陰キャオタクがゴルフを始めようと思ってしまったら

はじめに

「アニメが好き」という陰キャが人権を得始めてからどれくらい経つのか。

 

エヴァンゲリオン」放映時なんかはまだ人権は無かった気がするが、「涼宮ハルヒの憂鬱」等の京アニ系アニメが流行りだしたくらいからだんだんと「アニメが好き」と言える空気が出てきたように感じている。

 

そのハルヒの放送が2006年


仮に当時大学生だったオタクは13年経ちみんな30歳を超えている

 

そんな三十路に到達した陰キャオタク達は皆一様に考えているんじゃないだろうか

 

「最近お腹が出てきたなぁ…」


当然である。


何故なら我々陰キャオタクは運動をしないのである。

 

しかし、歳を重ねると運動の大切さを実感してくるのではないか。

 

仕事でも趣味でも結局のところ体力勝負になることが多い。

 

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創作はいつも削られた命から産み出される


圧倒的な才を持ちスマートな仕事をする人も中にはいるとは思うが、

煌びやかな良い仕事は大体泥臭い作業の上に成り立っている。

 

それ故にランニングや筋トレ等お金のかからない対策法はSNS上に枚挙にいとまがなく発信され、ジム等にオタクが通いだす事例が続出している。

 

しかし、そんなオタク達はこうも思ってるんじゃないだろうか

 

「どうせ運動するなら、楽しみながら運動したいよね」

「趣味を持つなら、長く続けれる趣味がいいなぁ」


この記事はそんな「趣味を開拓しつつ、運動もしたいオタク」が「ゴルフでもやるか」と思い立ってしまった際に参考になると思われる記事である。

 

なお、ゴルフの知識に関しては「みんなのゴルフをやったことがある」程度を想定して書いているのであしからず。

 

≪目次≫

はじめに

第1章 陽キャ体育会系の言う事は話半分に聞け 

第2章 初期装備選択

 第1節 クラブ選択

 第2節 練習場で必要な装備

 第3節 コースで必要な装備

第3章 練習場に行こう

第4章 ショートコースに行こう

第5章 本格的なコースに行こう

 

 

第1章 陽キャ体育会系の言う事は話半分に聞け

表題で出オチ感あるが、最初に「運動系の趣味」における心構えはしておかなければならない。 


何故我々が陰キャオタクなのかと言うと、大体がそもそも運動があまり得意でなかったからに起因するのではないか。

 

そんな体育会系が蔓延る趣味での言説は、「そもそも運動ができる奴バイアス」がかかっている。


全ての言説が間違っているとは言わないが、多くは我々の身体には合わないものだろう。


では何を参考にすればいいのか?

 

僕の答えは「女性ゴルファー」または「ヨボヨボのおじいちゃんゴルファー」である。

 

老若男女が同じフィールド(スタート地点は異なるが)で戦うゴルフでは男子選手と女子選手の攻め方は全く異なる。

 

体育会系の人は同じように恵まれた体躯を持った男子プロをお手本とするのが筋だとは思うが、せいぜい身長が170cm足らずのひょろひょろオタクがお手本とすべきは「体格のいい女性」か「力の無い男」の戦略である。

 

と、いうわけで次の初期装備編は昨今の女性ゴルファーを参考としたピックアップをしている。
(用具は男性用を購入してね)

 

 

第2章 初期装備選択

第1節 クラブ選び


コースに出るために必要なゴルフ用品は多々あるが、とにもかくにも練習を始めるにはまずはクラブを集めることだ。

 

ご存じかもしれないが、大前提として「コースに持っていって良いクラブは14本まで」というルールがある。

 

多数のクラブがあった方が戦略が広がるため、プロは頭を悩ませ14本を選ぶと思うが、陰キャオタクにその必要は無い。

 

そんな本数のクラブを使いこなせないのである。

 

そもそもクラブが増えると投資もかさむし、持ち運びが面倒くさい。

 

よって以下の順でクラブを揃えることをオススメする。

 


①9番, 8番, 7番アイアン (+ピッチングウェッジ)

必須装備。

 

ゴルフゲームをプレイしたことのある人なら「アイアンってもっといっぱい無かったっけ?」って思うだろうが、この3本で十分である。

 

安かろう悪かろうのクラブでもとりあえず使えると思うので、とりあえず中古のゴルフ用品店、またはメルカリ等で見つけよう。


下手すればセットで数千円で売っている。


格ゲー勢がアケコン何台も持ってるように、案外ゴルフする人は謎のクラブをいっぱい持ってるので借りるのもいい。


通常ゴルフクラブはより遠くに飛ばすためのクラブであるほど、ボールとクラブの当たる角度は水平に近くなるし、クラブの長さが長くなる。


これがクセ物であり、水平に近ければ近いほどボールを打ち上げるのが難しくなるし、長ければ長いほどボールに当てるのが難しくなる。

 

すなわち遠くへ飛ばすクラブほど扱うのは極端に難しくなっていく。
(個人的に6番アイアンから急に難易度が高くなる)

 

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女性のクラブ選びと飛距離の図 参照:女性ゴルファーのためのクラブ選び Part.2

 

当然初心者が難しいクラブを使ってもボールは前に飛びはしない…


そこで最低限「前に飛ばす」、「そこそこ飛ばす」を練習する上で最適なのは9番アイアンである。

 

9番アイアンを使って大体打てるようになると、その内8番、7番と使えるようになっていく。


まずはこの「最低限飛距離が出るクラブ」達と友達になろう。

 

 

②アプローチウェッジ(52度、56度)

ある程度打てるようになったら今度はグリーンへ寄せるために短い距離を打つクラブ選びである。

 

個人的な感覚かもしれないが、このアプローチウェッジが最も繊細なショットが要求される故に、各個人特有のスイングに合うクラブ合わないクラブが発生する。

 

試打が出来る中古のゴルフ屋に行ってロフト角度52度程度のアプローチウェッジを片っ端から打ってみて直感的に合ったクラブを選ぼう。

 

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角度はここのロフト角のこと。ロフト角が高いほど上に打ちあがり遠くに飛ばない。


56度のクラブも同様に選んでも良いが、主に使用するのは練習しずらいバンカー等となるため、とりあえず52度のクラブと同じメーカーのクラブを選ぶのは一つの手である。

大体打ち感が似ているのでハズレが少ない。

 

 

③パター

パターはコースに出る上で必須クラブであるが、練習場で使うことが無いので後に回した。

 

めちゃくちゃ種類が多い上に中古ショップでの試打も自由なことが多いので色々触って気軽に選ぼう。


ここまでの6本があれば、ショートコースは完璧だし、一応どんなコースでも回れるようになる。


これ以降は「あればすげー便利なクラブ」となる。

 

 

④ユーティリティー(ハイブリッドタイプ) (25度)

さて、男性との戦略が変わってくるのはこっからである。


6番以降のアイアンを省く代わりに、打ちやすいユーティリティーという種類のクラブを入れておこう。

 

「役に立つ」という名前がつけられたこの種類のクラブは、いわば強キャラそのものである。


シャフトが比較的短く設計されており、反発力が高く簡単に飛距離が出る。

すなわち「比較的打ちやすく、よく飛ぶ」のだ。

 


男性ゴルファーは入っていても大抵1,2本だが、女性ゴルファーは3本以上入ってることもざらにある。


それだけ「非力な人」には利便性が高い種類のクラブである。

 

このユーティリティーと一本友達になっておけばロングコースが滅茶苦茶楽になるため、比較的入手がしやすくロフトもある25度のユーティリティーを検討しよう。

 

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僕が好きなのはタイトリストのやつ(個人差があります)

 


⑤ドライバー

さて、普通の人の感覚だと「まずアイアンはなんとなく分かるけど、次にドライバーでは?」となる。


それはそうなのだが、このドライバーという代物がそもそも「陽キャ用のクラブ」であることを念頭に置いておかなければならない。

 

筆者はゴルフをする上でギックリ首およびギックリ腰になったことがあるが、いずれも原因はこのクラブである。

 

ドライバーはボールを飛ばすように設計されているため、クラブがとにかく長く、軽い。故に扱いが難しい。

 

ゴルフ初心者はまず上手くボールにクラブを当てれないため、地面を叩いてしまったり空振りしてしまったりしてしまう。

 

身体に最も負荷がかかるのは「自らが想定していない負荷が身体にかかった時」である。


身構えてない状態なので100%の力で襲い掛かってくる。

 

すなわち、地面を叩いても空振りしてもボールに伝える予定だったすさまじい遠心力が100%身体に返ってきてしまうのだ。

 

ある程度筋肉がついている状態であれば身体がカバーしてくれるが、陰キャオタクの筋肉量ではひとたまりも無いのである。

 

と、いうことで筆者は最悪無くてもコースを回れるユーティリティーやドライバーの練習は後回しにして、アイアン関連で「クラブを振る」運動をして関連する筋肉をつけることを優先するのをオススメしている。

 

買う場合は「初心者用」と銘打っている中古ドライバーを選ぼう。
初心者用はクラブヘッドが大きく、クセが少なくまっすぐ飛びやすいように設計されているものが多い。


また、ゴルファーは高確率で何本かドライバーを持っているので借りたり譲ってもらうのもいいだろう。

 


第2節 練習場で必要な装備

ここからは練習場に行く際に必要な装備である。

 

〇グローブ

ゴルフ屋さんに行ったら各サイズの試着があったりするのでそれで自分のサイズを確認しよう。

 

ゴルフグローブは一般的に左手だけにつけるものであるが、女子はみんな両手つけている。


僕はゴルフを始めた際に左手だけつけてたが、右手にマメが出来ることに悩まされたので両手グローブにしている。

 

つけ始めてから「なんで両手グローブつけてるの?」と頻繁に聞かれたが、逆に「何故左手しかグローブをつけないの?」と聞き返すと誰も答えれなかった。


後々調べてみたが「かっこ悪い(とされている)から」以外の理由が見当たらなかったため僕は両手グローブを推奨している。

 

僕は羊革のグローブが好きだけども、別に適当なので良いと思う。

 


〇ゴルフバッグ

クラブを素手で持ってくる人もいるけど、大抵猛者である。


ゴルフバッグは後々コースに出る時に必須なので持っておいた方がいい。

この際新品で買うのは非常にもったいない。

 

全国各地で頻繁に開かれているコンペにおいて、ゴルフバッグは頻繁に景品となるが、ゴルフバッグをもらったところで既に大体の人はゴルフバッグを持っているのでその多くは譲られたり質に流れたりする。

 

と、いうことでゴルフバッグは比較的新古品が市場にゴロゴロ転がっているのが現状である。

 

自立しやすかったり色々あるが、とりあえず安いやつを選んで問題無い。

 

 

第3節 コースで必要な装備

更にコースに出る際に必要な装備をあげていく。

〇ボール
初心者はどんどんボールを失くす上に出費が馬鹿にならないのでできるだけ安いボールを使うようにする。


よって選択肢はまずゴルフ用品店に売ってるロストボールになるだろう。

 

慣れてきたらプレイ中に森に打ち込んでしまった自身のボールを探すついでに放置されたロストボールを拾い集めることで、たまにしかボールを買わなくて済むことになる。
(プレイ中の隣の人のボールとかは拾わないように注意しよう)

 


〇シューズ

ゴルフ用のシューズは、芝の上で滑らないように設計されているため専用のものを買いたい。

 

近年は普段使いもできてお値段も手ごろなスパイクレスタイプが浸透してきており、なおかつNewBlance等カジュアルめなメーカーも参入してきてるので価格も下がり気味である。

 

機能性云々よりも自分の足に合うシューズを探すのが最も重要である。


シューズは流石に売り飛ばしにくいので、ゴルフを辞めてもはけるタイプが良いかも。

 


ティー

安いショートティーを何個か持って行く。
ドライバー打つ場合はロングティーを買っておく。

ティーもその辺にいっぱい落ちてるので、拝借して使用してもいい。

 


〇服装

ゴルフは「紳士のスポーツ」とのことで推奨の服装があるが、名門ゴルフコースで無い限りは服装でプレイを断られることはない。


が、郷に入れば郷に従え的なことはあるため、以下には注意しておくと良い。

 

・襟付きの服を着る。
主にポロシャツとなる。
肌寒かったら下に長袖を着るか羽織るものがあるといい。
ちなみにタートルネックも襟付きと判定されるバグがある。

 

・ズボンをはく
ジーンズ、ジャージはダメっぽいけど、それ以外なら大体なんでもいける。
夏は半ズボン可。

 

・帽子をかぶる
オタクは陽に弱いので帽子を被ろう。
一応必須装備扱いだが、かぶってなくても特に注意を受けたことはない。

 

・ジャケット
名門コースだと夏でもジャケット必須みたいなことになるらしいが、オタクはそんなとこ行かないと思うので要らない。

 

・雨具
運悪く雨が降ってしまうと雨具が要る。
完全に予約して行く時以外は「雨なら行かない」という選択肢を取ろう。
雨のゴルフは正直面白くない。

 


第3章 練習場に行こう

練習場、いわゆる打ちっぱなしというものは数は減っているがまだまだ割と点在する。

料金プランは様々で1球〇〇円で球を買うところもあれば、30分〇〇円で打ち放題のとこもある。

 

大概レンタルクラブもあるので、手ぶらで行っても楽しめるが、最終的に打つのは自分のクラブなので自分のクラブを持って行こう。

 

〇注意点
①席取り
ゴルフ練習場についたら受付を済ませて打席を取る。


この際出来るだけ打席に向かって右手側の席を確保するようにしよう。

 

何故か?


初心者から球に100%ヒットするような人はまずいない。


球の上を叩くと飛んでいかず、下を叩きすぎると地面を叩くことになる。
これはまだいいのだが、問題は左右へのブレである。

 

初心者が振ると大体クラブがイメージ通りに返ってこず、振り遅れのような形になって右方向に打ってしまう。


これに左右のブレが重なると真っすぐ打とうと思ったのにほぼ真横にもの凄い勢いのボールを打ってしまうという事例が発生する。

 

横並びで打つような練習場ならまだいいのだが、弧を描いて席が配置されている場合、人に危害を加えてしまう恐れがあるため、最も右手側の席が安全なのだ。
(左利きの場合は左側の席を確保しよう)

 


②準備運動

準備運動は必ずしよう。


なんだかんだでラジオ体操を推奨している。

 

特にクラブを振るのは回転運動なので、腰と首を念入りにぐるぐる回すと良い。

 


③スイング

人のゴルフを見てるとめちゃくちゃ身体をぶん回しているように見える。


が、別に腕を振り上げる必要は最初は無く、ハーフスイングくらいから始めると良い。

 

とりあえず球に当てることから始めるのが大事である。


1球いくらの練習場であれば、もったいないので素振り⇒打球を繰り返すと良い。

 

と、いうか初心者がフルスイングすると前述の通り100%身体を壊す。注意しよう。

 


④球の置き位置

これは人によるだろうが、クラブで球を打つ時、身体の中心にボールを置いても上手く飛ばない。


何故ならクラブを振り下ろした時、最も力が加わり、正面に向くのはもう少し前の位置だからだ。

 

バレーのスマッシュ、野球のミート等様々なスポーツで言えることだが、適切なミートポイントはいつも身体の中心より少し前である。


球の置き位置が適正場所より後ろだと野球で言う「振り遅れ」気味になり、打球が右に飛んでいく。


最初の席取り編で書いた「初心者は右に飛ばしやすい」原因の一つである。

 


〇個人的練習法

①とりあえず9番アイアンを使って7割浮かせれるようになる。


②9番アイアンを使って7割が狙った方向±5度で飛ばせるようになる。


③大体60ヤードくらいを打てるようになる。


④大体30ヤード転がせるようになる。(無理にアプローチウェッジを用いず、7番やユーティリティで軽く当てて転がすのも手である。)

 

ここまで出来れば余裕でコースに出れるようになる。

 


第4章 ショートコースに出よう

 

さて、まず目指すコースは大抵が9ホールで構築されているショートコースである。


ショートコースは全てのコースが100~200ヤードまでで構成されており、グリーン、バンカー等が完備されている上、一人からでも回れる場所が多く、なおかつ安い。

 

場所によっては1日回り放題で3000円もしない場所もある。

流石にしんどいので2時間程度が限界だが…

 

仲間とワイワイやるも良し、一人で黙々と回るも良し。


色んなクラブを使ってみて、課題が見えたらまた練習場で練り直そう。

 

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なんかショートコースって意外といっぱいありますね

 


第5章 本格的なコースに出よう

ショートコースで雰囲気が大体分かったら次は本格的なコースに出よう。

 

最近はインターネットの予約システムが発達しており、じゃらんゴルフ等で予約するとかなり安い日もあったりする。


ただ注意してもらいたいのは、本格的なコースは大抵3~4人で回らないと追加料金等が発生してしまったりで敷居が非常に高い。

 

また、予約したのに雨が降ってしまっては正直最悪である。


そこでオススメは「早朝ゴルフ」および「薄暮ゴルフ」があるコースである。

 

どちらも予約無しで遊ぶことができることが多く(要電話確認)、2人から追加料金無しで参加できたりするので、本格的なコースを9H分格安で回ることができる。

 

特に早朝ゴルフは早めの組でサっと上がれば、予約組の第1組がまだスタートする前に上がれるので、そのまま通しで18H遊べたりする。


終わっても大抵10時回ってないので、1日の家事アレコレがまだまだ出来て非常に健康的な生活が可能である。

 


その他、裏マナー等細々としたことはあるが、以上が「陰キャオタクがカジュアルにゴルフを始めるまで」の道順の一つである。

 

それではまた。

 

PS.こういうのにキャッチーな絵をつけれればコミティアにでも出すんだけどなぁと考えてるんですが、誰かやりません???