35歳の田舎のサラリーマン、eスポーツオリンピックに招待される。

ことのはじまり

 

皆さん、「オリンピックeスポーツウィーク(OEW)」というイベントはご存知だろうか?

 

身の回りの人50人ぐらいには聞いた気がするが、認知度は驚きの0%だった。

 

今年の3月頃に突然前触れも無くホームページの公開と共に突然発表された上に、今のところ特に主要メディアも取り上げているわけではないので仕方が無い話ではある。

 

ザクっと言えば「IOC(国際オリンピック委員会)直下で開催されるオリンピックと名がつく大々的に行われる第1回大会」という認識で良いっぽい

(アジアオリンピック委員会直下では既にある)

 

olympics.com

 

一方で、よく遊ぶインターネットのオタク達の認知度は50%くらいはあった。

 

原因はちょもす氏が書いた以下のブログである。

 

note.com

 

性格がねじ曲がってしまったまま大人になってしまった我々は、突然発表された「オリンピック」という世間一般的には権威のあるワードに惹かれ、その中で唯一勝ち目のある「Tic-Tac-Bow」というゲームの攻略を開始したわけである。

 

予選までの3ヵ月に色々な事件が発生し、その内容については同様にちょもす氏が面白おかしくレポートにしてくれている。

 

特に完結編の「無職33歳男性が、三か月間eスポーツでオリンピックを目指してみた結果」というブログは、涙無くては語れない内容になっている。

(このブログのタイトルの元ネタもこれである)

 

特におじさんが面白フラッシュ倉庫になっていた事が判明した瞬間は腹を抱えて転げ回った。

 

note.com

 

 

僕はこの際の攻略メンバーの一人として帯同しており、「誰か一人をオリンピックに送り込む」という目標をモチベーションとして活動していた。

 

もっと言うと突然知り合いの誰かが「オリンピアンです」と語り始めたら絶対に面白いと思ったし、「オリンピアン」で検索をかけたら出てくる日本オリンピアンズ協会の人間になったら更に面白いと思ったというのもあった。

 

ちなみにオリンピアンズ協会の入会特典として、葬式の時に何故か五輪旗が送られてくるという特典がある。

 

日本オリンピアンズ協会 入会特典

 

 

www.oaj.jp

 

一次予選がゲーム内ランキングTop32にランクイン。

二次予選が土日の22時~朝4時までのトーナメントでTop6が招待というルールで争った。

 

私自身は健闘したものの、7位タイと惜しくも敗退してしまった。

 

しかし、ゲーミングチーム『魚群』所属の象先輩が予選会を潜り抜け、当初の目標を達成できたし、めでたしめでたし…

 

 

と思いきや、後日にゲームの運営チームから私に1通のダイレクトメッセージが届いた。

 

召集令状

通常のゲームイベントではまず存在しないシステムであるが、オリンピックという大会には「バックアップメンバー」という制度が存在するようだ。

 

参加候補者が大会のかなり前で決まってしまう関係で、怪我による離脱というのは頻繁にある事であり、リスクを減らす施策をする文化であるらしい。

 

とりあえず私は二つ返事で「良いよ!」と返答をした。

理由として以下の2点が考えられたからだ。

 

①そもそもゲーマーがケガするリスクなんてほとんど無いし、考えられる事と言えばコロナ等の体調不良くらいであろうと考えられた。

 

②Tic-Tac-Bowの予選大会も世界規模でオンラインで行われたが、ゲームルール的にシビアなシステム同期が必要無く、自宅から十分参加可能なため、大会当日だけ休暇を取れば問題無いと考えられた。

 

なので、バックアップ選手登録と同時に「当日だけ休暇を取って、自宅にいるという流れで良いか?」と問い合わせしていたのだが…

 

その一週間後に驚きのメールが到着する。

 

 

「フライトスケジュールはこれで良いか?」

 

 

まさか俺は突然シンガポールに行く事になるのか???

そもそも会社休める???

 

 

安請け合いしたばかりに突然諸々の整理が始まる事になった。

 

 

・特別休暇を取れるのか

 

学生であっても社会人であってもこれは非常に気になる所であろうと思う。

 

一流のアスリートであるならば幼少期からこの辺楽勝だろうが、田舎の会社員が突然IOCに招集されるというケースは恐らく歴史上稀だし、本格的に社会がeスポーツで呼び出しをするというのもこれからだと思うのでメモしておく。

 

 

色々な所に聞いた限りでは、会社なり学校なりが特別休暇を出す大前提の条件として、団体のトップ宛への招集願いが必要となる。

 

この辺は恐らく野球やサッカーの日本代表でも同じ理屈である。

 

国体等においても、例えばレフェリー等で招集されるパターンの人もいるようで、主催団体は毎回出しているらしい。

 

つまり、例えば通常のオリンピックの場合、日本のオリンピック委員会(JOC)が招集状を発行しているし、特定の競技の全国大会等だと、その競技の協会から発行するのが定例のようだ。

 

では、今回の場合は…というとJOCJeSU(日本eスポーツ連盟)も大会には関与していないため、主催のIOCに直接発行をお願いしないといけないわけだ。

 

ただ、招集状が発行されたとしても、その活動が所属団体の方針に則しているかが休暇発行の基準となるので、今のところ理解の無い企業は「オリンピック」等の強いワードで押し込むしか無いようだし、学校から許諾を取るのはなかなかに難しい事になるのかもしれない。

 

そんなこんなで今回は主催側も第一回ということで非常にバタバタしているのが透けて見えており、会社の説得も面倒くさいので堂々と有休休暇をぶっ放す事にした。

 

 

・僕は何をすべきか

 

上述の通り、予定は開けたわけだけども、正直私が本当にバックアップ要員から格上げされて競技に参加する可能性は10%に満たないと考えている。

 

そんなよく分からない人間に航空機代とホテル代を出してくれるっぽいのは大変申し訳無いので、可能な限りのレポートをブログに書く事で少しでも貢献してるスタンスを出すことに決めた。

(放送部分等以外の活動は自由にSNS等に書いて良い。むしろ推奨しているという文章が昨日丁度届いた。)

 

と、いうわけで来週の6月23日~25日にシンガポールで開催される「オリンピックeスポーツウィーク」のレポートをボチボチ書いていく。

 

 

・個人的な注目競技

 

 

TVerで見れる「激論サミット」という番組でeスポーツ議論がされており、その中でオリンピックeスポーツシリーズにも触れられていた。

 

その中で『主な競技』として紹介されている8競技が上記の競技であるが、実際に行われる予定なのは10競技だ

 

つまり2競技が完全に「マイナースポーツ」としてハブられていた。

 

放送予定(シンガポールの時間なので時差+1時間)

 

この内の1競技は参加予定であるアーチェリー「Tic-Tac-Bow」に関しては正直当然の扱いだとは思う。

ちょもす氏のブログで語られているところもあるが、何しろ歴史が圧倒的に浅い。

 

 

ではハブられたもう一つの競技、セイリング競技の「Virtual Regatta」はご存じだろうか。

 

これは私も調べるまで知らなかったのだが、2006年の太古のインターネットから存在する実際のレースと同じルート、同じ気象状況がゲーム内のステータスと連動する全くイカレたゲームの簡易版(インショア版)である。

(簡易版は1試合10分程度のようだ)

 

play.google.com

 

過去、実際の気象と連動するオフショア版では、世界一周レースと連動して実施された末に約87日間の競争の末に勝敗が争われた記録が残っており、筋金入りのeスポーツの血筋を引いているサラブレッド的競技のようだ。

 

テレビ制作会社はこのような歴史を知らずに作ったのだろう。勉強しよう。

 

 

後、割と注目しているのがベタであるが、パワプロ(野球)である。

 

「大会を通して同じ投手を先発として起用できない」というルールがあるのだが、

 

「適当な投手を先発させて即申告敬遠をした後にお目当ての投手に交代させ、ノーアウト1塁からゲームを始める」という「第二先発」というシステムが駆使される新時代の「eBASEBALL」はなかなかに熱い。

 

www.youtube.com

 

 

それではまた現地で情報発信していこうと思います。

 

フリー素材のシンガポール