皆さんポケモンユナイト、楽しんでますでしょうか。
僕はMOBA初心者なので、色んな界隈の人と組みながらわちゃわちゃと楽しくやってます。
今回はそんなポケモンユナイトに関する問題提起の話です。
■ポケモンユナイトの問題児「カジリガメ」
ポケモンユナイトにおいて現状問題児とされる事は山ほどあります。
先日はいきなりリザードンの仕様が意図してなかったとして修正されました。
滅茶苦茶動きが早かったのでビックリしましたが「他に修正することあるだろ!」と叫ばれてます。
現状そんな感じです。
流石に現代は滅茶苦茶攻略が早く、特に重要とされる部分の検証等は一瞬でSNS上で共有されます。
そこで非常に問題となっているのは下レーンに定期的に湧くオブジェクトモンスターである『カジリガメ』の存在です。
βテストの時から「効果が強すぎないか?」と話題でしたが、実際に検証した人によるとカジリガメの中にタブンネ(野生の標準ポケモン)の17匹分の経験値(+シールド効果)が入っているという検証結果が出ました。
野生ポケモンの経験値を検証しました。
— とうや【オータムGames】 (@OtamuGames) 2021年7月24日
・タブンネはヘイガニよりも1.75倍経験値が多い
→下ルートの方が経験値総量が多い
・カジリガメがチーム全体で17タブンネ
→カジリガメを取ったチームが圧倒的に有利
ポケモンユナイトはカジリガメゲー#ポケモンユナイト #ポケモンUNITE pic.twitter.com/p0NN7siKfS
その結果カジリガメが『非常に価値が高い』という部分だけ共有され、「7分(カジリガメの出現時間)になったら全レーン捨てて下レーンに集合!」という攻略が定着しつつあります。
Twitterで「カジリガメ」と検索してみると関連候補は「無視」です。
覗いてみると、まぁ色んな人がカジリガメに集合しない事に怒っています。
あまつさえ集まらない人を「犯罪者」と罵る人も現れてます。
知人の初心者は「晒されるの怖いからとりあえず下いくようにしてる」とかいう事も発生してます。
ランクマッチに潜ってみると分かりますが、5vs5のチームゲーでソロに潜っても7分に全員下に降りていく動きがほぼ定着してるのが分かります。
下手すればカジリガメが取られた後すぐに降参投票が飛んできます。
■ポケモンユナイトは得点を競うゲームである
そもそものところで何故カジリガメが重要視されるか考えていきましょう。
大前提としては表題通り、ポケモンユナイトは点取りゲームです。
取得する経験値はスコアにはなりません。
あくまで野生ポケモンから得られる玉を相手の陣地にどれだけ入れれるかを競います。
特に最後に出てくる大型オブジェクトモンスターの『サンダー』はそれ本体で「100万点」とも言われ、取ってしまえば形勢が全部ひっくり返って90%くらいは勝ちになってしまいます。
ただ、このスコア勝負を優勢に進めるには、とにもかくにもポケモンのレベルが勝っていることが非常に重要です。
そのため序盤から非常に大きな経験値を持つ『カジリガメ』は重要オブジェクトと位置付けられています。
ただ、どうにもカジリガメの価値については経験値に関して語られる事が多く、本当にその戦法が最も有効なのか?という検証は全然回ってきません。
そこのお前!カジリガメ1体に含まれる経験値はタブンネ17体分だぜ!#ポケモンユナイト pic.twitter.com/DNDHw1E7Lk
— ⇒チャマ! (@chama_Spla88) 2021年7月27日
初めて「カジリガメに寄らないのは犯罪者である」という投稿を見た際に、私が感じた疑問は以下の通りです。
・上中レーンを放棄した際の損について十分に考慮されていない
・カジリカメ発生前の行動効果について考慮されていない
・カジリカメの価値の変化について考慮されていない
この3点が検証され、初めて一点の曇りも無く「カジリガメに寄らないのはありえない」と結論を出せるのだと思います。
そして『犯罪者』あるいは『地雷』呼ばわりが成立するのだと思います。
■各行動の取得経験値について
ユナイト本気勢、今からこれ、全部暗記ね pic.twitter.com/h4IFL2jTFj
— すー(さめ) (@suwchl) 2021年7月16日
上記のモンスター湧き表と先述の経験値表を参考にしますと上中下レーンの取得経験値は以下の通りになります。
なお、カジリガメが調度17タブンネとキリがいいことと、1タブンネを共通単位にすると計算しやすいので経験値の単位を『タブンネ』とします。
よくカジリガメの重要性が経験値で語られますが、問題は上中下レーンの合計経験値でも15.3タブンネ程しかなく、カジリガメ1匹の17タブンネの方が大きいので価値があるとされています。
一方、多くの場合で考慮されてないのは相手ポケモンを倒した時の経験値とゴール時の経験値です。
相手Lvやこちらのレベルで変動する要素ですので、カジリガメファイトの際によくあるレベル帯である6,9,12の際にどういう取得状態になるか検証しました。
スクショして、Web分度器で測定してますのでおおまかな値です。
タブンネの価値を固定すると、各レベルのゴールの価値はあまり変わってないのが分かるかと思います。
(なんかLv上がると野良ポケモンからの取得経験値が減る累進課税みたいなのかかってんじゃないかという話も見ましたが、今回はLv固定で状況を確認するだけなので考慮に入れる必要は無いんじゃないかと思います。)
先の各ポケモンの経験値を調査していただいた方もゴール経験値はどうやら固定っぽいという検証をちらっと下に書いてありますのでその通りなのでしょう。
一方で敵ポケモンを倒した際の経験値は相手ポケモンのレベルによって増加しているのが分かります。
なんとLv12の時点での相手の撃破は約3タブンネであり、相手の全滅をさせるとレーンの全ポケモン処理とほぼ同等の経験値を取得できる算段となります。
一方、レベル差がついた時の相手ポケモン撃破時の取得経験値はどうなっているのでしょうか。
同じLv6ポケを倒した場合でもこちらがLv9の場合は0.88タブンネです。こちらがLv6の場合は1.08タブンネですので約80%になってます。
一方Lv6がLv9を撃破した際は驚異的な経験値が入ってます。
練習場での検証時、謎の挙動が多いので参考値程度に取り扱っていただいた方がいいですが、多く入ってるのは間違いありません。
恐らく多くの人が経験している「いつの間にかLvが追い付ている」正体はこれかと思います。
また、経験値については集団で回った方が効率が良いという興味深い検証結果も出ています。
【検証】
— 新風みこ@ポケモンユナイトマスターランク (@NiikazeMiko) 2021年7月26日
経験値は距離依存だった!?
経験値は与えたダメージに味方が与えたダメージに関係なく、距離で取得します。
距離判定もかなり短くポケモン3体分の距離にいないと取得することができません。
また、2人獲得する経験値の総量は1人で取得する量の125%くらいです。#ポケモンユナイト pic.twitter.com/EYUxOYhqEs
つまり二人以上で回る場合 取得経験値はデータ値以上となります。
以上の検証を利用して、新風氏は恐らく最速レベル上げは以下の方法かもと提示します。
現実的かどうかはさておいて、非常に興味深いです。
【蜂ファイトまでに差をつけろ!経験値最効率ルート】
— 新風みこ@ポケモンユナイトマスターランク (@NiikazeMiko) 2021年7月28日
経験値効率の検証の中で編み出した下ルート最効率レベリング解説動画です。これにより下ルートでは1~2LVの差をつけることができて、上ルートでは中央ヘイガニを渡すことができるようになります。#ポケモンユナイトhttps://t.co/9T1LqZgg3Z pic.twitter.com/MhOj1Bt0ts
■カジリガメに寄らないのは『犯罪者』なのか?
1回目のカジリガメに関しては、序盤に相手ポケモンを倒しても経験値取得が少なく、ゴールに関しても30個ゴールをそう易々と決めれる事が稀ですので、間違いなく超重要と言わざるを得ません。
特に取得側の多くのポケモンがLv9に到達し、ユナイト技が解禁されるため、一気に戦況が傾く可能性が高いです。
そのため、カジリガメ出現時間に5人揃っている方が間違いなく有利です。
しかし非常に重要な考慮しなければいけない要素が2点あると考えております。
(両チームのポケモン構成に関しては複雑過ぎるので置いときます)
①相手の下レーンの1stゴールが破壊されている場合
②どちらのポケモンもユナイト技を基本的に持っておらず、もし持ってるキャラを一人投入出来れば戦況を傾けれる可能性がある点
①はワタシラガがいない場合、基本的にスキルによる回復という概念が薄いポケモンユナイトでは、ゴール内での自動回復と、手前に定期的に設置されるオボンの実での回復に頼ることになります。
特にHPを1500回復するオボンの実は、序盤はほぼ体力の半分を回復する凄いアイテムなのですが、1stゴールが破壊されている場合出現しなくなってしまいます。
結果、持久戦を挑まれるとどんどん回復不足でジリ品になり、ラインが押され、カジリガメが取られてしまうという状況です。
逆にこの状況を故意に発生することが出来れば、ほぼカジリガメを取ったようなものだと思うのですが、あまり語る人を見ません。
②ポケモンユナイトにおいて序盤~中盤に破壊的な威力の技を持つキャラは結構限られており、故にLv7で破壊的な火力を出す事が出来るゴースト等のアタッカーを起点にカジリガメファイトに乗り込んで押し切るという戦略がよく取られます。
一方でLv9に到達出来れば多くのポケモンが切り札の『ユナイト技』を取得でき、単体で大きく戦況を傾けることが可能となります。
ただ、1回目のカジリガメが出現する7:00までにかなり効率的に周ってもLv9到達は非常に難しく、結果としてお互いのキルの取り合いの中で先にLv9になったポケモンが一帯を蹂躙して決着というシーンも良く見ます。
(リザードンは7:00までにかなり安定してLv9で参戦可能なポテンシャルがあったから調整が入ったと考えてます)
では相手より早くLv9を作るにはどうするか?そのリソース(経験値)はどこから持ってくるか?
その答えが現状『放置されている上レーン』にあると考えてます。
上レーンは前述通り5.23タブンネが埋まってますが、30点ゴール+α(中央レーン自陣余り)を入れれば8タブンネ程度稼ぐ事が可能です。
下レーンには耐える勝負をしてもらう事になりますが、十分に勝算があるプランかと思います。
(一応チェックのため、一昨日にソロランク、エリート帯で上レーンウッウでLv9下降プランを回したところ12連勝しましたので現環境には刺さってる気がします。)
また、上記のデータから分かる通り、少なくとも2回目のカジリガメ、3回目のカジリガメの価値は1回目のカジリガメより下がっていると考えられます。
2回目のカジリガメに関しては、お互いユナイト技が解禁されている状態で会敵する可能性が高く、野良ポケモンの効果が経験値+ユナイトゲージ回収となるので戦略が産まれてくるかと思います。
結果としてカジリガメが取れれば万々歳。取れなくても以降、討伐価値が爆増する相手ポケモンをどう狩るかに戦略が移行するように思います。
3回目のカジリガメに関しては得られる経験値+シールドよりも、むしろ2:30あたりに移動し始めるロトムの方が相手のサンダー討伐布陣を大きくかき回してくれるので、影響が大きいのではないかと疑い始めてます。
以上の考察から私は「カジリガメは非常に重要なオブジェクトで、何も意図が無いなら寄っといた方が良いが、別に寄らなくても犯罪者とは言えない」と今のところ結論付けてます。
■『チームプレイ』という『スタンドプレイ』を強要される文化にうんざりしている
例えばカジリガメに4人しか寄らなかったとして、その寄らない一人の意図を考えず「犯罪」あるいは「無能」等とノータイムで結論を下すのはチームプレイでもなんでもありません。
「中央のヘイガニを狩るな」「ルンパッパやバッフロンに触るな」といったその他の理論もどれも中央レーンで「下手糞は黙ってろ!俺がキャリーしてやろう!」というスタンドプレイがしたいプレイヤーが流布した理論に他なりません。
(守った方が勝ちやすいというのは正直否定できませんが)
味方の動きを見てれば予測可能な事態ですし、そうならないようにする代替案はいくらでもあるかと思います。
別に「勝てればそれでいいではないか」と考える方が多数いるのも理解してますが、本作は共同作業による経験値アップや、(安易な)逆転システムの存在によってしっかりとフォローされるように考えられて作られているように感じます。
別に野良ゲーマー達がワイワイとレッテル貼りに勤しんでいるのはいつもの事ですので何とも思わないのですが、今回の場合は日常的にしっかりとデータの検証が必要であるようなキャスターやライター等を生業としているプレイヤー達ですら断定的に『犯罪』という非常に強いワードを用いているのを見て非常に強く危機感を覚えました。
私もチームプレイがクソ面倒くさいので普段ずっと1vs1の対戦ゲームをしていた節があるのですが、久々に嫌な物を見たという感覚があります。
恐らく以上の私の話も間違っている箇所が多数存在します。
全ての意見を鵜呑みにしないように、自由な発想で『チームプレイ』が繰り広げられる事を祈っています。