労した。


アニメーションオーバーライドで物を出し入れするのさえ最初は苦労した。

 

VRChatをご存知無い方は何を言ってるか分からないだろうが、このゲームは常に何かを導入するためにはUnityというゲームエンジンと向き合うことが常に求められる。

場合によっては3DCGソフトの活用も要する。

 

そう、VRChatはいちいちひたすらに面倒くさいのである。

 

 


そんな私にとってUnityやBlenderと向き合わず「ポチポチ押してるだけ」の脳死行動で事を成せるツールというのはまごう事なき""神ツール""なのだ。


記事の説明も分かりやすそうだし、ツールの説明もものすごいシンプル…
これは期待できる!と即行動に移した。

 

※2020/5/12追記 

現在は結構色んな着せ替えツールが出てます。

基本的には利便性向上のマイナーチェンジですので(根本的なシステムは変わってないので)、やってることは変わりません。

 

今回使用するモデルは心街さん(@kokoromati_orz)のモデル『きんつば』ちゃん

 

着せようと思ったのはこちらの『パーカー』である。

booth.pm


とりあえずブログに書いてある手順通りにUnityに「VRChat SDK」、「アバターモデル」、「服モデル」、「対応するシェーダー」、「AutoDresser」を入れていく。


アバターモデルの上着をチェックボタンで脱ぎ脱ぎさせて、服を上に持ってきて…

 

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ん???

 

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これからの格闘を予感させる

 

ん~~~???

 

これはZENさんの動画(※上記のワニでもできるモデリング動画)で見たことあるゾ~~~…


Aポーズというやつだな

一方、服はTポーズ…


いや、問題無い

 

何故なら私は今"神ツール"を持っているのである。
ポチポチしていれば多少の問題等全て吹き飛ぶ!故に神ツール!

 

説明書に書いてる通りClothのHipを持ってきて…
Body Objectを設定して…

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よし!Dressing on!!

 

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なんかダメそうな感じがもうしますね

ん~~~~~?????


いや、一見ズレてるように見えてるけど多分VRChatに持って行ったら反映されてたりするんでしょ?


流石に大きさは後で調節しなきゃならないだろうけども

何せ""神ツール""だしな~~~無敵なんだよな~~~

 

よーしアップロード!
とりあえず着れてるか確認!

 

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ダメみたいです

 


まぁ…

まぁまぁまぁ…

 

現状分析していこうじゃないですか…
こんなの日常茶飯事ですよね…

 

動いてみると服自体はついてくる。
そしてクネクネしてみると、どうやら腰のあたりだけ張り付いているっぽい。

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腰を曲げたら一応服はついてくる

 

「Auto Dresser」の設定の時にHipボーン指定はしたから、ここだけくっついてる感じなのか…?

 

とりあえず1回脱ぎつつ、服の方に付属してる説明書も読んでみるか…

 

あ、なるほど。
Dressing on⇔offするとパーカーの紐づけされる階層が変わるのね

 

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アバターの服のデータって、大体各アバターのすぐ下の階層についてるのでやっぱりツール自体は動作してくれてるっぽい。

 

んじゃ服の説明書はっと…

 

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ついてきた説明書の一部抜粋


うお~~~分かんね~~~


なんだそのアバターがボーンだけになってる編集画面は!
QWER系統の変形移動ショートカットって何~~~
ググっても出てこね~~~

 


まぁとにかく「服にボーンが設定されてるので、それをアバターのボーンに合わせれば動く」らしい

なるほど。


手に物を持たせる場合は、手のボーンの階層にオブジェクトを放り込んでやるんだから、道理だ

 

しかし、服ってアバター本体の階層に紐づいてるよな…各ボーン設定するのどうするんだ???

 

そしてやっぱり「Auto Dresser」だとHipのボーンは追従できたけど、その他のボーンが追従出来てなかったってことか…


ちょっと他の資料をまた探しましょう。

 

 

www.pixiv.net

「スキニング済み」か否かで着せ替え方が変わるかが全く分からん(多分変わんないんじゃないかと考えてる)のだがこれを読んでた。

ん!?!?!?!?

 

>着せ替え服(Humanoid対応済み)

 

Humanoid対応とは???

 

ygr.jpn.org

次にこれを読んでた

 

>Unityの規定するHumanoid形式では、あるボーンの配下にあるオブジェクトはそのボーンに追従すること、そして何らかのボーンとスキニングされたメッシュはボーンに追従することを利用して、着せ替えシステムが考案された

 

これじゃん!!

ってことはやっぱり服にアバター本体と同様のボーンが構築されてる必要があって、追従させる必要があるっぽい。

 

 

このページにあった参考ツイートを追従

>①着せ替えたいアバター(頭のみ)と衣装の両方をhumanoidにします。

 

これ一番大事じゃん~~~~~~~

 

そんでパーカーはデフォルトでhumanoidになってないじゃん~~~~~~~

勝った!コレ勝ったでしょ!

 

 

パーカーをhumanoidにして…

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もっかい「Auto Dresser」でHipボーン振り分けして…

よしっ!アップロード!!

 

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まだダメみたいです

はーーーボーン追従してないーーー


いやまて、この「Auto Dresser」、これまで神ツールと崇めてきたが、所詮はプログラムの一つ


どうにかして各ボーンを連動させるために識別するアルゴリズムがあるはずだ…

 

いや、そんな高尚なものじゃなく、僕なら同じ名前のボーン紐づけするが…

 

とりあえずボーンの名前見に行くか。

 

アバターのモデル選んで…Animation TypeはHumainoidになってる。
で、骨の構成確認はたしかConfigure押して…

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ZENさんの動画で見たことある構成だな?

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きんつばちゃんのボーン構成


次にパーカーも同様にConfigure押して…

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ん?????

 

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パーカーのボーン構成

 

ここでZENさんの動画で見たセリフが浮かんできた

「VRChatではこのUpper Chestというのは使わないので…」

 

なんか紐づけされとるが?

と、いうかアバター側と全然ボーンの名前が違うが…?

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犯人コイツらか~~~???

とりあえずアバター側のボーンに合わせて対応しそうなボーンの名前を一つずつ統一していく
(Configure上のボーン名はBlender側で設定した名前が反映されてるだけっぽいので、Unity側のボーン名を揃えるだけでいけた。)

 

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ボーンの構成をアバターと合わせる



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ボーンの名前もアバターと合わせる

 

全部変えたら保存して…

もっかい「Auto Dresser」を適用!

 

いや~~~これでいったでしょ!
アップロード!

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追従を開始しました


やったね!!


後はAスタンスのアバターをTスタンスにしなきゃだけど…
さてこれはどうするのかねー…

www.pixiv.net

アバターの上腕を回転させTスタンスにします。

 

どこでやんねん!!!

いやまぁ、でもこれは大体分かる。

 

アバターはUnity上で各ボーンの大きさをある程度いじることが可能なので、多分この辺を回転すれば…

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できました~~~

 

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この時点でもアップロードして確認するといいですね


後は同様に服の大きさを変えて、体に合うようにしていくだけですね

 

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各部位を調整することで、体への食いつきがよくなります



これにてUnityよわよわおじさんのお洋服着せ替え完了…!

 

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と、いうことでよわよわ勢の思考回路、いかがでしたでしょうか?


VRChat想定アバターの服の着替え方にもどうやら流派があるようですが、こちらのツールを使ったお着換えの手順を私なら以下のように示す感じになります。

 


また、この際の最低前提知識は「VRChatにアバターをアップロードしたことがある」です。

 

1. 準備編 各種ツールのインポート(ここはほぼ説明しないで省く)
1-1 VRChat SDKやDynamic Bornといった基本ツールをUnityにインポート。
1-2 アバターと服に必要なシェーダー(描画ツール)をインポート。(こちらは多分販売先のマニュアルに記載)
1-3 アバターと服をUnityにインポート
1-4 AutoDresserをUnityにインポート

 

2. 操作編
2-1 Humanoidであることの確認
2-2 各ボーンの名前の一致の確認
2-3 Auto Dresserの操作方法
2-4 ボーン追従確認

 

3. 調整編
3-1 アバターの調整方法
3-2 服の調整方法

 

4. アップロード(ここもほぼ省く)

 

「コレもっとこれ大事だよ!」みたいなことあったらコメントにて指摘お願いします。
色々試してみることにします。

 

 

※2020/5/12追記

多分この記事通りに服を着替えられるようになると「服から身体がはみ出るのをゼロにしたい!!」「もっとスマートに服が着たい!!」といった欲求が出てくると思います。

そういう時に大活躍するのががとーしょこらさんのMeshDeleterWithTextureです。

booth.pm

 

どうしても動いたらハミ出てしまう場所をこいつで塗り塗りして内側のメッシュを消してしまいましょう。

 

また、「別のアバターの服を持ってくる」みたいなことをする場合は火事屋さんが書いてるnoteに詳しく記載されています。

正直最初に取っかかるにはちょっと難しいですが、この記事を読んだ後なら、なんとなく理解できるようになってるかもしれません。

MeshDeleterWithTextureの詳しい使い方もこちらに記載されてますので、参考にしてみてください。

 

火事屋note

VRChatアバター改変:非専用お洋服の着せ替え方法

note.com

 

それでは楽しいVRChatライフを!

「VRデビュー」の危うさを問う。君はアイドルになる覚悟はあるか?

あいも変わらず色んな所に顔を出してブツブツ考え事をしているのでその結果を書いていく。

今回は割とネガティブなことを書いてるので不快感を感じる方がいるかもしれません。

特定の誰かのことを言っているのではなく、ただの僕の中での考え事のアウトプットです。

 

≪目次≫
①人格形成と「表」と「裏」
高校デビューは本当に人を変えうるのか?
バーチャルリアリティーは虚構か?はたまたもう一つの現実か?
VRデビューは希望をもたらすか?
⑤君は「アイドル」になる覚悟はあるか?

 

 

①人格形成と「表」と「裏」

 

日常生活において皆さんは表の自分と裏の自分について意識をしたことがあるだろうか。

 

中には裏表の無い人もいるかもしれないが、大体の人が裏の自分を持っているだろう。

こう書くとSNS上の裏アカウント的な想像をするかもしれないが、そうではない。

 

一見友好そうに接していて裏では陰口を言う。


そういった日常当たり前のように行われている行為は「裏の自分」によるものである。

 


「裏の自分」は「不本意ながら意にそぐわない行為をすること」や「真なる目的のために嘘をつくこと」で発生する。


また、いわゆる「表裏の無い人」は好きなものを好きと言い、嫌いなものを嫌いと言い、目的が明確であり、自分が自分の意と行動に常に一貫性が取れている人のことである。

そう言われると現代社会で裏表が無い人は、まぁ、いないのではないか。

 

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いつも大体こんな感じなので表裏は比較的無い方に思う。「hなhとA子の呪い」より

 


読んでくれてる貴方も表と裏を持つ人だろう。

だが、実際これは全くもって問題が無い。

 

表裏一体と言葉もあるが、裏は表が無くては存在できず、表もしかりである。
自己はこういった表裏を抱えることで形を保っている。

 

表と裏は必ず50:50ではなく、30:70だったり、またその逆だったり

表裏が無い人は、表ないし裏の配分が限りなく100に近かったりするのだろう。

 

とにもかくにも人はこの表と裏を上手に抱えて生きている。

 

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P5Rは2019年10月31日発売です。予約しような!

 

 

②「高校デビュー」は本当に人を変えうるのか? 

 

さぁ問題はここからだ

 

この表と裏の人格形成は産まれた時から継続的に行われている。

性格、というより衝動性に関する遺伝というのがかなり色濃く存在すると考えているが、最も影響するのは結局は生育環境であろう。

 

生物である以上、当然痛みは苦しみは避けたい。
その避け方を痛い目を見て反復して学習していくことで人格が形成されていく。

 

表で取り繕い、裏で帳尻を合わせる。どうしようもない箇所は見えない所に捨てに行く。
かつて王様の耳はロバの耳と井戸に叫んだ少年は、今はSNSで鍵アカウントを作って叫んでいることだろう。


そんな積もり積もったその人の生き方自体が「人格」であると私は考える。

 

突然人は変わらない。
変わる時というのはその人の生き方が根底から崩れた時だけである。

 

変わらざるを得ない瞬間、というのは存在する。
大抵の場合は病気である。

 

人はみんな生きてる限りは死亡率が100%なわけではあるが、明日自分が死ぬわけが無いと信じて疑わない。

明日、自分が死ぬかもしれない。そんな確信が人格を揺るがせるのである。

 

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現実を確信し、それを受け止めるときに人は変わる。「ひゃくえむ」より

 

しかし、世の中にはこの簡単には変わらない生き方自体を自発的に「変えよう」とするための言葉が存在する。


高校デビューである。


別に高校じゃなくて構わない。大学でも中学でも社会人でもいい。
「〇〇デビュー」は自分の事を誰も知らない土地で新たな自分を突然発生させる行為である。

 

節目に思い切った行動を取ってみたりするのは本人の自由であるのだが、私はこの「〇〇デビュー」をしようとした経緯にこそ大きな問題を孕んでいると考えている。

 

それは「〇〇デビュー」に付随する条件である。

 

『自分のことを知っている人がいる場所ではできない』

 

これが極めて致命的な問題である。

 


例えば「容姿を大胆に変えるだけ」であれば何の問題も無い。

それは「〇〇デビュー」というよりイメージチェンジの領域であり、外見の変化のみでは内面を変化させるわけではない。

 

もちろん外見を変化させることで、新しい出会いや発見があることで内面に変化をもたらすことになると思うが、それはこれまで積み重ねてきたものの結果であるので何の問題も無い。


自分のことを知っている人がいない場所での「〇〇デビュー」
これはいわば『人格のリセット』に他ならない。

 


これまで十数年間積み重ねてきた自身の人格の放棄と再構築。


人格の形成の仕方がある程度本能的に理解できている「強くてニューゲーム状態」とはいえ、そんなに上手くいくものだろうか?

 

私個人の意見としてではあるが、とてもじゃないがオススメできるものではない。

 

人格を「箱」に例えると、新品の箱はペラペラで重みが一切無い。


積んでいるべき経験が一切無いのである。簡単に吹き飛んでいくので、経験の代わりに「嘘」の重石を敷き詰める。

 

恐らく上手くいくケースは、嘘の重石で保っている間に必死で経験を詰め込み、人格に自分が追い付いた状態である。

 


しかしよく考えてほしい。


そもそも新たな人格を用意し、嘘を敷き詰める必要があったのか?

元の人格に次々と経験を取り入れ大きな人格を形成すればいいだけだったのではないか?


お察しの通り、まずまずこうは上手くいかない。
大部分の人はペラペラのまま自身の信用を切り売りし、追い詰められていくのである。
(詳しくはプライド分散理論を参照)

mekasue.hatenablog.com

 

 

 

バーチャルリアリティーは虚構か?はたまたもう一つの現実か?

 

さて、私が何故この話を今更語ろうとしたかというと、タイトルにもある通りVRによるチャットツールを扱う上で将来起こりうる危うさを目にしたからに他ならない。

 

VRChatをガッツリやってみて理解出来てきたのだが、もの凄く不思議な現象に遭遇しているのだ。

 

FacebookInstagram等の台頭により実名による表の人格とリンクしたインターネットの活用がかなり進んでいるものの、インターネットの本質は裏の自分の発散場所である。


表でおおっぴらにできない趣味や嗜好を追い求め、時に毒を吐き特に弱味を見せる。

 

これらはインターネットがある程度確保してくれている匿名性がもたらしてくれる恵みであり、全て人格の「裏」の部分の維持に一役買っている。

 


多分この「インターネットが人格の裏の部分の維持をしてくれてる」っていう感覚は多くの人にご納得いただけるのではないかと思うのだが、ではVRはどこを担っているのかと聞かれるとどうだろうか。


結論から言うとVRは主に「表」を担っていた。


インターネット上のコンテンツであるにもかかわらずである。

 

何故か?

 

バーチャルリアリティー」の名の通り、VR上で行われているのは、ただの外見を変えただけのリアルと相違無い交流会である。


すなわち、先に語ったただのイメチェンに他ならない。

 

私も以前「陽キャが自撮りをす理由が分かった記事」を書いたが、外見が変わったので、気持ちが理解できたのだ。

mekasue.hatenablog.com


ただそれだけである。


一方、外観がかわいく統一されているだけに、外観以外の人間臭さはもの凄く色濃く反映される。


特に喋り方、態度、話題、思想。


何なら「常に面接しているようだ」とすら思える。

 

面接が「スーツに統一して、極力外見上の個性を消した上で人間性を判断しようとしている」のであれば、VRChatは外見をかわいく統一して同じことをしている感覚に襲われているのだ。

 

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恐ろしい程に「喋り方」に人格は顕れる。「少女ファイト」より

 

④「VRデビュー」は希望をもたらすか?

 

さて、ここで問題になってくるのがタイトルにもある「VRデビュー」である。


現状VR上には二種類の人間がいる。


「特定できる人間」と「特定できない人間」である。

 

特定というのは本人特定出来るかではなく、元来その人が持っているであろう表とも裏とも一切リンクが取れるかということである。

 

例えば、AさんはBさんとリアルで知り合いだとしよう。
そうすれば、AさんもBさんも表(ないし裏)でリンクが取れている。

 

例えばCさんのTwitterアカウントが長年使われてきたものだとしよう。
そうすればCさんも裏(ないし表)でリンクが取れている。

 

つまり、現実およびインターネットでこれまで使ってきた表ないし裏の人格と、VR上で使っている人格が明確にリンクしているため、人格に一貫性があり、乖離が起きていないのだ。

 


では特定出来ないの人間は何者なのか?

 

私は「VRデビューをした人間」だと考えている。

 


VR空間に新たな表の人格を作り、SNSで裏の人格を補完する。
これはリアルやネットとはリンクしない完全なる第2人格の構築である。

 

しかし、VR空間は先にも書いた通り「表の空間」である。
裏垢を作成し、裏だけで完結する活動をするのとは訳が違う。

 

発生した第2人格は「表」の人格なので第1人格の「表」と同時に存在することになる。
ただ、表の人格が二つ共存することは非常に難しい。

 

先に書いた大学デビューのように遅かれ早かれ人格の破綻が訪れるであろう。
新天地でも「空っぽの箱」である以上は新たな人格を確立し得ない。

 

VR」がまだ「もう一つの現実」であるが故にである。 

 


ただ、一つだけ道があるとすれば

新たな人格を別に確立出来る方法があるとすれば


それはアイドルになることである。


誰かの理想であり、誰にも干渉されない非現実的な存在。


現実において新たな人格の形成が出来ないのであれば、非現実に新たな人格を形成すれば良いのだ。

 

当然アイドルの場合でも新たな人格を確立しなければならないため、血反吐を吐く努力は必須なのであるが…

 

人格を維持するならばアイドルであり続けなければならない。
それは「人間臭さを見せるな」ということではない。

 

皆を夢中にさせ続けれるような存在にならなければならないということである。

 

と考えてたら私の中で一つ答えが出てしまったのだ。

 

 

「これってVtuberだ」

 

 

⑤君は「アイドル」になる覚悟はあるか?


多分これから先ARやVRといった技術はより日常に同化し、当たり前になっていくだろう。
それでもこれだけは覚えておいてほしい。

 

現実がある故にバーチャルがあるのだ。

 

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現実を認識した先に現実から逃げる答えがある。「ひゃくえむ」より

 

これは今のところは反転し得ない。多分肉体が滅んで魂をバーチャルに持っていけない限りは。


すなわちどんだけ技術が進もうがリアル:バーチャルの比率は50:50で今のところは打ち止めである。

 

現状安易にバーチャル空間に新たな人格を形成するのは危険が伴うと考えざるを得ないのだ。


それでも進むというのなら私は止めたりしない。

君がみんなのアイドルとなるのなら、それが多分一つの答えだからだ。

ド田舎に住んでるサラリーマンが新しいゲームコミュニティーを作ってみた話(『キャサリン』のケース)

EVO2019お疲れ様でした。

 

格ゲー、なんだかんだで取り組んでるんですけど、この2年間は「格ゲーおじさん」と言うより皆さんから「キャサリンおじさん」として認知された2年間でした。

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キャサリン・フルボディ好評発売中です

BBTAGでEVO最終日、ラスベガスのマンダレイ・ベイのイベントセンターの舞台に立てたことは心から嬉しかったですが、今回のAnimeEVO2019『キャサリン・クラシック』部門7位入賞出来たことも同じくらい心から嬉しかったです。

 

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壇上でガッツリ宣伝してました(着ていいか運営に事前に確認も取りました)

 

そんなこんなでこの2年ぐらいは徳島の中でも更にド田舎で生活しながら、日本における対戦人口がほぼ"ゼロ"だった「キャサリン」の対戦の布教活動をしつつ、なんだかんだ色々やってた人の「考えてたこと、行動してみたこと、実現したこと」を色々まとめとこうと思います。

 

これまでの活動の備忘録みたいなものになりますが、多分、今後「新しく出来た競技を盛り上げよう」と考える人にとっては有益な記事になるんじゃないかなと思います。


はじまり(2015年)

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Key Event:Evolution Championship Series(EVO)

EVOは毎年7月~8月頃にアメリカ・ラスベガスで開催される格闘ゲームメインとした世界最大級のトーナメントです。競技の参加人数は1万人をゆうに超え、3日間朝から深夜まで選手達は闘い続けます。

 

全てはEVO2015に行ったことで始まりました。


当時はギルティギアをメインの競技として取り組み参戦しましたが、「サイド種目も参加すると面白いよ」との助言を受け色々登録してみることにしました。

 

するとそこには「キャサリン」のロゴが…

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当時のサイドイベント表の一部

PS3版「キャサリン」は傑作パズルゲームとして有名でしたが、クリア後のおまけモードである対戦モードに関してほとんど認知されてませんでした。

そもそもATLUSのゲームをプレイするのは世界観が好きだったり、歯ごたえのあるゲームをプレイするのが目的の人がほとんどで「ソロゲーマー」が多いのです。

クリア後のおまけモードであり、オンライン対戦が搭載されてらず、コントローラーを二つ繋がなければ起動すらしないこの対戦モードをプレイしたことのある人は皆無と言ってもいいぐらいでした。

 

しかし、私は2度程大学の友人と遊んだことがありました。

「このモード知ってる?1回遊んでみたいんだけど…」

と友達と遊んだ時、お互い大爆笑しながら対戦を楽しんだことを覚えています。

 

そんなこんなでエントリーしたEVO2015「キャサリン
大会にもかかわらず隣のプレイヤーと一緒に大爆笑しながらゲームを進め、3回戦で敗退してしまいました。
(当時サイドトーナメントもダブルイリミネーション制度であることを知らずそのまま不戦敗)

負けてからも大会観戦してると、どんどん競技のレベルが上がっていき…
この時に「キャサリン」というゲームの画期的な面白さを再認識し、「こんなゲームだったのか!!」と更なる奥深さを思い知らされたのです。

 

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一つの画面で二人の羊が登り合い、落とし合う。


2015年のEVOが強烈に面白かったため、私は毎年EVOに行くことなるのですがやはり毎年「キャサリン」にエントリーすることになりました。

年々レベルが上がっていき、数多くの名勝負が生まれました。

また、競技が盛り上がったこと、主催者が非常に精力的に活動していたことにより、アメリカの代表的な大規模格闘ゲーム大会であるCEOやFrosty Fausting、Genesis等でサイド種目として遊ばれました。

 

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勝利確定条件が揃うと暇になるのでみんなでセルフィーを撮る

 

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Key Person:Dacidbro

DacidbroはBLAZBLUEGUILTY GEARといったアークシステムワークス系ゲームを嗜む米国のトッププレイヤーの一人であり、アメリカのキャサリンコミュニティーを引っ張ってきた人物です。オーガナイザーとしてだけではなく、幅広く活動されています。

 

Red Bull Gaming 様の記事

米国で盛り上がる『キャサリン』 | Games

 

 

コミュニティ立ち上げの決断。EVO Japanのサイドに応募(2017年~2018年)


そして2017年の秋、転機がやってきました。
日本で初めて開催される『EVO』、『EVO Japan 2018』で開かれるサイドトーナメントの募集が始まったのです。

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Key Event :EVO Japan

EVO Japanは2018年から毎年1月~2月頃に日本で開催されている前述のEVOと同様の形式の大会です。2018年は東京、2019年は福岡で開催され、来年2020年はまた東京に戻って開催予定です。


当時「キャサリン」の対戦モードをまともに遊ぶ気でいるのは日本では僕一人。
2011年発売の古いゲーム。
ゲーム大会を開催した経験も無い。

 

参加者なんか集まるわけが無い。いきなりトーナメントを開催するなんて正気じゃない。
誰もが思うと思います。

 

でも、心の底から本当に面白いと思うこのゲームがこのまま遊ばれなくていいのか?
いいわけがない!

 

ただ、自分が大好きな作品に対して泥を塗るような行為だけは絶対にしたくない…


やるなら徹底的にやらないとより大きな後悔をすることになることも見えていました。

締切ギリギリに申し込んだ後、採択の可否が出る前に私は動き出しました。
申し込みは勢いのまま行ったものの、勝算が全く無い訳ではありませんでした。

 

一つ目はこのゲームが持つ潜在的な競技プレイヤーの分母の大きさ。


二つ目は海外勢が残してくれている熱い戦いと実況が入った動画達の存在。


三つ目は呼ぶことさえ出来れば心強い味方の存在。


四つ目は『これは面白い』と思ったことは大体3年後に動きがあるという私自身の嗅覚でした。


まず最初にEVO Japan 2018での大会のコンセプトを策定しました。
『EVOでしか出来ないことを日本に。EVO Japanでしか出来ないことをこの場所で』というものでした。


次に採択決定までに急ピッチでプロモーションビデオを作成しました。
私自身が観戦してて思い入れのある、面白かったシーンを集めたものです。

 

そうこうしてる間に神風が吹きました。
開発元のATLUS様からキャサリンの新作「キャサリン・フルボディ」の発表があったのです。

嗅覚が功を奏した結果となりました。

 

急いで呼ぶことさえ出来れば心強い味方にアプローチをかけることにしました。

その人とは、声優の磯村知美さんでした。

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Key Person:磯村知美さん(イソッチさん)

磯村知美さんことイソッチさんは大のアトラス作品フリークとして知られ、数多くのATLUS公式Web番組の司会を務める声優さんです。


なんと、日本ではほぼ観戦者がいなかったと思われるEVO2015から毎年オンタイムでキャサリンの対戦を観戦されていただけでなく、格ゲーではBLAZBLUEシリーズで「マコト=ナナヤ」役も務めてらっしゃることからもEVOとの親和性がバツグン…

まさにこの人しかいなかったのです。この人じゃないとダメだったのです。


様々なご助力もあり、イソッチさんの事務所とコンタクトが取れ、スケジュールを抑えることが出来てから更にスピードが上がります。

 

キャサリンの大会を開くのはいいのですが、やはりレベルの高い対戦の方が見ごたえがあると考え、全体の対戦レベルの底上げを目的とした簡単な観戦・攻略ガイドを作成し、GOZILINE様で公開させていただきました。

 

goziline.com

 

Key Group:GOZILINE

GOZILINE様は「ゲームを最大限に楽しむ集団」を名乗り、その名に違わず常に一歩先の楽しみ方を模索し続けてるライターさん方の集団です。

 

この記事は実際功を奏し、結果としてEVO Japan2018で上位に残った人々は基本的に「記事を見て練習してきた人達」となり、試合内容にも確かな深みが生まれることとなりました。


そんなこんなと精力的な広報をしていたところ、株式会社YOUDEAL様が製作するEVO Japanの特集番組にお呼ばれすることとなりました。
現地にいたのはアルカプからABEGENさん。キャリバーからハアロウ君。らんまからゆいけーさん。
非常に高いモチベーションで大会準備を進めているお三方からエネルギーを戴き、勉強させていただきました。

 

https://youdeal.co.jp/

Key Company:YOUDEAL

YOUDEAL様は東京都内にスタジオ及び機材を所有し、配信代行業を行っている企業様です。自社で番組を企画し放送を持っていたりもします。

 

企画および当日の動きを固め、ATLUS様から豪華な賞品の提供をいただき、ついに当日を迎えることとなりました。

旧友であるらいらい君の家を拠点とさせてもらい、大量の基材を運び入れ、ぶっつけ本番の任務を粛々と遂行しました。


現地にATLUS社員さん達が視察にも現れプレッシャーが増大していく中、トラブルに次ぐトラブルに頭を抱えながら、何とか予定通りトーナメントを遂行することが出来ました。

お手伝いをかって出てくれた鮭ふれーくさん、けい君、何よりトーナメント運営から機材トラブルの対処までヘルプで入ってくれたYOUDEALのでぃさんには今でも感謝しております。

 

4Gamer様のレポート

www.4gamer.net

 

Red Bull様のレポート 

 

日本での初代『キャサリン』覇者は江戸川さんとなりました。
この後、彼には事あるごとにお世話になることになります。

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Key Person:江戸川さん(キャサリン初代覇者)


終了直後、全てのプレッシャーから解放され年甲斐も無く大号泣してしまうと共に、ヘロヘロになりながららいらい君の家に帰ると鼻から口から尻から血が吹き出し「2度とするまい…」と床に突っ伏していたのが懐かしく思います。

 

 

コミュニティーを広げる。新作発売までの動き(2018~2019年)

 

EVO Japan2018の終了後、次の目標は明確となりました。
新作「キャサリン・フルボディ」の発売までに、キャサリンの対戦モードについて出来る限り知名度を上げていく必要があると考えました。

 

まず最初に対戦会を開催してみることにしました。

 

第1回は比較的徳島から近く、車で機材運搬が可能である大阪でスペースを提供していただける場所を探しました。
「キャサリン」の雰囲気に合ったバーを中心に探し、無事許諾を得て開催することが出来ました。

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が、SNS上で積極的に活動しましたが、やはり一個人での拡散力では限界があり、もの凄いやる気のある方々は遠方から足を運んで来てくれたのですが、ごくごく少人数での会となってしまいました。


やはり人を集めるとなると東京に行くしかないのか…しかし大阪と違って土地勘やツテが無く、場所を借りるにも…


と、頭を悩ましていたところ救世主が現れました。

 

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Key Prace:Red Bull Gaming Sphere Tokyo

Red Bull Gaming Sphere Tokyoはゲーミングシーンを構築する人に可能性を提供する施設です。


ゲームイベントを開催する際にネックとなるモニター、配線類、ネット回線等の貸出も担っていただいており、やる気さえあればどんなイベントでも開催が可能となります。
田舎に住んでいた私が東京で機材を調達することは至難の業でしたが、配信用PCと大量のPS3を用意するだけで立派な大会が開催可能となりました。


そうと決まればすぐさま宣伝のスケジュールを立てました。

 

まず検索すればすぐに出てくるような大会名として、海外勢にも分かるように『Tokyo Pillow Fight』と名付けました。

 

また、大会をイメージした宣伝用のチラシをよぬ石さんに依頼することにしました。

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Key Person:よぬ石(@yonuishi)

よぬ石さんは以前より格闘ゲーム関連のファンアートを多数アップロードされており、キャラへの愛情溢れる躍動感のある画だけでなく、動物と人をミックスした画を得意とされている方です。


この依頼後、わざわざPS3版「キャサリン」を買ってきてクリアしてくれる等、ディティールにこだわったチラシを作成いただきました。
(海外勢にも非常に評判が良く、依頼した私も鼻高々でした)

 

また、更なる知名度の向上と対戦内容の高度化を目的としてEVO Japan時より高度なプロモーション・攻略動画の製作を行いました。

 

 

この際の動画の作り方が功を奏したようで、この動画はかなり拡散され、知名度は一気に上がっていきました。

 

当日はATLUSファンのスタッフの方がノリノリでピンクのライトを焚いてくれて、非常に良い雰囲気の大会を開催することができました。

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こうして開かれた第1回キャサリン対戦会 Tokyo Pillow Fightは更なる連鎖を巻き起こしていきます。

 

 

時が少し前後しますが、2018年8月、私は例年通りアメリカ・ラスベガスに渡りEVO2018に参加しました。


毎年と違ったのはアメリカのキャサリン勢の歓迎具合でした。

大会前後、キャサリン勢の部屋に呼ばれ、何時間と連続で対戦をし続けることになりました。


例年キャサリンの対戦は動画で観察しており、今年は国内での対戦相手もできたのでそれなりに自信を持って行ったのですが、海外では更にセオリーやテクニックが進化しており、全く太刀打ちできませんでした。

 

特に初代絶対王者Dacidbroを抑え新たな"Catherine King"として君臨しているShasは中でも圧倒的で、1時間以上対戦して1本たまたま取れる程度でした。

この年、EVOのアフターパーティでもShasとDacidbroの新旧王者一騎打ちが開催されましたが、4-1のスコアでShasが勝利を納めています。

 

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Key Person:Shas

Shasは2016年のEVOのキャサリントーナメントを見て「俺なら勝てる」と確信し、トーナメントに乗り込んできました。彼は有言実行し、自身2度目のトーナメント参加以後優勝し続けています。

 

こうして日本に帰国した私にまた一つ明確な目標ができました。

 

絶対王者であるShasと戦えるような隠れたプレイヤーを発掘すること。

PS3版で追いつくのは至難の業でも、新作において日本と海外の実力が拮抗するような図がベストだと思い描くようになりました。

 


日本に帰国し、初の東京での対戦会の終了後、「キャサリン・フルボディ」の発売時期も固まると、東京ゲームショー2018で大きな発表がありました。


一つはときどさんが宣伝大使として起用されること。


もう一つは宣伝を兼ねたATLUS公式の大会が開催されること。

 

 

Key Person:ときどさん

ときどさんは説明するまでもなく有名なストリートファイター5シリーズで活躍する"東大卒プロゲーマー"です。

 

〇ときどさんのキャサリン(TOPANGAでの個人配信)

 

〇ときどさんが挑むキャサリン・フルボディ

 

ときどさんが真面目に取り組む「キャサリン」配信は大変面白い配信となりました。
ゲーム界のトッププロが色んなゲームに挑戦する配信は多々あり、僕もよく見てますが屈指の内容だったと思います。

 

そして念願の公式大会ですが、なんと前述したRed Bull Gaming Sphere Tokyo様で開催されることとなりました。


イベントの規模的なとこもあると思いますが、8月に開催させていただいたイベントで「対戦大会の進行」のイメージを共有できたことが大変大きかったのではないかと推測しています。

 

また、この公式大会の司会はいつものイソッチさん。そしてなんと私に解説役の任を与えて頂きました。
「流石に思い切りすぎてないか???」と思いながらも喜び勇んで務めさせていただきました。

 

当初「人、集まりますかねぇ…?」と心配しておりましたが、予想以上の参加希望者がいたようで結構な人数が落選しており…(申し訳ありませんでした)

ありがたいことに現場はかなり盛り上がっておりました。


トーナメントのベスト8の内、3人が女性という格闘ゲームではついぞ見たことない比率で進行しまして、やはりATLUSファンはゲーマー揃いだ…!と感動したのを覚えております。

 

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生放送での視聴者アンケートも「よい」が100%を記録することができました。
私個人としても大変貴重な経験をさせていただき、感謝しております。

 

翌日開催されたときどさんのトークショーでも、積極的にイベントに参加してくださってたセリーナさんがときどさんに年季の差を見せつける等、活躍しておりました。
彼女は以後積極的にコミュニティに携わっていただけることになります。

 

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Key Person:セリーナさん(@tkn0801)

セリーナさんはマルチジャンルを楽しむバイリンガルなストリーマーさんです。後述するキャサリンのイベントを開いてくださたりしている他、企業様の色んなイベントで活躍されたりしてます。

 

 

さて、そうこうしている内にEVO Japan2019の募集時期となりました。
EVO Japan2019の開催日は2月16~18日、「キャサリン・フルボディ」の発売日は2月14日ということで、世界最速で大会を開催する運びとなりました。

 

宣伝における鉄則は「初動が命」です。
初動が全てとは言いませんが、最初期に話題性のピークを持っていけるかが肝心というのは重々承知していました。

 

どうやって発売日に向けてプレイヤー達のモチベーションを高めていくのか。
発売後どう動いていくのが適切なのか。

これらをスピーディに判断しなければなりません。


EVO Japanが発売直後にあることは天啓と考え、持ってるだけの全てをそこにつぎ込もうと決断しました。

 

しかしEVO Japan2019の開催地は福岡…正直人が全く集まらない可能性もある…しかしそれ以上に大きな問題がありました。

 

大会のレギュレーションどうしよう???

 

この「キャサリン・フルボディ」の対戦モード、新ステージが追加されているだけでなく、キャラの挙動だけでなくアイテムの効果もかなり変わっており、結構別ゲーとなっていたのです。

 

これまで行われた試遊会や宣伝動画を解析しゲームの変更点をまとめた宣伝用動画の作成を急ピッチで進めました。

 
また、今回もよぬ石さんにポスター製作依頼をかけました。

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高騰する移動費やホテル代…最早最終兵器とも言えるイソッチさんを福岡までお呼びするにはどうすれば良いか動き回ることになりました。
(この際にも様々な方々にご助力いただいてました。本当にありがとうございました)


この間、プレイヤーのモチベーションを高めていくためにも更なる対戦会を企画し、開催しました。


1月に開催したTokyo Pillow Fight Vo.2はPS3版「キャサリン」を用いた国内最後の大会ということもありましたが、この大会では大きな事件がいくつも起こりました。

 

1つ目は開催を聞きつけた一人の男がはるばるアメリカ・テキサスから来日しました。

 

 

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 Key person:Linus

LinusはEVO2019から新たにオーガナイザーとして活動している男です。後述もしますが、日本のキャサリンコミュニティーに興味を持ち、以後彼を中心として積極的に交流しています。

 

アメリカでも対戦したLinusは、本場アメリカのキャサリンガチ勢の1角であり、日本で立ち上げたキャサリンコミュニティに興味を持ち来日してくれました。


逆に日本に対してその他のことはほぼ興味が無い状態で来日したようで、結果として滞在期間中は大会以外ほぼホテルから出ないという立ち回りを見せており「キャサリン・モンスターが来た…!!」と日本勢を騒がせました。

 

開催された大会でも圧倒的な実力差で優勝。
Linusが来たこともあり、かなりガチめな大会となりましたが、この回は女性プレイヤーのKEIさんが3位入賞を果たしています。

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その後は日本勢を宿泊先に招き、寝食以外はほぼキャサリンという生活を一週間続けて帰っていきました。

 


2つ目はときどさんの来訪でした。


「寄るかも」という噂は聞いていたのですが、「キャサリン・フルボディ」の宣伝の一環として実際に対戦会に足を運んでいただきました。


まさかストリートファイターではないゲームでときどさんと一緒に遊べるとは誰も思っておらず、参加者の皆さんも突然のサプライズに喜んでおりました。
その節はどうもありがとうございました。

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3つ目は様々なゲームのコミュニティリーダー達の来訪でした。


パズルゲーム関連が主でしたが、この時来訪されたふーひさんとは「キャサリン」で、わっちさんとは様々なゲームでこの後にお世話になることになります。

 

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 Key Person:ふーひさん(@Fuuhi78)

現在はウェルプレイド株式会社に所属し、eスポーツ関連の多ジャンルのMC・キャスターを担っています。また、そのゲームタイトルは多岐に渡ります。

 


また、私が「キャサリン・フルボディ」というゲームの対戦モードに対して何故期待感がこれ程強かったのかという考えを記事としてまとめて発表しました。

mekasue.hatenablog.com


この記事は多くの方に共有してもらい、大変好評いただきました。

 

キャサリン・フルボディ発売。活動を広げる(2019年~)


こうして迎えたEVO Japan 2019当日
福岡という地で、発売三日目の大会開催だったのにもかかわらず、多くの人に参加いただくことができました。


東京の方はこの大会に出るためだけにはるばるお越しいただけたり、山口勢の方々等は仲間同士でお誘い合わせて来ていただけたり、はじめて参加していただけたもたくさんいらっしゃいました。


またここでもATLUS様には随分お世話になりました…
私一人の力では開催出来ない大会でした。本当にありがとうございました。

 

「キャサリン・フルボディ」の初代優勝者はリノさんとなりました。

以後、このリノさんがキャサリン界を突っ走っていくことになります。

 

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Key Person:リノさん(キャサリン2代目覇者)


さて、前述のとおり、発売直後の布教活動が非常に重要です。

待ちわびたオンライン対戦機能です。
帰宅して意気揚々と繋げてみたところ…

 

「やべぇ…ほとんどまともに対戦できねぇ…」

 

唯一恐れていたことが発生してしまっていました。

キャサリンの対戦自体が非常に複雑な動作をするため処理が重くなること、
また、ATLUSはこれまでオンライン対戦機能を持ったゲームは作っていた経験が無く…

格闘ゲームでも初めてオンライン機能を導入したようなゲームがいきなり快適に遊べることなんてことはまずまずありえないのです。

 


現在は有志による検証につぐ検証により

PS4のシェアプレイ機能を利用すると比較的安定した対戦が可能である。
・結局使用されてる回線の問題である可能性が高く、朝や昼では比較的安定したネット対戦が可能である。

 ということもあり、土曜の朝8時~9時頃から毎週対戦会が開催されています。

 

そんなこんなでこれからの活動方針を練っていたところ、驚くべきオファーが舞い込みます。
「あのー…東京MXの有吉ぃぃeeeee!という番組の者なんですけど…」

なんと「キャサリン・フルボディ」の、しかも対戦モードを題材とした番組を地上波で放送すると言うのです。
番組を円滑に進め、盛り上げるための講師役のオファーをいただきました。

 

しかし「いつ打ち合わせですか???明日???」ということで流石に翌日東京打ち合わせは参加できません。

「キャサリン」の実績があって…ワンチャンテレビに出る可能性があり…説明もテキパキとこなせる人材…


私はすぐさま初代キャサリン覇者の江戸川さんに代役をお願いしました。

 

彼は既にATLUSの公式番組でときどさんやニッポン放送の吉田さんとも共演しており実績がありました。
二つ返事でOKしていただきましたが、まだ難関がありました。

 

収録当日、良回線の人が対戦相手にきてくれるかどうかは完全に運なので天に祈るしかないのですが、まだ発売して間もないゲームのセオリーとは…?

当時積極的に熱帯に参加していただいてたプレイヤー達を観察して答えをいくつか出させていただきました。
最も参考にしたのはMSTさん。

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Key Person:MSTさん
対戦会にも積極的に参加いただいており、発売後も格ゲー勢の独特の嗅覚で攻略を進めていらっしゃいました。
MSTさんは現在都内のキャサリンコミュニティーの中心人物の一人として活動いただいており、ローカルな対戦会などを主催していただいてます。

 

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後は情報を江戸川さんと共有して、説明がキャッチーになるようにテレビでよく使うようなフリップを作成して…
神に祈るのみ…

 

そして当日…祈りは通じました。
収録先の芸能人の方の回線環境も対戦相手の回線環境もよく、スムーズに収録が進んだようです。
放送の様子はこちらから

 

 
初動の動きはまだまだ続きます。

 

先のイベントに参加いただいたふーひさんにぷよぷよとキャサリンを括ったタッグパズルゲーム大会を企画いただきました。
池袋STORIA様で開催していただいたこの大会は交流会の側面が強く、新規の方々も多数参加していただいておりました。
その後第2回大会が開催され、こちらも好評だったようです。
キャサリン側の解説として江戸川さんにもご協力いただいております。

 

 

当時忍ismのストリーマーとなり活動していたセリーナさんにも「Saturday Faito Club」というキャサリン・フルボディの対戦会を主催していただきました。
宣伝用イラストもご自分でお書きになったようで…素晴らしいの一言ですね。

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こういった大会を自ら企画し、主催いただける方々は本当にありがたいです。
ここまで書いてきた方々以外にも様々な方に大なり小なりお世話になってますが、この"イベントの主催"については特別ウェイトが重く、努力してくださった方々だと思っております。

 

こういった各人の活動のおかげもあり、様々なジャンルからゲーマー達がキャサリンに集結してきました。
アルカプからChan-Cさん、3rdからGenkiさんやはやおさん等各所で勢力的に活動されてる皆様方。

普段は積極的にバベルモードを攻略なさっているパズルガチ勢も集結し、いよいよ混沌としてきます。


もちろん私自身も対戦会を企画しました。
Tokyo Pillow Fight Vol.3は先に行われた大会と同様に多くの方にご来場いただき、無事終えることができました。
この時の優勝者もリノさん。

様々なジャンルからの魑魅魍魎が集結した中でも、実力差を見せつける結果となりました。

 

EVO 2019 日本からの大遠征が組まれる(2019年)


こうして今年のEVO2019の「キャサリン」、「キャサリン・フルボディ」の2種目大会へと進んでいきます。

私個人としては例年のようにメイン種目1~2種目に重きを置き、サイドは時間の許す限り遊ぶという方針で計画していたのですが、今年もまた例年と異なる事案が発生致しました。

日本キャサリン勢のアメリカ大遠征が計画されたのです。

 

事の発端は前述のEVO Japan2019のチャンピオン、リノさんが本気で海外勢を崩しに行くと決断したこと。旅慣れたMSTさんがサポートしながらその夢を後押ししたことでした。
また、今大会のオーガナイザーを務めたLinusから日本のキャサリン勢への渡航費支援プロジェクトが発動したことも大きな要素となりました。

 

こうして私、らいらいさん、リノさん、MSTさん、江戸川さん、セリーナさん、ラヒラヒ君、Chan-Cさん、はやおさんの9名が日本からトーナメントに参戦することとなりました。

 

例年のようにキャサリン部屋が作られ、昨年と同様に日米スパーリングが随時開催されていたのですが…
まだ絶対王者のShasには及ばないものの、確実に海外勢との差は詰まっていました。
この1年半におよぶ布教は、確かに日本のキャサリン勢の全体レベルの底上げに成功し、私自身も昨年より大幅にレベルアップしていることを感じました。


リノさんに至っては絶対王者とも言えるShasに喰らいつけるレベルに達していました。
これは望んでいたことではありますが、正直驚くべきことです。

トーナメントの光景は大変素晴らしいものでした。

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結果として、「キャサリン」部門ではリノさんが4位入賞、私自身も初の7位入賞。
「キャサリン・フルボディ」部門ではリノさんがShasを撃破しての3位入賞、江戸川さんも5位入賞と


海外勢が下馬評通りしっかりと勝ち上がってきている中、キッチリと日本で結果を残していた方々が直接対決を制しながら結果を出すことができました。

 


さて、予想よりかなりの長文となってしまいましたが、以上が私が「キャサリン」という題材で新たなゲームコミュニティーを立ち上げるにあたって、考えたこと、行動してみたこと、実現したこととなります。


言いたいことをまとめると

 

①全ての物事において初動が最も大事。基本的にモチベーションは落ちていくので、鉄を熱い内に打ちまくるのを意識しなければならない。


②見ている者を惹きつけるスーパープレイの動画と、熱の籠った実況が入った動画、またそれらの現場を客観的に撮影した写真達の存在はその物事にとって『宝』である。その動画だけでは効果が薄いかもしれないが、1年分、2年分と積もっていくと巨大な価値となり得る。


③ビジョンと責任を持って行動をすること。ビジョンを描いて共有しないことには目的としたイベントは開催出来ない。必ず自分の中で100点のビジョンを最初に描き、近づけていくこと。また、自身の言動には必ず責任を持ち、判断は常に素早くすること。


④Key Personを見定めること。必要な資材は買えばいいが、人材は簡単には出てこない。本当に信頼して仕事を任せれる人を普段から見定め、その人が活動する時が来れば後方支援に徹すること。


私の活動は「ほとんど人に助けてもらってた運だけ野郎じゃないか?」という感想を持たれると思います。

 

いや、ごもっともです。

 

そもそものところで、私は「キャサリン」というゲームのただの一人のユーザーなのです。
まず第一に開発・販売元のATLUS様には、積極的に活動をサポートいただけたことを心より感謝しております。

 

そして対戦ゲームは対戦相手がいなければ遊ぶことすらできません。
一緒に遊ぶ友達を一人でも作ろうというところから始まった活動としてはいささか大きく広がっていってくれた感がありますが、お付き合いいただいた方々、イベントに参加していただいた方々は本当にありがとうございました。

この場を借りましてお礼を申し上げさせていただきます。


さて、完全に締めの感じになりましたが、実はまだまだ活動は続いております。

東京での対戦会等のイベントは流石に現地の方に移譲しようと考え、なんと今回キャサリン勢の一人であるのわの君が対戦会を開催してくれることとなりました。

 

◆キャサリンフルボディ カジュアル対戦会

場所:Red Bull Gaming Sphere Tokyo

日時:2019年9月15(日) 12:00~
参加登録はこちらとなっております。

twipla.jp

野試合台も多数設置し、対戦交流会のような形式となっておりますので、お気軽にお越しいただければと思います。

 

◆キャサリンフルボディ オンライン対戦会

毎週土曜日朝8時~9時ぐらいから「カジュアルマッチ」にて開催中

また、遠方で対戦会に来られないけど、キャサリンの対戦をしてみたいという方は、毎週土曜日の朝9時頃から皆で集まってネット対戦を行ってます。
にわかさん(@2oka8r0)という方が主に主導で開催告知をなさっていますので、確認の上、お気軽に潜ってみてください。

 


また、EVO Japan 2020が発表されたことにより、今年もサイドトーナメントを開催するために動いていこうと考えています。
採択されるかは運営の判断であるところですので開催自体も未定ですが、是非興味を持たれた方は幕張メッセでお会い出来ればと思います。

 

それではここまでお付き合いいただきありがとうございました。
引き続き宜しくお願い致します。